【昔の暦】「和風月名(旧暦/陰暦の月名)」の読み方と意味・由来 一覧

2022年カレンダー(暦)暦・年中行事
The March 2022 desk calendar with wooden pencil.

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

普段わたしたちが暦として耳にする「1月」「2月」・・という「月名」

昔は数字ではなく「和風月名(わふうげつめい)」という和名を用いていました。

この「和風月名」は、当時の季節感や行事・風習を表現した趣きある月の呼び方で、現在においても「人の名前(葉月・弥生)」や「競馬のレース名(皐月賞)」、「会計ソフト(弥生会計)」などにその名残が残っています。

記事では、以下のことをまとめています。

和風月名(=旧暦・陰暦の月名)の読み方と意味・由来

和風月名の別名・異称

日本人ならではの「美しい月の呼び名」をたどって、暦の理解を深めていきましょう。

▼関連:英語の月名の由来に関する記事はこちら▼
【世界の暦】英語の月名の由来 一覧|神話と皇帝を起源とする古代ローマの暦




睦月(むつき)

旧暦:睦月(むつき)/正月に食べるお雑煮

読み方:むつき  

旧暦・陰暦の1月(新暦の2月頃)

由来・語源にはいくつかの説がありますが、最も有力なのは「睦み月(むつみづき)」が転じたというものです。

「睦」には、「親しく仲が良い・仲睦まじい」という意味があり、正月に家族や親戚と仲睦まじく過ごすところからこの漢字が当てられました。

他にも、「始まる月」を意味する「元つ月(もとつつき)」が変化したという説や、「稲の実をはじめて水に浸す月」(※1)という意味の「実月(みつき)」が元になったなど、いくつかの説があります。

(※1)日本では古来から、苗の発芽を促すために1年のはじまりに実を水に浸すという風習があった。

▼「睦月(むつき)」の別名・異称▼


初春月(はつはるつき)・・旧暦における春の季節は1月~3月で、1月はその最初の月にあたる。
新春(しんしゅん)・・新しい春という意味で、現在においても正月・新年の言葉として用いられている。

早緑月(さみどりづき)・・旧暦1月になると、木や草の緑色が目につくことから。

如月(きさらぎ)

旧暦:如月(きさらぎ)/寒い時期に着る白のセーターニット

読み方:きさらぎ  

旧暦・陰暦の2月(新暦の3月頃)

読みの由来・語源として最も有力なのが、「衣更着(きさらぎ)」が転じたという説で、他にも、「気候が陽気になる月」を意味する「気更来」や、「春に向けて草木が生え出す」という意味の「生更木」が転じたなど、いくつか説があります。

「衣更着」「厳しい寒さにそなえて衣服を重ね着すること」を意味し、漢字で「如月」と書くのは、中国において2月を指す言葉が「如月」だったからです。

▼「如月(きさらぎ)」の別名・異称▼


初花月(はつはなづき)・・「初花」とは、年が明けて最初に咲く梅の花のこと。如月がこの梅の花が咲く時期であるから。
仲春(ちゅうしゅん)・・旧暦における春の季節は1月~3月で、2月はその真ん中にあたることから。
雁帰月(かりかえりづき)・・冬に日本に渡ってきた雁がこの時期にシベリアに帰るから。
草木張月(くさきはりづき)・・この時期になると、草木や花の芽が出始め、春の訪れを感じることから。

豆知識①『如月(にょげつ)』


日本の「如月(きさらぎ)」を中国読みすると「如月(にょげつ)」になります。漢字の「如(にょ)」には、『一つが動き出せばそれに従って次々と動く』という意味があり、「如月(にょげつ)」は『自然のすべてが春に向かって動き出すこと』を表します。




弥生(やよい)

旧暦:弥生(やよい)/ひな祭りと言えば、ひなあられと雛人形

読み方:やよい  

旧暦・陰暦の3月(新暦の4月頃)

「いや(弥)」には「いよいよ、ますます」という意味、「おい(生)」には「草木が芽吹く(生い茂る)」という意味があり、この時期になると「草木がだんだん()と芽吹いてくる()」ので、「弥生」という漢字が当てられました。

