【花札辞典】「こいこい・花合わせ」の用語の読み方と意味|出来役・札名など

色彩あふれる花札のイメージ写真 花札

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

花札では、普段あまり馴染みのない言葉がたくさん登場しますが、その中でも、出来役の名前や動植物、旧暦の読み方などは、花札を遊ぶ上での必須知識になるので、ぜひとも覚えておきたいところです。

記事では以下のことをまとめています。

花札のルール全般に関する専門用語

「こいこい」「花合わせ」に登場する出来役名・札の種別名

各月札にまつわる言葉(動植物の名前など)と旧暦名

各カテゴリーごとに三色()で色分けし、五十音順に並べましたので、花札用語を確認するための「逆引き辞典」としてご活用ください。

▼「こいこい」「花合わせ」の遊び方と役一覧(点数付き)はこちら▼

「こいこい」の遊び方(ルール)と役・点数一覧
「花合わせ」(3人)の遊び方(ルール)と得点数表・役一覧

それでは、各用語について順に見ていきましょう。




あ行

青短(あおたん)・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「牡丹(ぼたん)に青短」「菊に青短」「紅葉(もみじ)に青短」の3枚。

青短(あおたん)/「牡丹に青短」「菊に青短」「紅葉に青短」の3枚。

あかよろし・・1月の短冊札に描かれた文字(「あのよろし」ではない)で、意味は「明らかに良い、実にすばらしい」。「あかよろし」の「か」は「変体仮名(※1)」の一種。

1月の短冊札/松に短冊

(※1)変体仮名(へんたいがな)・・「小学校令施行規則(明治33年)」によって文字が統一されるまで使われていた「ひらがなの旧字体」のこと。一音が一字に対応する現在の「ひらがな」と異なり、一つの音に対して複数の字体が当てられていた(例:「あ」▶「安」「愛」「阿」「惡」)。

上がり・・手札がすべてなくなるか、もしくは各ゲームで決められた役が出来上がること。「上がり」に対して、支払われる点数を「上がり賃」という。

あずける・・ゲーム中に、親や胴二が出来役を作っているとわかった時に、ビキや他の参加者がその役に必要となる札を取って、相手の役成立を妨害すること。

雨四光(あめしこう)・・「こいこい」の出来役。「柳(やなぎ)に小野道風(おののみちかぜ)」を含めた光札4枚。

雨四光(あめしこう)/「柳に小野道風」を含めた光札4枚。

雨シマ流し・・「花合わせ」における「取り札による特殊な役」。柳札を4枚集めると、その人のすべての出来役が無効になる。

雨シマ流し/「花合わせ」の「取り札による特殊な役」で柳札4枚

雨札(あめふだ)・・11月札の別名。「雨」と呼ばれる理由についてはよく分かっていない。

赤短(あかたん)・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「松に赤短」「梅に赤短」「桜に赤短」の3枚。

赤短(あかたん)/「松に赤短」「梅に赤短」「桜に赤短」の3枚。

菖蒲(あやめ)・・5月札の植物。アヤメ模様が特徴のアヤメ科の植物。ただし、札に描かれているのは「菖蒲(あやめ)」ではなく「杜若(かきつばた)」。

猪鹿蝶(いのしかちょう)・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「萩(はぎ)に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚。

猪鹿蝶(いのしかちょう)/「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚。

猪(いのしし)・・7月札の動物。日本でよく見られるのは「ニホンイノシシ」。向こう見ずに真っ直ぐ進むことを意味する「猪突猛進(ちょとつもうしん)」の言葉とは裏腹に、実際には自由自在に方向転換が可能。猪の肉は俗称で「ぼたん」と呼ばれている。

鶯(うぐいす)・・2月札の動物。春を代表する鳥で「日本三名鳥(※2)」の一つ。札に描かれているのは鶯ではなくめじろ。

2月種札/梅に鶯

(※2)日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)・・日本に生息するさえずりが美しいスズメ目の3つの種(ウグイス・オオルリ・コマドリ)のこと。「オオルリ」のさえずりは「ピールーリー」、「コマドリ」のさえずりは「ヒンカラララ」。

