【世界の暦】英語の月名の由来 一覧|神話と皇帝を起源とする古代ローマの暦

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The March 2022 desk calendar with wooden pencil.

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

カレンダーで目にする「January」「February」・・といった「英語の月名」

これら月名は、小学校の英語の授業で習う基本単語なので、当然のことながらすべて答えられると思いますが、では、それぞれの月名の由来や生まれた背景は?と聞かれたらどうでしょうか。

古代ローマの月名をルーツにした英語の月名は、ローマ神話やギリシャ神話、皇帝の名前・ラテン語の接頭辞などを由来にしています。

記事では以下のことをまとめています。

事前知識(古代ローマの暦と月のズレ)
英語の月名の由来

英語の月名の由来を学びながら、神話や世界史の知識を深めていきましょう。

古代ローマの暦と月のズレ

ローマ「トレビの泉」

現在私たちが使っている英語の月名は、実際の月とは2ヶ月ずれていて、例えば英語の10月「October」は、ラテン語で「8」を表す「octo」を語源にしていて、かつては『8月』のことを指していました

こうなっているのには理由があり、暦が初めて生まれた古代ローマ時代において一年は、今のように12ヶ月ではなく10ヶ月だったのです。

古代ローマで最初に使われていた「ロムルス暦」では、農閑期となる『1・2月(January・February)』は入っておらず、現在の3月(March)を始まりの月としていました。

ロムルス暦(簡易図)

その後、「ヌマ暦」が生まれ、現在でいう『1・2月(January・February)』が追加されます。しかし、この時の『1・2月』は年の初めではなく、後ろの11・12番目に位置していました

ヌマ暦(簡易図)

この『ヌマ暦』と実際の太陽の運行とのあいだには若干のずれがあり、後の時代にそれを解消しようとして、ユリウス・カエサルが改暦を実施。『January』を最初の月と定め、1月1日を年初日とする『ユリウス暦』が導入されました。

ユリウス暦(簡易図)

現在私たちが使っているのは、この「ユリウス暦」の精度をさらに高めた「グレゴリウス暦」になります。

以上のことを踏まえた上で、各英語の月名の由来について詳しく見ていきましょう。




英語の月名の由来

1月 January

「January」は、ローマ神話における最古の神「ヤヌス(Janus)」を由来とする月で、「ヤヌス」は時間・扉・出入り口を司る天空神です。

身体の前後に2つの顔(=一つは若く未来を見つめ、もう一つは老いて過去を見つめる)があり、ローマ神話の主神「ユピテル(※1)並びにギリシャ神話の主神「ゼウス(※2)と同一視されています。

(※1)ユピテル(Jupiter)・・ローマ神話の主神で妻はユノ(Juno)。雷などの天候を司る天空神で、ギリシャ神話のゼウスに相当する。太陽系の惑星・木星(ジュピター)の名前の由来にもなっている。

 

(※2)ゼウス(Zeus)・・ギリシャ神話の最高神。彼が持つ雷霆(ケラウノス)は、全宇宙を破壊するほどの威力を持つ。女好きで、女神や人間の女性との間にたくさんの子どもを持つ。

2月  February

ローマ神話の月と贖罪の神「フェブルウス(Februus)」が由来で、古代ローマでは、毎年2月に、戦争で亡くなった戦士たちの霊を弔うために慰霊祭「フェブルアーリア(Februalia)」が行われていました。

「フェブルウス」はその主神となる存在で、死者や霊と関わりが深く、冥界の王「プルート(※3)と同一視されています。

(※3)プルート(Pluto)・・ローマ神話における冥府の神。ギリシャ神話のハデス(Hades)にあたる。繁栄と富を司る神で、名前の由来は富の所有者を意味する言葉「Plouton」。太陽系の惑星・冥王星(プルート)の名前の由来となった。

3月 March

「March」の由来となったのは、ローマ神話の軍神「マルス(Mars)(※4)です。
ロムルス暦において「3月」は一年の初めとなる月で、冬に中断された軍事作戦を再開する時期でもありました。そのため、戦いの勝利を願って、戦争の神である「マルス」を月名に取り入れたのです。

ちなみに「マルス」は、太陽系の惑星「火星(マーズ)」の名前にも使われていて、これは、当時の人が火星の赤い外観から戦争の火や赤い血を連想したためだと考えられています。

(※4)マルス(Mars)・・ローマ神話における戦いの神で、ギリシャ神話のアレスにあたる。ロムルス暦で一年の初めにあたる3月は、農業を始める時期でもあったため、農耕を司る神とも呼ばれている。