▼「弥生(やよい)」の別名・異称▼


晩春(ばんしゅん、くれのはる)・・旧暦における春の季節は1月~3月で、3月が最後の月にあたるから。
花惜月(はなおしみづき)・・春の終わりになって花が散ることを惜しむ月という意味。
雛月(ひいなづき)・・3月3日の「ひなまつり」を含む月であるから。

▶▶関連記事:【3月行事】ひなまつりと上巳(じょうし)の節句
花つ月(=花続き)・・梅・桜・桃・椿など、3月には数多くの花が咲き、ずっとそういった花を見続けることができるから。

 3月産まれの子どもに

『弥生』と名前を

 付けたりするよ。

卯月(うづき)

旧暦:卯月(うづき)/語源となったウツギの白い花

読み方:うづき
旧暦・陰暦の4月(新暦の5月頃)

由来・語源としては、「卯の花(ウツギの白い花)が咲く時期だから」という説や、「う」が「初」「産」を意味し、4月が「一年の循環の最初の月にあたるから」という説、「稲を植える」ことを意味する「植月(うえつき)」が転じて「うづき」になったなど、諸説あります。

他にも、「十二支の4番目が『卯(うさぎ)』だから」という説もありますが、この月だけに十二支をあてはめるのは不自然なので、あまり有力でないとされています。

▼「卯月(うづき)」の別名・異称▼


夏初月(なつはつづき)・・旧暦における夏の季節は4月~6月で、4月はその最初の月にあたるから。
孟夏(もうか)・・「孟」には「はじめ」という意味があり、「夏初月」と同様に、この月が夏の初めにあたることから。
麦秋(ばくしゅう、むぎのあき)・・4月の終わり頃はちょうど麦の収穫時期にあたり、麦が実りの秋を迎えるから。
乏月(ぼうげつ)・・この時期になると、秋に収穫した穀物がほとんどなくなり、新たに収穫できるものもなくて食料が不足するから。

■豆知識②『ウツギ(空木)と卯の花(うのはな)』


「ウツギ」とは、アジサイ科ウツギ属のウツギ(空木)に咲く花のことで、茎が中空なことから、「中が空(うつ)ろ」という意味の「空木」の漢字が当てられています。また、食べ物の「おから」のことを「卯の花」と呼びますが、これは「おから」が「ウツギ」の白い花に似ているからです。




皐月(さつき)

旧暦:皐月(さつき)/紫に染まる菖蒲の花

読み方:さつき
旧暦・陰暦の5月(新暦の6月頃)

「さ」が古語で「耕作」を意味し、そこから「稲作の月」として「さつき」と呼ばれるようになったというものや、「早苗を植える月」という意味の「早苗月(さなえづき】」が転じたなど、由来には諸説あります。

※「皐月(さつき)」の「皐」は「神に捧げる稲」という意味。

▼「皐月(さつき)」の別名・異称▼


仲夏(ちゅうか)・・旧暦における夏の季節は4月~6月で、5月はその真ん中の月にあたることから。
雨月(うづき)・・梅雨の時期にあたるから。
菖蒲月(あやめつき、しょうぶつき)・・菖蒲が咲く季節だから。

▶▶関連記事:【花札5月】「菖蒲に八橋」の意味と植物の知識
月不見月(つきみづき)・・梅雨の時期と重なって、月を見ることができないから。

■豆知識③『早苗(さなえ)』


「早苗(さなえ)」とは、田植えができるくらいに大きくなった稲の苗のことを指し、成長した苗は、苗床から田んぼへと植え替えられます。

 競馬の皐月賞の 

 由来はもちろん

 この『さつき』! 

