【花札】2人で遊ぶ『こいこい』のルールと役一覧、点数表|月札の覚え方・PDF付き

赤絨毯に散らばって置かれた花札とカラフルな金平糖 こいこい・花合わせ

 こんにちは、

 りんとちゃーです。 

「こいこい!」の掛け声で相手と駆け引きすることが醍醐味の「こいこい」は、「花合わせ」とともに人気がある花札の定番の遊びです。

映画「サマーウォーズ」やゲーム「サクラ大戦」の作中に登場し、スマホやパソコンでも簡単に遊べるようになったことで、以前よりも広く知られるようになりました。

しかし、詳しく紹介した本やサイトが少ないせいか、そのルールを間違って覚えている人も多いようです。

記事では、以下のことをまとめています。

ゲームの流れに沿ったルールの解説

ローカルルールと豆知識「月札の覚え方・戦略法」

花札の札一覧(月別の早見表)

種類別の札早見表と出来役一覧・点数表

付録(上記表のPDFファイル)

なお、本文の内容は、巻末に掲載の書籍「図解 マンガで覚える 花札の基本」を参考にしました。

最後まで読んで、「こいこい」の知識を正しく身につけましょう。




花札「こいこい」のルール

2人で遊ぶ花札「こいこい」で、場に出す札を考えているところ
使用枚数:48枚
人数:2人

■ゲームの流れ


①親を決める。
②札を配る。
③ゲームスタート!
④「こいこい」か「勝負」を宣言。
⑤ゲーム終了。点数計算。

▼花札をまだ持ってない!という方はこちら▼
花札の種類と選び方のポイント|おすすめ定番・キャラクター花札9選

事前準備

まず、競技を始める前に、親と子を決定するために「めくり札」を行います。

「めくり札」では、2人で札を一枚ずつ引いて、札の月名が早いほう(=月数が小さいほう「親」、もう一方が「子」になります。

めくり札としてめくられた「1月短冊札」と「4月カス札」

4月より1月のほうが月数が小さいので「松に赤短」をめくった人が親になる。

※同じ月ならば、より点の高い札(光札>カス札)を引いた人が「親」になります。(光札、カス札などの「札の種類名」については、後半の「種類別の札早見表」を参照ください)

次に「親」が、「子」に4枚(裏向き)、場に4枚(表向き)、自分に4枚(裏向き)配ることを2回繰り返し、最終的に親子それぞれに8枚(裏向き)、場に8枚(表向き)並ぶようにして競技を開始します。(=手八場八/下図参照)

▼手八場八▼
手八場八(花札「こいこい」における場札・手札の並べ方)

競技開始

はじめに、「親」が手札から1枚取り出して場に出します。この時、場に同じ月の札があれば「合い札」となり、場札とともに手に入れることができます。「合い札」がなければ、出した手札は場におきましょう。手札と場札を合わせる

※手に入れた札(=取り札)は、相手に見えるように種類ごとに並べておきます。

相手に見えるように点数ごとに並べられた取り札

次に、山札から一枚めくって場に出します。先程と同じように、めくった山札と同じ月の札が場にあれば「合い札」となり、めくった札と場札をともに手に入れることができます。もし「合い札」がなければ、めくった札はそのまま場におきましょう。場札と手札を合わせる

これで「親」の番は終わりで、同じことを「子」で繰り返します




駆け引き・競技終了・点数計算

自分の前においた取り札に役が完成すれば、「こいこい」「勝負」を選択することができます。

「こいこい」「さらなる得点加算をねらって次のターンまで待つこと」で、「勝負」「この役であがること」です。

もし「勝負」を選んだ場合は、その時点で競技終了となり、出来た役の分だけ点数を獲得することができます。出来役の点数については、後述の「出来役一覧と点数表」を参照ください。

「こいこい」を選んだ場合は試合が続行され、どちらかが「勝負」するまで続けることになります。

もしどちらも「勝負」をせず、札がなくなって流れた場合「親権」として親に6点が入ります。

これを12回繰り返し(親と子は各回で入れ替え)、最終的に合計点が多いほうが勝ちです。

こいこいと勝負こいこい・・役が完成した後に、まだ他にも役ができそうな時は、次の役を狙って「こいこい」と宣言し、ゲームを続けることができます。ただし「こいこい」後に相手が役を作って「勝負」されてしまうと負けになるので注意が必要です。

勝負・・この役で勝てると思った時に宣言する言葉で、勝負をかけた時点でゲームは終了となります。

ローカルルール(くっつき・手四など)

「ローカルルール」の中には、ゲーム開始前に「手役(てやく)」を確認するものがあります。

「手役」とは、配られた時点で手札にできている役のことで、「くっつき」「手四(てし)」の2種類があります(下記参照)。

「手役」がある場合は手札を公開して点数(6点)をもらい、次のゲームにうつります。

くっつき   6点
※札が配られた時点で同じ月の札が2枚づつ4組揃う
札が配られた時点で同じ月の札が2枚づつ4組揃う「くっつき」。
手四(てし)  6点
※札が配られた時点で同じ月の札が4枚揃う

