【花札8月】月に供えしススキと団子|中秋の名月を知らぬ人はうさぎがお仕置き!?

花札

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

花札8月札に描かれている「ススキ(芒)」「月」「雁」

花札8月札「芒に月」

8月札は、別名「坊主」と呼ばれるように、どちらかと言えば「ススキ」よりも「ススキの茂った山」のイメージが強い札ですが、その絵柄のモチーフは、旧暦8/15にススキを供えてお月見をする「中秋の名月」にあります。

記事では、以下のことをまとめています。

「ススキ」の生態と用途・由来
「中秋の名月」と「仲秋の名月」の違い
お月見でお供えする「ススキ」と食べ物の意味
餅つきをするうさぎのルーツである「月うさぎ伝説」について

「雁」の生態と「がんもどき」の由来

「月うさぎ伝説」の説話とともに「中秋の名月」について簡単に学んでいきましょう。




ススキについて

風にそよぐススキ

イネ科の「ススキ(芒)」は、秋の七草の一つに数えられるように、秋を代表する植物で、穂のかたちが動物の尻尾に似ていることから、別名「尾花」とも呼ばれています。

また、生命力が強く、野山や街のいたるところで見ることができます。

茅葺き屋根の茅(かや)炭俵ほうき草履(ぞうり)の材料として利用されているのもこのススキです。

ススキの名の由来には諸説ありますが、スクスクと育つ木(草)であるという説や、稲に似た草の「ススケ」が変化したという説が一般的です。

■豆知識①『幽霊の正体見たり枯れ尾花』


ススキ(尾花)を用いた有名な故事成語で、「幽霊と思ったらススキだった。――すなわち怖いと思ってみたら何でもないものまで怖く見えてくる」という意味です。

中秋の名月と仲秋の名月

十五夜満月

旧暦の8/15に、お月さまに団子やススキを供える行事のことを「中秋の名月」と言いますが、「中秋」に非常によく似た言葉に「仲秋」というものがあります。

ここでは、そんな混同しがちな両者の違いについて見ていくことにしましょう。

中秋の名月

旧暦における秋の期間は7/1~9/30までで、そのちょうど真ん中にあたる8/15のことを「中秋」と言います。

つまり、「中秋の名月」とは、旧暦8/15の晩に出るお月さまのことをさします。

仲秋の名月

旧暦では、秋の三ヶ月間を三兄弟に見立てて、それぞれ

孟秋(もうしゅう)7月
仲秋(ちゅうしゅう)8月
季秋(きしゅう)9月

と呼びます。

※孟・仲・季といった頭文字には意味があり、それぞれ「はじめ=孟」「2番目=仲」「最後=季」をあらわします。

「仲秋」はこの秋の次男坊にあたるので、「仲秋の名月」は、8/1~8/30の毎晩に出るお月さまをさすことになります。

■豆知識②『お月見をする理由』


「中秋の名月」にお月見をする理由には諸説ありますが、主に次の3つの説が有力だとされています。

●月の高さ・空気の状態などの自然条件が良く、最も美しく月が見える時期だから

●「中秋節」という中国のお祭りにならって
●米の収穫が近い時期なので、農家の人々が月の神さまに豊作を祈願した




お供え物の意味

十五夜に供えるお月見団子

お月見の際にお供えされるススキと食べ物には、それぞれ意味があります。

一つずつ見ていくことにしましょう。

ススキ

ススキは子孫繁栄・豊作を司る月の神さまの「依り代(よりしろ=神霊が憑依するもの)」だと考えられていて、収穫前の豊作を祈願して供えれられるようになりました。

本来ならば稲を供えるところですが、この時期にはまだ稲穂が実っていないので、その代用として稲穂によく似たススキを供えるようになったそうです。

お団子

丸い団子を月に見立てて、秋の収穫の祈願と感謝のために供えられるようになったのがこの「お団子」で、関東では丸形、関西では先細りの餅にあんこを巻いたものが主流となっています。