打ち上げ・・ゲームの順番が最後の「ビキ」の人は、最後の1枚の手札を自分のものにできるが、ルールによっては、自分のものになるはずの札が他の人のものになる場合があること。

打ち当て・・次のめくり札がどんな札なのかを予想して札を出し、見事当てること。

打ち分かれ・・お互いに出来役を邪魔し合った結果、参加者全員が役を作れなかった場合のこと。

卯月(うづき)・・4月の旧暦名。名前の由来には「卯の花(ウツギの花※3)が咲く時期だから」という説や、「稲を植える」という意味の「植月(うえつき)」が転じて「うづき」になったなど、諸説ある。

ウツギの花のイラスト

※3)ウツギの花・・アジサイ科ウツギ属のウツギ(空木)に咲く花のこと。茎が中空なことから、「中が空(うつ)ろ」の意味で「空木」の漢字が当てられている。

梅(うめ)・・2月札の植物。日本において「花」と言えば桜だが、かつては梅のことを指していた。鶯(うぐいす)との取り合わせが良く、「梅鶯(ばいおう)の候(※4)」という言葉もある。

(※4)梅鶯(ばいおう)の候・・「梅の花が咲き、うぐいすの鳴きだす季節になりました」という意味を持つ初春(2/4~3/4)の時候の挨拶。公的な手紙やビジネス文の書き出しに用いられる。

追い込み・・ゲームで決められた人数よりも多くの参加希望者がいた場合、「出る」「下る」の宣言によって参加者を決めるが、それでも決まらない場合に強制的にゲームから下ろされること。

王手(おうて)・・あと1枚の札で役ができる状態のこと。

起こす・・自分が次にほしいと思っていた札が、めくり札によって手に入ること。

押さえ札・・相手の出来役を邪魔するために、あえて最後まで場に出さない札のこと。

落とし札・・同じ月の札が3枚、場に出ていて、残りの1枚を自分が持っている、もしくは、同じ月の札が2枚、場に出ていて、残りの2枚を自分が持っている状態のこと。この時、自分は必ず場札をとることができる。

鬼札(おにふだ)・・11月のカス札の別名。ゲームによってトランプのジョーカーのような役割(どの札も取れる)を持つ特殊な札で、鬼(=雷さま)の手【上部】・雷【背景】・太鼓【中央下】が描かれている。

11月カス札/柳のカス

小野道風(おののみちかぜ)・・11月札に描かれた傘をさした人物。和様書道の礎(いしずえ)を築いた「三蹟(さんせき)※5」の一人で「書道の神」と呼ばれる。

11月光札/柳に小野道風

(※5)三蹟/三跡(さんせき)・・日本書道の基礎を築いた平安時代の能書家3人(小野道風・藤原佐理・藤原行成)のこと。それぞれの書を「野跡(やせき)」「佐跡(させき)」「権跡(ごんせき)」と言う。

表菅原(おもてすがわら)・・「花合わせ」の出来役。「松に鶴」「梅に鶯」「桜に幕」の3枚。

表菅原(おもてすがわら)/「松に鶴」「梅に鶯」「桜に幕」の3枚。

親(おや)・・札を配ったり、ゲームの進行を担当する人。

親権(おやけん)・・「こいこい」の役。どちらも「勝負」せず、札がなくなって流れた場合は親に点数が入る。

親手(おやて)をもらう・・子が自分の手札を親の手札と交換すること。親手をもらえるのは、自分の手札を見る前だけ。




か行

蛙(カエル)・・11月札の動物。水中と陸上どちらでも生活できる両生類で、日本で多く見られる種は「ニホンアマガエル」。11月札の絵柄のモチーフになったのは、柳につかまるろうと必死に努力する蛙の有名な逸話。