他にも、相手が「こいこい」中に自分が「勝負」することができれば得点が2倍になる「倍返し」や、「点数が7点以上だった場合に得点が2倍になる」というルール、さらには、「12回(12ヶ月戦)試合をせずに、3回(3ヶ月戦)6回(6ヶ月戦)で終わる」など、さまざまな「ローカルルール」が存在するので、後で喧嘩にならないように試合前に確認するようにしましょう。

■豆知識①『こいこいの戦略法』


出来役をはやく作る
めくり札や相手の捨てる札に期待せず、自分の手札の中で一番作りやすい役を優先させましょう。
相手の取り札をよく見る
自分の役作りに没頭しすぎてはいけません。相手の取り札をよく見て、役作りを妨害するのも一つのテクニックです。
「勝負」か「こいこい」か?
「こいこい」を宣言した後に、相手に「勝負」されると負けてしまうので、迷ったときは「勝負」と宣言しましょう。




花札の札一覧表(+月札の覚え方)

花札は全部で48枚。季節の花と動物が描かれた12ヶ月×4枚のカードがセットになっています。花札初心者の人は、まず各月ごとの札の名前を覚えましょう。(※かっこ内の数字は「札の点数」を表しています)

【花札の札一覧表(1~6月)】 ■1月 睦月(むつき) 松に鶴(20点)松に赤短(5点)松のカス(1点)松のカス(1点) ■2月 如月(きさらぎ) 梅に鶯(10点)梅に赤短(5点)梅のカス(1点)梅のカス(1点) ■3月 弥生(やよい) 桜に幕(20点)桜に赤短(5点)桜のカス(1点)桜のカス(1点) ■4月 卯月(うづき) 藤に不如帰(10点)藤に短冊(5点)藤のカス(1点)藤のカス(1点) ■5月 皐月(さつき) 菖蒲に八橋(10点)菖蒲に赤短(5点)菖蒲のカス(1点)菖蒲のカス(1点) ■6月 水無月(みなづき) 牡丹に蝶(10点)牡丹に青短(5点)牡丹のカス(1点)牡丹のカス(1点)
【花札の札一覧表(7~12月)】 ■7月 文月(むみづき) 萩に猪(10点)萩に短冊(5点)萩のカス(1点)萩のカス(1点) ■8月 葉月(はづき) 芒に月(20点)芒に雁(10点)芒のカス(1点)芒のカス(1点) ■9月 長月(ながつき) 菊に盃(10点)菊に青短(5点)菊のカス(1点)菊のカス(1点) ■10月 神無月(かんなづき) 紅葉に鹿(10点)紅葉に青短(5点)紅葉のカス(1点)紅葉のカス(1点) ■11月 霜月(しもつき) 柳に小野道風(20点)柳に燕(10点)柳に短冊(5点)柳のカス(1点) ■12月 師走(しわす) 桐に鳳凰(20点)桐のカス(1点)桐のカス(1点)桐のカス(1点)

■豆知識②『月札の覚え方』


「札の絵柄を見ても何月の札かわからない!」という初心者の方のために、札の植物名から覚える月札の語呂合わせを考えました。すべて暗記して、実際のゲームで活用してください。

花札の月の覚え方
1月札「松(まつ)」・・「門松」といえば、お正月(1)。
●2月札「梅(うめ)」・・バイバイ(「梅」×2)と手を振って。
3月札「桜(さくら)」・・そのまま、「さ(3)くら」。
●4月札「藤(ふじ)」・・こちらもそのまま、「ふじ(4)」。
5月札「菖蒲(あやめ)」・・5番勝負(菖蒲【しょうぶ=あやめ】)。
●6月札「牡丹(ぼたん)」・・6←ここが服のボタン(牡丹)みたいに見える!?
7月札「萩(はぎ)」・・「萩」は秋の7草です。
●8月札「芒(すすき)」・・8←「山(=芒)」と月に見えなくもない!?
9月札「菊(きく)」・・そのまま、「きく(9)」。
●10月札「紅葉(もみじ)」・・「もみじ」まんじゅう(10)!
11月札「柳(やなぎ)」・・雨(=柳)→ // →(11)。
●12月札「桐(きり)」・・最後(12)なので「きり(=桐)」が良いですね。




種類別(点数別)札早見表

以下は種類ごと(点数ごと)の札の一覧表です。花札では、どのゲームで遊ぶ場合でも札に決められた「点数」は同じになります。


光札(20点札)
最も点数の高い札で、集めた枚数により「五光(ごこう)」「四光(しこう)」「雨四光(あめしこう)」「三光(さんこう)」などの役が作れます。
最も点数の高い光札5枚。「松に鶴」「桜に幕」「桐に鳳凰」「柳に小野道風」「芒に月」


