【3月行事】ひなまつりと上巳(じょうし)の節句|ひなの雑学で灯す知識のぼんぼり

2022年カレンダー(暦)暦・年中行事
The March 2022 desk calendar with wooden pencil.

 こんちにちは、

 りんとちゃーです。

来月3月3日は、別名「桃の節句(上巳の日)」とも呼ばれる、女の子の健やかな成長を祈願する「ひなまつり」の日です。

中国の「上巳(じょうし)の節句」と、日本の「人形信仰(ひとがたしんこう)・雛(ひな)遊び」とが結びついて生まれた「ひなまつり」では、「ひな人形」や「菱餅」をひな壇に飾ったり、行事食として「草餅」や「ひなあられ」を食べたりします。

記事では、以下のことをまとめています。

ひなまつりの起源と歴史
行事食・縁起物・ひな飾りについて

2022年3月のカレンダー【付録】

ひなまつりの雑学を学んで、知識のぼんぼりを灯していきましょう。




ひなまつりの起源・歴史

梅とひな人形

「ひなまつり」の日である3月3日は、五節句(※1)のうちの「上巳(じょうし)の節句」にあたり、別名「桃の節句」と呼ばれています。

(※1)五節句・・江戸時代に公的に定められた5つの節句(人日の節句【1/7】・上巳の節句【3/3】・端午の節句【5/5】・七夕の節句【7/7】・重陽の節句【9/9】)のことで、「節句(せっく)」とは、年中行事を行う季節の重要な節目を意味する言葉。

古代中国では、旧暦3月の最初の巳(み)の日となる「上巳の節句」に、川で身を清めて穢れを払ったり、桃の花を入れた酒(桃花酒【とうかしゅ】)を飲んで邪気を払うという風習が行われていました。

これが日本の人形信仰【ひとがたしんこう】(=紙や植物で作った人形で体をなでて自らの穢れをそれに移し川や海に流すという風習、通称「流し雛」)雛(ひな)遊び(=平安貴族の子女の人形遊び)と結びついて、現在の「ひなまつり」へと変化したと言われています。

『桃(もも)』


桃は多くの実がなることから多産の象徴とされ、その生命力の強さから不老長寿や魔除け・鬼払いの力が秘められていると考えられてきました。日本神話においても、黄泉(よみ)の国でイザナミの恐ろしい姿を見てしまったイザナギが、追いかけてきた黄泉軍(よもついくさ)や雷(いかずち)に桃の実を投げ、撃退したという説話が残っています。




行事食・旬の縁起物

「ひなまつり」の日には、行事食・旬の縁起物として「菱餅」「草餅」「ひなあられ」「はまぐりの吸い物」「白酒」をいただくのが通例となっています。

それでは、各行事食・縁起物の意味や由来について順に見ていきましょう。

菱餅(ひしもち)

やわらか菱餅

ひな壇に飾る餅であり、ひな人形のお供え物でもある「菱餅」

そのルーツとなったのは、上巳の節句に「母子草(ははこぐさ)」(※2)を入れた餅を食べて邪気を払ったという中国の風習で、これが日本に伝わった際、母と子をつく餅では縁起が悪いからと、「母子草」の代わりに「よもぎ」を使用し、その後、菱(ひし)の実を入れた「白い餅」と、くちなしを入れた「赤い餅」が加わって、現在の「3色の餅」になったと言われています。

(※2)母子草・・道端で見かける小さな草で、別名「ゴギョウ」。春の七草の一つで、咳・吐き気止めの効能がある。ゴギョウの名は「仏体(=御形【ごぎょう】)」に由来する。

なお、菱餅の3色にはそれぞれ次のような意味合いがあります。

赤【クチナシ】・・魔除け・祖先を尊ぶ心(解毒作用)
◯白【菱の実】・・清浄、子孫繁栄(血圧降下作用)
緑【よもぎ】・・健康、厄除け(増血作用)

※(  )内は薬効

色は下から順に・白・とするのが決まりで、「雪(=白)の中から新芽(=緑)が芽吹き、桃の花(=赤)が咲く」という春の情景(イメージ)が表現されています。

草餅(くさもち)

草餅・よもぎ餅

「草餅」蓬(よもぎ)の葉を混ぜ込んだ餅、もしくは、その餅の中に餡(あん)をつめたもの」のことで、一般的に関東で「草餅」、関西では「よもぎ餅」と呼ばれています。

その起源は前述の「菱餅」のよもぎ(緑の餅)のところで記した通りで、強壮や消毒・止血効果があることから、古くから薬草としても使用されてきました。

ひなあられ

ひなあられとひな人形

餅に砂糖をからめて炒ったお菓子「ひなあられ」の4色は、それぞれ四季(春=、夏=、秋=、冬=白)を表していて、各色を食べることで「季節が放つエネルギーを体に取り込むことができる」と言われています。