影札(かげふだ)・・上札(じょうふだ)と合わせとることができるカス札のこと。

カス・・「こいこい」の出来役。カス札が10枚以上揃った状態のこと。

カス札・・1点札。最も点数の低い札で、桐は3枚、柳は1枚、それ以外は2枚ずつある。

かぶり・・場札と手札を合わせて、高い得点の札を合わせ取ること。

雁(かり)・・8月札の動物。日本に主に生息するのは「マガン」「ヒシクイ」で、飛行時に「V字型の編隊」を組む特徴がある。

8月種札/芒に雁

神無月(かんなづき)・・10月の旧暦名。全国の八百万(やおろず)の神さまが出雲大社(※6)に集まる時期で、出ていってしまった国では神さまがいなくなることから「神無月」と呼ばれている。

(※6)出雲大社(いずもたいしゃ)・・「縁結びの神さま」で知られる島根県出雲市の神社。御祭神として「オオクニヌシ」を祀る。参拝の仕方が一般の神社と異なり、「二礼四拝一礼」が正しいマナー(通常は「二礼二拝一礼」)。

菊(きく)・・9月札の植物。別名「千代見草(ちよみぐさ)」と呼ばれ、健康効果が高いことから、「重陽の節句(※7)」に不老長寿を願ってお酒に浮かべて一緒に飲む風習がある。

(※7)重陽(ちょうよう)の節句【9月9日】・・別名「菊の節句」。五節句の最後を締めくくる節句で、秋の収穫を祝うとともに、お神酒(みき)に菊を添えて無病息災や不老長寿を願う。

如月(きさらぎ)・・2月の旧暦名。「衣更着(きさらぎ)」が転じたという説が有力。「衣更着」は「厳しい寒さにそなえて衣服を重ね着する」という意味。

決まり札・・確実に自分のものになる札のこと。

桐(きり)・・12月札の植物。鳳凰(ほうおう)の止まり木である桐は「梧桐(アオギリ)」を指し、一般的な桐の「白桐(シロギリ)」とは異なる。

桐シマ・・「花合わせ」の出来役。桐の札4枚。

桐シマ/桐の札4枚。

くさ・・「花合わせ」の出来役。「藤に短冊」「菖蒲に短冊」「萩に短冊」の3枚。

くさ/「藤に短冊」「菖蒲に短冊」「萩に短冊」の3枚。

下る・・ゲームに参加しないこと。

くっつき・・「こいこい」の手役。札が配られた時点で同じ月の札が2枚づつ4組揃うこと。「手役」がある場合は手札を公開して点数をもらい、次のゲームにうつる。

手役・くっつき

・・親以外は全員「子」になる。

こいこい(こい)・・「こいこい」において、役が完成した後でまだ他にも役ができそうな時に、次の役を狙って宣言する言葉。宣言後、ゲームをそのまま続けることができるが、自分より先に相手が役を作って「勝負」されると負けになる。

こい倍・・「こいこい」のローカルルール。相手が「こいこい」中に自分が「勝負」できれば得点が2倍になる。

五光(ごこう)・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。光札5枚。

五光(ごこう)/光札5枚。




さ行

盃(さかずき)・・9月の種札に描かれた酒を入れる器。「花見で一杯」や「月見で一杯」の役を作るために必要な札で、重要度が高い。

9月の種札/菊に盃

桜(さくら)・・3月札の植物。公園や街なかで見られる桜の「ソメイヨシノ」は、接ぎ木によって作られたクローン。

3月の光札/桜に幕

下げ・・出来役ができた時に、さらに新しい出来役をねらってゲームを続けること。「こいこい」では、「こい」という。

皐月(さつき)・・5月の旧暦名。「さ」は古語で「耕作」を意味し、そこから稲作の月(=「さつき」)と呼ばれるようになったとする説や、「早苗を植える月」を意味する「早苗月(さなえづき)」が転じたなど、由来には諸説ある。