水無月(みなづき)

旧暦:水無月(みなづき)/田んぼにとまるトンボ

読み方:みなづき
旧暦・陰暦の6月(新暦の7月頃)

「水の無い月」と書きますが、実際に水が無いわけではなく、ここでの『無』は「神無月(かんなづき)【旧暦10月】」の『無』と同じように、連体助詞の『の』を示します。つまり、「水無月」とは「水の月」という意味です。

旧暦の6月は田んぼに水を引く季節なので、そこから「水の月」「水無月」になったと考えられています。

▼「水無月(みなづき)」の別名・異称▼


晩夏(ばんか)・・旧暦における夏の季節は4月~6月で、6月はその最後の月にあたることから。
○季夏(きか)・・「季」は、四季の終わりを意味する漢字で、「晩夏」と同様に夏の終わりにあたるから。
水張月(みずはりづき)・・旧暦6月は田んぼに水を張る季節だから。
鳴雷月/鳴神月(なるかみづき)・・この時期は雷が多く、雷や稲妻が神の化身だと考えられていたことから。




文月(ふみづき・ふづき)

旧暦:文月(ふみづき)/笹の葉に吊るした短冊の願い

読み方:ふみづき、ふづき
旧暦・陰暦の7月(新暦の8月頃)

短冊に歌や文字を書いて書道の上達を祈願する「七夕の行事」にちなんだ「文被月(ふみひらづき)」がその名の由来とされています。

他にも、「稲穂が膨らんでくる月」を意味する「穂含月(ほふみづき)」が転じた、などの説があります。

▼「文月(ふみづき・ふづき)」の別名・異称▼


初秋(しょしゅう、はつあき)・・旧暦における秋の季節は7月~9月で、7月はその最初の月にあたることから。
親月(おやづき)・・旧暦7月にはお盆の行事があり、親に墓参りするという意味から。
▶▶関連記事:【8月行事】お盆の習わしと京都五山送り火
涼月(りょうげつ)・・暑さがやわらいで、涼しい風を感じるから。
愛逢月(めであいづき)・・互いに愛し合っていた織姫と彦星が再会する月であるから(=七夕伝説)。
▶▶関連記事:【7月行事】七夕の節句と土用の丑の日

■豆知識④『文被月(ふみひらづき)』


「文披月」「文(ふみ)を広げて晒(さら)す月」という意味で、七夕の時期に書物を天日干し(虫干し)して湿気や虫害を防ぐ中国の古い風習が由来になっています。

葉月(はづき)

旧暦:葉月(はづき)/水辺で戯れるマガンの群れ

読み方:はづき
旧暦・陰暦の8月(新暦の9月頃)

由来・語源としては、「葉の落ちる月」という意味の「葉落ち月(はおちづき)」が転じたという説や、「シベリアから越冬のために雁がやって来る」という意味の「初雁月(はつかりづき)」が変化したというもの、さらには、「稲の穂が張る月」という意味の「穂張月(ほはりづき)」が転じたなど、諸説あります。

▼「葉月(はづき)」の別名・異称▼


仲秋(ちゅうしゅう)・・旧暦における秋の季節は7月~9月で、8月はその真ん中の月にあたることから。
燕去月(つばめさりづき)・・燕が南方へ去っていく月であるから。
南風月(はえづき)・・南方から強い風が吹く季節だから(台風のシーズン)。
月見月(つきみづき)・・仲秋の名月にお月見をすることから。

▶▶関連記事:【花札8月】十五夜に供えしススキと団子の意味




長月(ながつき)

旧暦:長月(ながつき)/たまご色をした小菊の花

読み方:ながつき
旧暦・陰暦の9月(新暦の10月頃)

秋分を過ぎるとしだいに日が短くなって夜が長くなることから「夜長月(よながづき)」と呼ばれていて、これが転じて「長月(ながつき)」になったと考えられています。

他にも、「稲刈月(いねかりづき)」が、「ねかづき」⇨「なかづき」となったという説や、「稲穂が成長してくる」という意味の「穂長月(ほながづき)」が略されたなど、由来には諸説あります。

▼「長月(ながつき)」の別名・異称▼


晩秋(ばんしゅう)・・旧暦における秋の季節は7月~9月で、9月はその最後の月にあたることから。
長雨月(ながめつき)・・秋に長い雨(秋雨)が降るから。
菊月(きくづき)・・9月9日は菊の節句(重用の節句)であり、菊の花が咲く月だから。