由来となったのは、ひなの国見せ(=ひな人形に野山や川辺などの春の景色を見せてあげること)」と呼ばれる江戸時代の風習で、この時ごちそうと一緒に持っていったのが「ひなあられ」でした。

白酒(しろざけ)

「白酒」は、みりんに蒸した米や麹(こうじ)を混ぜて熟成させたもので、邪気払いの効果があるとして、古くから中国では、これに桃の花を漬けた「桃花酒(とうかしゅ)」が飲まれていました。

ちなみに「白酒」は、米麹などで作る「甘酒」とはまったく別のもので、アルコール分が10%近く含まれているため、子どもが飲むことはできません。

はまぐりの吸い物

ビタミンB2やカルシウムが多く含まれ、貧血予防にも効果がある「はまぐり」

二枚貝である「はまぐり」は、貝の蝶番(ちょうつがい)のところが同じ貝同士でしか合わないことから、夫婦和合のシンボルとされてきました。

なお、お吸い物としていただく際に、一つの貝に二つ分の身をのせる習わしがありますが、これは夫婦が仲良く連れ添っていられることを表していて、女の子の将来の幸せを祈るという願いが込められています。

ちらし寿司

ひなまつりのちらし寿司

「ひなまつり」に限らず、ハレの日に好んで食べられるごちそうの「ちらし寿司」

よく使われる具材は「エビ・れんこん・豆」で、それぞれ「長寿・先を見通す・健康でマメに働く」という意味を持ちます。より色鮮やかに見せるために、人参や卵・三つ葉などを加えることもあり、地域によってはバラ寿司、五目寿司の名で呼ばれたりもします。




ひな飾り

三段のひな飾り

「ひな飾り」は、平安貴族の婚礼の様子を模したもので、夜に行われた婚礼の儀に合わせて「雪洞(ぼんぼり)」を灯し、新郎新婦の「内裏雛(だいりびな)」、そのお世話をする「官女(かんじょ)」護衛の「隋臣(ずいしん)」宴を盛り上げる「五人囃子(ごにんばやし)」などを並べます。

意味

人形信仰(流し雛)にルーツを持つ「ひな人形」には、身代わりとなって厄を引き受けるという意味合いがあり、ひな人形を飾ることで女の子が健やかに成長できると考えられていました。

歴史

「ひな飾り」の歴史を見ると、まず、江戸時代前期に「立ち雛飾り(=男雛・女雛の一対だけのもの)」が作られ、それが後に「座り雛」へと変化。次第に人形のつくりが精巧になっていきます。

江戸時代後期には「古今雛(=宮中の装束を表現したもの)」が登場し、その後、五人囃子や三人官女、添え人形が追加。1700年頃には、貴族や武士だけでなく庶民の間にも広く浸透することになります。

飾り方・並べ方

ひな壇の「ひな人形」や「ひな道具」の飾り方・並べ方には一般的な決まりがあります。

三段・五段・七段などの種類がある「ひな壇」のうち、五段の「ひな壇」の飾り方について簡単にまとめましたので、教養として覚えておきましょう。

一段目(男雛・女雛)

最上段には「男雛(おびな)」「女雛(めびな)」を飾り、男雛に「笏(しゃく)」、女雛に「檜扇(ひおうぎ)」を持たせます。

「男雛」を「お内裏様(だいりさま)」と呼ぶこともありますが、本来「お内裏様」は男雛と女雛の両方を指す言葉なので、厳密に言うと正しくありません。

また、関西と関東では「男雛・女雛の並べ方」が逆になるので注意してください。

「関西」と「関東」の男雛・女雛の位置は以下のようになります。

関西

(向かって右:男雛 左:女雛

関西では日本古来の「左上位」の考え方にならって、ひな壇側から見た左(向かって右)が男雛になります。

 

関東

(向かって右:女雛 左:男雛

二段目(三人官女)

二段目は「三人官女(さんにんかんじょ)」です。

「官女」とは天皇皇后の住む宮中に仕える女官(=身の回りのお世話係)のことで、向かって左から、「加えの銚子(お酒を注ぐ器)」「三宝(盃を載せる台)」「長柄銚子」を持たせます。

三段目(五人囃子)