さらし札・・場に表向き(絵札が表)にならべられた札のこと。

三光(さんこう)・・「こいこい」の出来役。「柳に小野道風」以外の光札3枚。

三光(さんこう)/「柳に小野道風」以外の光札3枚。

鹿(しか)・・10月札の動物。猿丸太夫(※8)が百人一首⑩の中で「奥山に  紅葉(もみじ)踏み分け  鳴く鹿の  声聞くときぞ  秋はかなしき」と詠んだように、「紅葉」との取り合わせが非常に良い。

(※8)猿丸太夫(さるまるだゆう)・・三十六歌仙の一人。「古今和歌集」の中にもその名が見られる歌人で、生没年が不詳だったことから「謎多き人物」と称されている。百人一首⑩の和歌は、彼が芦屋の山にあった自分の庵で秋の情景を眺めながら詠んだもの。

10月の種札/紅葉に鹿

しかと(鹿十)・・相手のことを無視するときに使う俗語。花札十月札の鹿がそっぽを向いているところから生まれた言葉。

四光(しこう)・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「柳に小野道風」以外の光札4枚。

四光(しこう)/「柳に小野道風」以外の光札4枚。

死札(しふだ)・・48枚の札のうち、その回のゲームに使わない札のこと。

しばり・・ゲームに必要な人数をそろえるために「下る」を禁止すること。

シマ・・同じ月の札が4枚そろったときの役名に使われる言葉。藤の札4枚なら「藤シマ」、「桐の札」4枚ならば「桐シマ」になる。

霜月(しもつき)・・11月の旧暦名。「霜の降りるくらい寒い月」を意味する「霜降り月(しもふりつき)」が転じたという説が有力。

上札(じょうふだ)・・高い得点のついた札のこと。一般的には五光の「松に鶴」「桜に幕」「芒(すすき)に月」「柳に小野道風」「桐に鳳凰」の5枚を指す。


勝負(しょうぶ)・・「こいこい」において、この役で勝てると思った時に宣言する言葉。勝負をかけた時点でゲームは終了となる。

尻(しり)・・手札と場札を合わせて、1組の札を取ったあと山札をめくってまた同じ月札がでてくること。

師走(しわす)・・12月の旧暦名。この時期に、先祖供養のために師(お坊さん)が忙しく走り回っていたからというものや、一年の最後の月として「今年やりとげることを全部する」という意味を持つ「為果(しは)つ」が変化したなど、由来には諸説ある。

芒(すすき)・・8月札の植物。秋の七草(※9)の一つで、別名を「尾花(おばな)」という。茅葺(かやぶ)き屋根やほうきなどに利用されている。

(※9)秋の七草・・秋を代表する草花7つ「萩(ハギ)・桔梗(キキョウ)・芒(ススキ)・葛(クズ)・女郎花(オミナエシ)・藤袴(フジバカマ)・撫子(ナデシコ)の花」のこと。粥として食べる「春の七草」に対して、「秋の七草」は、冬になる前にその美しい花の姿を愛でて鑑賞し、楽しむもの。

捨て札・・合わせられる札が場札にないときに、1枚手札を捨てること、もしくは捨てた札そのもののこと。




た行

立て札・・「萩」「菖蒲」「藤」の各4枚と、「桐」のカス札3枚の計15枚のこと。(※「桐に鳳凰」は含まない)