▶▶関連記事:【花札9月】「菊に盃(さかずき)」で汲み取る知識の雫
寝覚月(ねざめつき)・・夜が長くなって目が覚めることが多くなる月だから。

神無月(かんなづき)

旧暦:神無月(かんなづき)/初詣にお参りして神さまに祈願

読み方:かんなづき
旧暦・陰暦の10月(新暦の11月頃)

旧暦の10月は、全国の八百万(やおろず)の神さまが「出雲の国(=出雲大社)」に集まる時期で、出雲以外の地域に神さまがいなくなるので「神無月(かんなづき)」(※2)と呼ばれています。

(※2)逆に、神さまのたくさん集まる「出雲の国」では「神在月(かみありづき)」と呼ぶ。

他にも、「雷が鳴らない月」という意味の「雷無月(かみなしづき)」が転じたものや、「お酒を醸(かも)す月」を意味する「醸成月(かみなしづき)」が変化したなど、由来には諸説あります。

▼「神無月(かんなづき)」の別名・異称▼


初冬(しょとう)・・旧暦における冬の季節は10月~12月で、10月はその最初の月にあたることから。
小春(こはる)・・穏やかであたたかい春のような日が続くから。
時雨月(しぐれづき)・・時雨(=初冬の降ったりやんだりする小雨のこと)の時期であることから。
初霜月(はつしもづき)・・初霜の降りる時期だから。




霜月(しもつき)

旧暦:霜月(しもつき)/霜の降りた植物

読み方:しもつき
旧暦・陰暦の11月(新暦の12月頃)

由来・語源として最も有力なのが、「霜の降りるくらい寒い月」という意味の「霜降り月(しもふりつき)」が転じたというもので、これ以外にも、「作物の収穫を『もの神』に感謝して食す」という意味の「食物月(おしものつき)」が変化した、などの説があります。

▼「霜月(しもつき)」の別名・異称▼


仲冬(ちゅうとう)・・旧暦における冬の季節は10月~12月で、11月はその真ん中の月にあたることから。
神来月、神帰月(かみきづき)・・神無月に出雲大社に出向いていた八百万の神さまがこの月に帰ってくるから。
神楽月(かぐらづき)・・「神楽」とは、神さまに向けて舞や歌を演じて農作物の収穫を祝う行事のことで、旧暦11月の冬至の頃にこれが行われていたことから。

凋む月(しぼむつき)・・太陽の光がだんだんと弱くなる(=凋む)月だから。

師走(しわす)

石畳を歩くお坊さんの後ろ姿

読み方:しわす
旧暦・陰暦の12月(新暦の1月頃)

「師走(しわす)」の由来には諸説あり、この時期に先祖供養のために師(=お坊さん)が忙しく走り回っていたからというものや、一年の最後の月として「今年やりとげることを全部する」という意味の「為果(しは)つ」が元となった説、さらには、「四季の終わり」を意味する「四極(しはつ)」が変化したなど、いくつかの説があります。

▼「師走(しわす)」の別名・異称▼


晩冬(ばんとう)・・旧暦における冬の季節は10月~12月で、12月はその最後の月にあたることから。
三冬月(みふゆづき)・・冬の三番目の月であるから。
梅初月(うめはつづき)・・梅の花が咲き始める月だから。
苦寒(くかん)・・立春の手前であるこの時期は一年で最も寒く、その厳しさを苦しく感じることから。

■豆知識⑤『師(し)』


「師走」の漢字として使われている「師(し)」の語源には様々なバリエーションがあり、寺社で参拝客のお手伝いをする「御師」を由来とするものや、「先生・教師」のことを指し示しているなど、諸説あります。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

旧暦の各月の由来・語源を詳しく知ることで、それぞれの月名が以前よりイメージしやすくなったのではないでしょうか。

語呂合わせやこじつけ、語源から導くなど、旧暦を覚える方法はいくつもあるので、自分なりのやり方でぜひ暗記に挑戦してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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