三段目に飾るのは能楽を演奏する「五人囃子(ごにんばやし)」で、向かって左から「太鼓」「大皮」「小鼓(こつづみ)」「笛」「謡(うたい)」の順で並べます。左にいくほど音の大きい楽器になると覚えましょう。

四段目(随臣)

四段目は男雛を護衛する「随臣(ずいしん)」です。

随臣とは「左大臣」と「右大臣」の総称のことで、向かって右(男雛・女雛から見た左)に老人の「左大臣」、向かって左(男雛・女雛から見た右)に若者の「右大臣」を置きます。

持たせる道具は右手に「矢」、左手に「弓」で、背中には矢を入れた「胡簶(やなぐい)」を背負わせます。

五段目(仕丁)

「仕丁(じちょう)」とは貴族・宮中に仕える雑用係のことで、庶民のような存在です。

泣き・笑い・怒りの3つの表情で作られていて「三人上戸(さんにんじょうご)」とも呼ばれています。並べる順は、向かって左から「怒り」「泣き」「笑い」で、手に「熊手」「靴」「ほうき」を持たせます。

「仕丁」の両脇は「桜」「橘(たちばな)」で、「左近の桜、右近の橘」という言葉の通り、向かって右側に「桜」、左側に「橘」を飾ります。(※この場合も随臣と同様、男雛・女雛から見ての右・左で考えます)




3月のカレンダー【付録】

最後に、付録として2022年度3月(仲春・旧暦2月【如月】)の行事・祝日・二十四節気・記念日などが分かるカレンダーを載せておきました。日々の生活にお役立てください。

3月カレンダー

【国民の祝日】
春分の日【3/21】・・自然をたたえ、生物をいつくしむための日。「二十四節気」の「春分」にあたる。

【二十四節気】
啓蟄(けいちつ)【3/5】・・旧暦2月の節気。「蟄」は虫などが土の中で隠れているという意味で、大地があたたまって目覚めた虫たちが、穴を啓(ひら)いて地上へ出てくる様子からその名がついた。
春分(しゅんぶん)【3/21】・・旧暦2月の中気で、彼岸の中日(なかび)にあたる。昼夜の長さがほぼ同じになり、この日以降は次第に日が伸びていく。

【五節句・雑節】

上巳(じょうし)【3/3】・・日本の五節句のひとつで、旧暦3月初めの巳の日。現在では3/3を指す。桃の花が咲く季節であることから、桃の節句とも呼ばれる。

春彼岸(はるひがん)【3/18~24】・・春分をはさんだ前後3日間。先祖供養の習慣があり、春の花の牡丹にちなんで「ぼたもち(牡丹餅)」をお供えする。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、この「彼岸」を過ぎるとぽかぽかと陽気な気候になって過ごしやすくなる。

【記念日】
ミツバチの日【3/8】・・「み(3)つばち(8)」の語呂合わせから。全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定。
砂糖の日【3/10】・・「さ(3)とう(10)」の語呂合わせから。砂糖の優れた栄養価を見直す日。
サンドイッチデー【3/13】・・「1」が「3」に挟まれていることから。

ホワイトデー【3/14】・・菓子業界が、マシュマロやクッキー・キャンディをバレンタインデーのお返しの品として提唱したことがきっかけ。1980年に全国飴菓子工業協同組合が「ホワイトデー」と命名する。
国連水の日【3/22】・・国際連合が制定した記念日。水の大切さを見直す日。

【その他】

時候の花・・沈丁花(じんちょうげ)、杏(あんず)  など

旬の菜と魚・・わさび、新玉ねぎ、菜の花、ふき、メバル、サヨリ など

3月の童謡・唱歌

『うれしいひなまつり』(作詞:サトウハチロー/作曲:河村光陽)【Key:Cm】

『どこかで春が』(作詞:百田宗治/作曲:草川信)【Key:G】




おわりに

いかがでしたでしょうか。

かつては家の権威やステータスの象徴として豪華なフルセットのひな壇が飾られていましたが、現在では核家族化や住宅事情・環境の変化などで、コンパクトなひな壇を飾るのが主流となっているようです。

さて、来月3月3日はそんな「ひなまつり」の日。スーパーやお店に菱餅やひなあられが並び、街中であのお馴染みの曲も流れることと思います。

色彩感ある華やかな食べ物に、どこか典雅で奥ゆかしい雛飾りと、見ているだけで身も心も晴ればれとしてくる春の行事「ひなまつり」。

コロナや冬の寒さで気持ちが沈みがちな日々が続いたので、春を彩るおめでたいイベントで、鬱屈した気分をさっと吹き飛ばしたいものですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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