タネ・・「こいこい」の出来役。種札が5枚以上揃った状態。

タネ/種札が5枚以上揃った状態。

種札(たねふだ)・・10点札。有名な「猪鹿蝶(いのしかちょう)」を含む9枚で、「光札以外で生き物が描かれているもの」と覚えると簡単(※盃は除く)。

タン・・「こいこい」の出来役。短冊札が5枚以上揃った状態。

タン/短冊札が5枚以上揃った状態。

短冊札(たんざくふだ)・・5点札。文字が入った「赤い短冊札」3枚と「青い短冊札」3枚、文字が入っていない「赤い短冊札」4枚。

単役(たんやく)・・手札が1つだけのこと。

蝶(ちょう)・・6月札の動物。「回生・復活」の象徴で、西洋では古来から死や霊と結びつけることの多い不吉な存在だった。

6月の種札/牡丹に蝶

つかみ・・配られた手札のなかに、出来役に関係する札が全部そろっていること。

月(つき)・・花札は12か月を由来にして12回戦するのが基本で、それぞれを「一回」「二回」と呼ばず、「1月」「2月」と呼ぶ。

月見で一杯・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「芒に月」「菊に盃」の2枚。

月見で一杯/「芒に月」「菊に盃」の2枚。

つぎ見ず・・子が自分の手札を見る前に「出る」を宣言すること。

つけ・・各ゲームで決められた点数が2倍、3倍になること。

つけ打ち・・2枚以上の札をまとめて場に出すこと。

燕(つばめ)・・11月札の動物。別名は「春告げ鳥」「ツバクロ」。春の時期に東南アジアから日本にやってくる渡り鳥として知られる。

11月の種札/柳に燕

鶴(つる)・・1月札の動物。長寿の象徴であり、同じ意味合いを持つ「松」とペアで描かれている。

1月の光札/松に鶴

出来役(できやく)・・各ゲームで決められた、一定の組み合わせによって出来る役のこと。

手四(てし)・・「こいこい」の手役。札が配られた時点で同じ月の札が2枚づつ4組揃うこと。「手役」がある場合は手札を公開して点数をもらい、次のゲームにうつる。

手役の手四(てし)

出ず入らず(でずいらず)・・得点を計算した結果が、プラスマイナスゼロになる状態のこと。

手づまり・・場札に合わせることのできる札がなく、捨てる札もない状態。

手八場八(てはちばはち)・・「こいこい」における札の配り方。手札が8枚で、場札が8枚の状態のこと。

手八場八の図解

手七場六(てしちばろく)・・「花合わせ」における札の配り方。各手札が7枚で、場札が6枚の状態のこと。

手七場六の図解

手札(てふだ)・・親が各参加者に配った札のこと。

手役(てやく)・・手札だけでできる役のこと。

出る・・ゲームに参加すること。ゲームへの参加希望の宣言としても使う。

胴二(どうじ)・・親の右隣の人。「仲」とも呼ばれる。

飛び込み・・場に同じ月の札が3枚あった場合に、山札をめくって残りの1枚を出すこと。

取り出し・・ゲームが始まって一番最初に出る札を取ること。

取り札・・ゲームの中で合わせ取った札のこと。※取り札は点数ごとに相手に見えるように並べる(下図参照)

取り札の並べ方



な行

長月(ながつき)・・9月の旧暦名。秋分を過ぎると日が短くなって夜が長くなることから「夜長月(よながづき)」と呼ばれるようになり、後にそれが転じて「長月(ながつき)」となった。

中なめ・・山札の下から2番目の札のこと。

流れ・・手役の発表を忘れたり、わざと宣言しなかったときにその手役が無効になること。

七カス・・「花合わせ」における「手札による特殊な役」。手札がすべて1点札の場合、他の2人から30点ずつもらい、7枚は公開する。

七短(ななたん)・・「花合わせ」の出来役。「柳に短冊」以外の5点札7枚。

七短(ななたん)/「柳に短冊」以外の5点札7枚

七点倍(ななてんばい)・・「こいこい」のローカルルール。点数が7点以上だった場合に得点が2倍になる。

七割れ(ななわれ)・・7枚の手札すべてが違う月札の状態であること。別名「七手変わり」。

なめ・・山札の一番下の札のこと。

のぞみ・・ビキが切った札を胴二が上下に分けて入れ替えること。トランプの「切る」と同じ意味。

のみ・・「花合わせ」の出来役。「桜に幕」「芒に月」「菊に盃」の3枚。「飲み」に関係する札(=花見で一杯・月見で一杯の役札)であることが名前の由来。

のみ/「桜に幕」「芒に月」「菊に盃」の3枚。

は行

萩(はぎ)・・7月札の植物。秋の七草の一つで「赤豆」と呼ばれる。「猪(いのしし)」の寝床でもある。

化け札(ばけふだ)・・他の札の代わりになる札のことで、別名を「鬼札(おにふだ)」という。

葉月(はづき)・・8月の旧暦名。「葉の落ちる月」を意味する「葉落ち月(はおちづき)」が転じたというものや、「稲の穂が張る月」という意味の「穂張月(ほはりづき)」が変化したなど、由来には諸説ある。