お団子の数にも決まりがあり、十五夜にちなんで15個供えたり、その年に見られる満月の回数の12個(うるう年の時は13個)を供えたりします。

ちなみに、まん丸の団子は葬儀用の団子を連想させるため、必ず真ん中をくぼませて楕円状につくるそうです。

里芋

「中秋の名月」は、別名「芋名月」と呼ばれるように、ちょうど里芋の収穫期にあたります。そのため、収穫物である里芋をお月さまに供えるようになりました。

 サトイモ型の

 お団子を供える

 地域もあるよ。

ぶどう

丸い形がお月さまに似ていて、一度にたくさん実ることが子孫繁栄に通ずるということから、ぶどうもお供えされるようになりました。

ちなみに、ツルがあるものは月と人とのつながりを強固にしてくれるので、より縁起が良いと言われています。




月うさぎ伝説

わけあり顔のうさぎさん

お月見といったら、月のうさぎが餅をついている姿をイメージしますが、これにはインドに古くから伝わる「月うさぎ伝説」が関係していると考えられていてます。

「月うさぎ伝説」にはさまざまな説がありますが、ここでは一般的なストーリーを紹介したいと思います。(以下は原書のオリジナル要約です)

■あらすじ


むかしむかし、あるところに「うさぎ」と「きつね」と「さる」の3匹の動物がおりました。

 

ある日、彼らはこんなことを話し合っていました。

 

「おいらたちがけものの姿をしているのはなんでだ?」

「前世でなにか悪いことをしたからじゃないの?」

「なら、よいことをすれば報われるのかなぁ。」

 

そんな会話を聞いていた月の神さまである「帝釈天(たいしゃくてん)」は、彼らに何かよいことをさせてあげようと思い立ち、老人の姿に変わって3匹の前にあらわれます。

 

老人は言いました。

 

「お腹が減って動けないわい。何か食べ物をめぐんでくれないかのう?」

 

それを聞いた3匹は「これはよいことができる絶好のチャンスだ!」と喜び、老人のために食べ物を探しにいきます。

 

しばらくして、さるは木の実を、きつねは魚をとってくるのですが、残念ながらうさぎは何もとってくることができません。

 

そこでうさぎは、

 

「わたしには食べ物をとってくる力がないようです。どうか代わりに私を食べてください。」

 

と言って、燃え盛る火の中に飛び込み、自分の身体を老人に捧げてしまいました。

 

そのことを大変哀れに思った老人(帝釈天)は、うさぎの姿を月の中によみがえらせ、皆のお手本として永遠に残すようにしたそうです。

■豆知識③『うさぎが餅つきしているのはなぜ?』


うさぎが餅つきをする理由として、「老人のために餅をついている」とか、「うさぎが食べものに困らないようにするため」とか、「米の収穫に感謝するため」だとか諸説ありますが、正確なところはよく分かっていません。

雁(かり・ガン)

地上でくつろぐ雁の群れ

カモ科カモ目の水鳥の中で、鴨(カモ)より大きく白鳥(ハクチョウ)より小さい一群の総称を「雁(かり・ガン)」と呼びます。

草食性で、日本にはマガン・ヒシクイなどが生息。

冬鳥として渡来し、群れで飛行する際に「V字型の編隊」を組むという特徴があります。

V字型を組むことで、先頭を飛ぶ鳥から乱気流が生み出され、その揚力を利用して後方の鳥たちがエネルギーを節約していると考えられています。

■豆知識④『雁擬き(がんもどき)』


くずした豆腐に山芋・卵を加え、野菜を混ぜ合わせて揚げたもので、関西では「ひろうす」と呼ばれています。その味が「雁(がん)」の肉の味に似ている(=もどき)ことから「がんもどき」という名がつきました。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

では、内容をおさらいしましょう。

秋の七草の一つの「ススキ(芒)」は、別名「尾花」とも呼ばれ、茅葺き屋根やほうきなどに利用されている。

「中秋の名月」は秋の真ん中の8/15の晩に出るお月さまのことで、「仲秋の名月」は8月の1ヶ月間の毎晩に出るお月さまのことをさす。

お月見の際に供えられる物としては、「ススキ」「お団子」「里芋」「ぶどう」などが定番で、それぞれに意味がある。

月のうさぎが餅をついているのはインドの「月うさぎ伝説」が関係している。
日本に主に生息する「雁(かり・ガン)」はマガン・ヒシクイで、「雁」には飛行時に「V字型の編隊」を組むという特徴がある。

団子の数やかたち、供え物の役割など、普段何気なくしていた行事の事物一つ一つに意味があることを、日本人としてはやはり知っておかなければなりませんね。

ちなみに、2021年の中秋の名月は『9/21』になります。(中秋の名月である旧暦の8/15を新暦にすると1ヶ月ほどのずれが生じるため)

ようやく春めいてきたばかりで、「中秋」というのはまだだいぶ先の話ですが、秋になるくらいにもう一度この記事を読み返していただけたら嬉しい限りです。

 最後までお読みいただき
 ありがとうございました 

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