4月 April

古代ローマで、4月1日に、愛と美の女神「ヴィーナス(※5)を称える「ウェネラリア(Veneralia)」が行われていて、彼女と対になるギリシャ神話の神「アフロディーテ(Aphrodite)(※6)が名前の由来になったと言われています。

他にも、気候が暖かくなる4月は草木が芽吹く時期であり、ラテン語で「芽吹く、ひらく」を意味する「Aperire」からとったとする説もあります。

(※5)ヴィーナス(Venus)・・ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」で知られるローマ神話の美の女神。ギリシャ神話のアフロディーテに相当する。もともとは植物を司る精霊・地母神だった。太陽系の惑星・金星(ヴィーナス)の名前の由来となった。

 

(※6)アフロディーテ(Aphrodita)・・ギリシャ神話における愛と美の女神。海の泡から誕生したので、泡(=aphros)から生まれた者という意味でアフロディーテと呼ばれている。




5月 May

ギリシャ神話における春と豊穣の女神「マイア(Maia)(※7)に由来するという説や、5月が「年長者」を表す月で、「man、major」などの年配を意味する言葉からとったなど、諸説あります。

(※7)マイア(Maia)・・ギリシャ神話において大地の実りを司る豊穣の女神。全能の神ゼウスの妻。毎年5月1日に古代ローマで、このマイアに供物を捧げ、春の訪れと豊穣を祝う祭りが行われていた。現在の5月1日に開催されている労働者の祭典メーデー(May Day)はこれに由来するもの。

6月 June

結婚・出産を司る女神「ユノ(Juno)(※8)がその名の由来で、「ユノ」はゼウスの正妻で、ローマ神話においてはユピテルの妻にあたります。6月に結婚すると幸せになれる「ジューン・ブライド」の言い伝えは、この女神「ユノ」にちなんだものです。

6月は、5月とは逆に「若者」を意味する月にあたり、名前の「June」は、若輩者を表す「Junior」からとったのではないかという説があります。

(※8)ユノ(Juno)・・結婚・出産を司るローマ神話の女神。ユピテルの妻。女性の守護神と言われていて、月との関わりも深い。ギリシャ神話ではゼウスの妻ヘレにあたる。

7月 July

もともとは5番目を表す月で「Quitilis」と呼ばれていました。

後に、ローマの英雄「ユリウス・カエサル(Lulius Caesar)(※9)が暗殺され、彼への敬意と畏怖を込めて、誕生月である「Quitilis」が「July」(=Luliusの英名)へと改められました。

(※9)ガイウス・ユリウス・カエサル(Gaius Lulius Caesar)【紀元前100年~紀元前44年】・・英名はシーザー。共和制ローマ時代の政治家・軍人で、ポンペイウス・クラッススとともに第1回三頭政治を結成。独裁的な支配を行ったことにより共和派の反感を買い、暗殺される。「賽は投げられた」「ブルータス、お前もか」などの名セリフで知られる。

8月 August

もともとは6番目の月を意味する「Sextilis」の名で呼ばれていましたが、カエサルの後を継いで内乱を鎮め、初代ローマ皇帝となった「アウグストゥス(Augustsu)(※10)へ敬意を示すため、後の時代に「August」へ改名されることになります。

(※10)アウグストゥス(Augustsu)【紀元前63年~紀元前14年】・・古代ローマの政治家で、ローマ帝国初代皇帝。前名は「オクタウィアヌス(Octavianus) 」。誕生月は8月。感情的な叔父のカエサルとは対称的に慎重な性格で、人から好かれるタイプだった。カエサルのように権力を持ちすぎて恨みを買うことを恐れ、常に市民の第一人者でいようとした。

9月 September/10月 October/11月 November/12月 December

9月~12月はどれも「ラテン語の数の接頭辞(=数詞)」からとったもので、9月「September」は「7」を意味する「septem」、10月「October」は「8」を意味する「octo」、11月「November」は「9」を意味する「novem」、12月「December」は「10」を意味する「decem」が語源になっています。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

英語の勉強となると、ともすれば単語の意味だけを覚えがちで、今回ご紹介した英語の月名も、単純に丸暗記したという人が多くいるかと思われます。しかし、日本の旧暦名に由来となった事柄があるように、月の英名にも元になった物語や歴史・背景が存在します。

本当の意味で言葉の理解を深めるためにも、多少面倒でも単語の由来や語源をきちんと調べて覚えるよう、日々心がけたいものですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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