法度札(はっとふだ)・・基本的に、どのゲームでも何の札を捨てるかは参加者の自由だが、その札を捨てると相手が特定の出来役を完成させるとわかっている場合は、捨てることを禁止されている。その捨ててはいけない札のこと。

場札(ばふだ)・・場に並べられた札のことで、基本的には表向けに並べられる。

花見で一杯・・「こいこい」「花合わせ」の出来役。「桜に幕」「菊に盃」の2枚。

花見で一杯/「桜に幕」「菊に盃」の2枚。

半どん・・12回戦のうちの半分にあたる6回戦のこと。

ぴかいち・・多くの中で一番優れていること。花札のゲームの一つ「八八(はちはち)」の手役「光一(ピカイチ)」(=始めに配られた7枚の手札のうち光り物(20点札)が1枚で、あとすべてがカス札の場合、同情点をもらえるその役)」に由来する。

光札(ひかりふだ)・・最も点数の高い札(20点札)。集めた枚数により、「五光」「四光」「雨四光」「三光」などの役がある。

ビキ・・子の中でゲームの順番が一番最後で、親の左側に座る人のこと。

ヒコ札・・場に3枚同じ月の札があるときの、残りの4枚目の札のこと。

ピンきり・・「最上から最下まで」もしくは「最初から最後まで」のこと。「ピン」の語源となったのは、ポルトガル語で「点」を表す「pinta」で、後にサイコロの目の「1」や「はじめ」を意味するようになる。「きり」は、花札の最後の月に描かれた植物の「桐(きり)」がもとになっていて、「終わり」を意味する言葉として現在でも使われている。

フケ・・「花合わせ」における、取り札による特殊な役。取り札の合計が20点以下の役のことで、誰かが「フケ」になるとゲームは引き分けとなる。

花合わせにおける特殊役「フケ」

藤(ふじ)・・4月札の植物。別名で「青豆」「黒豆」と呼ばれ、気品ある薄い青紫色の花を咲かせる。

藤シマ・・「花合わせ」の出来役。藤の札が4枚。

藤シマ/藤の札が4枚。

二役の手役(ふたやくのてやく)・・最初の手札ですでに2種類の手役ができていること。

文月(ふみつき・ふづき)・・7月の旧暦名。短冊に文字を書いて書道の上達を祈願する七夕の行事にちなんだ「文被月(ふみひらづき)」が由来。

ふむ・・場札やほかの参加者の割り出し札をすぐに取ってしまうこと。

鳳凰(ほうおう)・・中国の伝説上の鳥。聖天子(せいてんし)の出現を予言する瑞鳥(みずどり)として、中国で古来から神聖視されていた。西洋のフェニックス(不死鳥)との関係はよく分かっていない。

12月の光札/桐に鳳凰

坊主(ぼうず)・・8月札の別名。黒い山が坊主頭に見えることからこう呼ばれている。

牡丹(ぼたん)・・6月札の植物。別名「百花の王・深見草(ふかみぐさ)」。幸福・高貴を象徴する高尚な花とされる。

ホトトギス・・4月札の動物。別名「時鳥(ときつどり)」。夏を代表する渡り鳥で、子どもを他の生物に育てさせる「種間托卵(しゅかんたくらん)」の習性を持つ。

4月の種札/藤にホトトギス




ま行

幕(まく)・・3月札に描かれた横に伸びた長い幔幕(まんまく)のこと。花見席・花見会場を表現している。

松(まつ)・・1月札の植物。冬でも緑生い茂る常緑樹であることから「不老長寿のシンボル」と考えられている。

松桐坊主(まつきりぼうず)・・「花合わせ」の出来役。「松に鶴」「桐に鳳凰」「芒に月」の3枚。

松桐坊主(まつきりぼうず)/「松に鶴」「桐に鳳凰」「芒に月」の3枚。

見ず出(みずで)・・手札を見る前に親が「出る」を宣言すること。

ミツ・・3人でおこなうゲームのこと。

水無月(みなづき)・・6月の旧暦名。『無』は連体助詞の『の』のことで、「水無月」は「水の月」を意味する。旧暦の6月は、田んぼに水を引く季節なので、そこから「水の月」=「水無月」になった。