種札(10点札)
有名な「猪鹿蝶(いのしかちょう)」を含む9枚です。「光札以外で、生き物(※盃を除く)が描かれているもの」と覚えましょう。
種札「牡丹に蝶」「菖蒲に八橋」「藤に不如帰」「梅に鶯」種札「柳に燕」「芒に雁」「紅葉に鹿」「菊に盃」「萩に猪」


短冊札(5点札)
文字が入った「赤い短冊札」3枚と「青い短冊札」3枚、文字が入っていない「赤い短冊札」4枚の計10枚です。

赤い短冊札3枚「桜に赤短」「梅に赤短」「松に赤短」 青い短冊札3枚「紅葉に青短」「菊に青短」「牡丹に青短」 文字のない赤い短冊札4枚「藤に短冊」「菖蒲に短冊」「萩に短冊」「柳に短冊」


カス札(1点札)
最も点数の低い札で、桐は3枚、柳は1枚、それ以外は2枚ずつあります。
最も点数の低いカス札。「桐・菊・萩・菖蒲・桜・松のカス」(桐は3枚、それ以外は2枚) 最も点数の低いカス札。「柳・紅葉・芒・牡丹・藤・梅のカス」。(柳は1枚、それ以外は2枚)


出来役一覧・点数表

「こいこい」における出来役と点数を一覧にしました。自分で点数計算できるように、それぞれセットで覚えておきましょう。


五光(ごこう) 10点
※光札5枚
五光・光札5枚「松に鶴」「桜に幕」「芒に月」「柳に小野道風」「桐に鳳凰」
四光(しこう)  8点
※「柳に小野道風」以外の光札4枚
四光(しこう)/「柳に小野道風」以外の光札4枚
雨四光(あめしこう) 7点
※「柳に小野道風」を含めた光札4枚
雨四光(あめしこう)/「柳に小野道風」を含めた光札4枚
三光(さんこう) 5点
※「柳に小野道風」以外の光札3枚
三光(さんこう)/「柳に小野道風」以外の光札3枚
猪鹿蝶(いのしかちょう) 5点
※「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚
猪鹿蝶(いのしかちょう)/「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚
赤短(あかたん) 5点
※「松に赤短」「梅に赤短」「桜に赤短」の3枚
赤短(あかたん)/「松に赤短」「梅に赤短」「桜に赤短」の3枚
青短(あおたん) 5点
※「牡丹に青短」「菊に青短」「紅葉に青短」の3枚
青短(あおたん)/「牡丹に青短」「菊に青短」「紅葉に青短」の3枚
月見で一杯 5点
※「芒に月」「菊に盃」の2枚
月見で一杯/「芒に月」「菊に盃」の2枚
花見で一杯 5点
※「桜に幕」「菊に盃」の2枚
花見で一杯/「桜に幕」「菊に盃」の2枚
タン(短冊札5枚) 1点
タン/短冊札5枚
タネ(種札5枚)  1点
タネ/種札5枚 
カス(カス札10枚)  1点
カス/カス札10枚  
※タン・タネ・カスは、ともに1枚増えるごとに1点加算

■ローカルルール


ルールによって点数の数え方が異なります。五光(15点)、四光(10点)、雨四光(8点)、三光(6点)、赤短・青短(6点)とする場合もありますので注意してください。




付録【PDF】

記事で紹介した「花札の札一覧表」「種類別札早見表」「出来役一覧・点数表」PDFファイルを無料で配布しています。印刷して自由にご活用ください。



おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した内容は、下の書籍「マンガで覚える 図解 花札の基本」を参考にしてまとめました。

ゲームをする上で、ルールについてしっかりと理解しておく必要があり、その点、この本は図解とマンガで分かりやすく解説されていて、参考書として最適だと思いました。

「花合わせ・はちはち」など、「こいこい」以外の遊び方が一緒に掲載されているところも良いですね。

商品リンクを下に貼っておきましたので、「花札」について詳しく知りたい方は、実際に読んで勉強してみてください。

マンガで覚える 「図解 花札の基本」表紙画像
【Amazon.co.jp】マンガで覚える 図解 花札の基本 


花札の別競技である「花合わせ」の遊び方や、花札の絵柄にまつわる雑学・歴史についての記事も投稿しています。気になる方は、下記リンクも合わせてご参照ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

▼「花合わせ」の詳しい遊び方を知りたい方はこちら▼
「花合わせ」の遊び方(ルール)と得点数表・役一覧

 

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花札の絵柄の意味と由来 |旧暦の読み方と語源つき
花札の歴史|日本の伝統的「かるた」の繁栄と衰退の足あと
ゲーム会社「任天堂」と花札・トランプの関係|始まりは小さな花札屋

 

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【日本文化】旧暦の月名の読み方と由来・語源|和風月名で知る季節の彩り

 

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花札の基礎知識|花札用語の読み方と意味を知ろう

 

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