みよしの・・3月の短冊札に書かれた文字。桜で有名な奈良にある吉野山を敬った言葉(美しさを示す接頭辞「み」+吉野)。後鳥羽上皇(※10)の和歌『みよしのの たかねにさくら ちりにけり あらしもしろき はるのあけぼの』が語源とされる。

3月の短冊札/桜に短冊

(※10)後鳥羽(ごとば)上皇【1180~1239】・・鎌倉初期の天皇。「承久(じょうきゅう)の乱」で倒幕を企てるが、逆に幕府側に鎮圧され、隠岐島(おきのしま)に流される。「新古今和歌集」の編纂を藤原定家(ふじわらのさだいえ)らに命じ、日本文学史に大きな功績を残した。

睦月(むつき)・・1月の旧暦名。「睦」には、「親しく仲が良い・仲睦まじい」の意味があり、正月に家族や親戚と仲睦まじく過ごすことからこの漢字が当てられた。

目がち・・2回戦が一勝負のゲームで、1回戦目のゲームに勝つこと。

めくり札・・場の中央に重ねてふせてある札の束のこと。めくった札も「めくり札」という。

持ちなめ・・自分の札が「なめ」と合うこと。「なめ」と合う札を持っている状態も「持ちなめ」という。

紅葉(もみじ)・・10月札の植物。和名「もみじ」の由来となったのは染め物の「揉み出づ(もみいづ)」。秋になって紅葉が色づくのは、葉にある色素の含有率が変化するから。

や行

役(やく)・・各ゲームによって決められた一定の組み合わせでつくられた出来役や手役のこと。

役札(やくふだ)・・出来役や手役をつくるための特定の札のこと。

役代(やくだい)・・それぞれの役に決められた点数のこと。一般的な単位は「点」で、「文」や「貫」を使うこともある。

八ツ橋(やつはし)・・5月札に描かれた橋。三河(愛知県)にある地名の「八つ橋」が起源。

5月の種札/勝負に八ツ橋

柳(やなぎ)・・11月札の植物。垂れ下がった枝が特徴。一般的に見られるのは、「シダレヤナギ」と「ネコヤナギ」の2種。

山札(やまふだ)・・手札と場札を配ったあとに残った札のこと。

弥生(やよい)・・3月の旧暦名。「いや(弥)」には「いよいよ、ますます」の意味、「おい(生)」には「草木が芽吹く(生い茂る)」の意味があり、この時期に「草木がだんだん(=弥)と芽吹いてくる(=生)」ことから「弥生(やよい)」の名が付いた。

ら行

六カス・・「花合わせ」の「手札による特殊な役」。手札7枚のうち6枚が1点札の場合、1点札の6枚を公開して、残り1枚は手札として持つ。

六短(ろくたん)・・「花合わせ」の出来役。「柳に短冊」以外の5点札6枚。

六短(ろくたん)/「柳に短冊」以外の5点札6枚。

わ行

割り出す・・同じ月の札を2枚持っていて、そのうちの1枚を場に捨てて、次の順番で取ろうとすること。割り出しによって出された札は「割り出し札」という。

割る・・相手の役作りを邪魔すること。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した内容は、下の書籍「マンガで覚える 図解 花札の基本」の用語一覧をもとに、追記・再編集したものです。

ゲームをする上では、やはりルールについてしっかり理解する必要があり、その点、この本は図解やマンガ入りでわかりやすく解説されていて、遊び方の参考書として最適だと思いました。

リンクを貼っておきますので、興味のある方は、実際の本を読んで勉強してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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