こんにちは、
りんとちゃーです。
別名で「絵取り」や「花」と呼ばれている、3人で遊ぶ定番の花札ゲーム「花合わせ」。
そのルールは、同じ花札ゲームの「こいこい」に比べてやや複雑で、詳しく解説した本やサイトが少ないせいか、間違って覚えている人も多いようです。
記事では、以下のことをまとめています。
■ゲームの流れに沿ったルールの解説と点数計算法
■花札の札一覧(月別早見表)
■点数別の札早見表と出来役一覧・点数表
■付録(上記表のPDFファイル)
※本文の内容は、巻末に掲載している書籍『マンガで覚える 図解 花札の基本』を参考にしてまとめました。
最後まで読んで「花合わせ」の正しい知識を身に付けましょう。
ルール(遊び方・3人)
■使用枚数:48枚
■人数:3人
■ゲームの流れ
①参加する人を決める。
②親を決める。
③席順を決める。
④札を配る。
⑤手札による特殊な役を確認。
⑥ゲームスタート!
⑦ゲーム終了。点数計算。
▼花札をまだ持ってない!という方はこちら▼
■花札の種類と選び方のポイント|おすすめ定番・キャラクター花札9選
ゲーム開始前
「花合わせ」では、参加人数の3人より多く参加希望者がいる場合、手札を配った後にゲームに参加する3人を決めます。
決め方は、親の右隣から順に、参加する(=「出る」)か参加しない(=「下る」)を宣言してもらうというもので、それでも参加者が多い場合は、親から右に3人目までがゲームに参加して、4人目以降は強制的に「下り」ます。これを「追い込み」と言います。
逆に、参加希望者が3人よりも少ない場合は「しばり」を行います。たとえば、5人メンバーがいる中で、最初の2人が「下り」を宣言すれば、残り3人は必ずゲームに参加しなければなりません。この「下り」を禁止することを「しばり」と言います。
親を決める
ゲームの進行を担当する『親』は「めくり札」で決めます。めくり札では、山札から1人1枚ずつめくり、めくった札の月の数字が最も少ない人が『親』になります。(※「札の月の数字・月名」については、後述の「札一覧・月別早見表」を参照)
※同じ月ならば、より点の高い札(光札>カス札)を引いた人が「親」になります。光札、カス札などの「札の種類名」については、後半の「種類別の札早見表」を参照ください。
席順を決める
親の次に「月数」の少ない札をめくった人が『胴二(どうじ)』となり、残りの1人は『ビキ』になります。
席順は、親の右隣が「胴二」で、左隣が「ビキ」です。なお、進行方向は親 ⇨ 胴二 ⇨ ビキの順で、時計の針とは「逆周り」になります。(下図参照)
札を配る
はじめに「ビキ」が花札をまとめて切り、次に「胴二」がそのまとめた束を2つに分けて上下を入れ替えます(=のぞみ)。その後、親が手札各7枚・場札6枚の「手七場六(てしちばろく)」(下図参照)を配ります。
▼手七場六▼
手札による特殊な役の確認
ゲーム開始前に「手札に特殊な役」がある場合は、役を公開して役代をもらいます。公開された札は、他の2人にとっての「場札」となりますが、公開した人は「手札」となるため「場札」として使用することができません。
なお、公開した札が他の2人に合わせ取られて、すべての「手札」がなくなった場合は、「山札」から「場札」に札を合わせていきます。
▼手札による特殊な役▼
■七カス(30点)
※手札がすべて1点札。他の2人から30点ずつもらい、7枚は公開する。
■六カス(20点)
※手札7枚のうち6枚が1点札。1点札の6枚を公開して、残り1枚は手札として持つ。
ゲーム開始
ゲームは親 ⇨ 胴二 ⇨ ビキの順番で行い、自分の番になったら手札を1枚出し、場札の同じ月札と合わせます。続けて山札から1枚めくり、場札に同じ月札があれば、さらに合わせ取ります。
合わせる札がない場合はそのまま場におき、これを手札の7枚がなくなるまで順に繰り返していきます。
ゲーム終了後
親から順に7巡して手札がなくなり、さらに場札がすべてなくなった時点でゲームは終了です。
ゲームが終了したら「取り札による特殊な役」と「出来役」があるかを確認して、点数計算に移ります。
▼取り札による特殊な役▼
■雨シマ役流し
※柳札を4枚集めると、その人のすべての出来役が無効になります。この場合の点数は取り札の点のみです。
■フケ
※取り札の合計が20点以下の役のことで、誰かが「フケ」になるとゲームは引き分けになります。
■豆知識①「花合わせの戦略法」
●その1「手札と相談する」
自分の手札の中に場と合う札が2枚以上ある場合は、早く役が作れるものから合わせていきます。なお、どれか捨てなければならない時は、一番役と関係がない札を捨てましょう。
●その2「相手の取り札を確認する」
相手が集めている札を確認し、役の成立を邪魔できる手札を持っているなら、自分の役作りよりも相手を妨害することを優先させましょう。
●その3「ビキは勝ちやすい!?」
ビキは順番が最後にまわってくるので、ほしい札が取れずに不利だと思われがちですが、実際は逆で、ビキは手持ちの役札を最後まで捨てなくてすみ、確実に自分の札にすることができます。
点数計算
「取り札の合計点」に「出来役の役代の支払い」を換算した得点から、「基準点」である88点を引いたものが点数になります。
計算方法点数 = 取り札の合計点 ※1+ 出来役の支払い※2 -基準点(88点)
点数計算が終われば次のゲームに移り、12回戦したら合計点数を出して試合の勝敗を決めます。
※1、取り札の合計点は、札の点数(後述の「点数別の札早見表」を参照)の合計。
※2、出来役の支払いは、出来役(後述の「出来役一覧と点数表」を参照)から役代差の支払いを換算したもの。
実際の計算例
この場合、AさんはCさんに、出来役の役代差(60点ー40点)の20点を支払い、Bさんは、Aさんに40点・Cさんに60点の、計100点を支払います。
結果、Aさんは(40点ー20点)で20点、Bさんは(ー40ー60点)でー100点、Cさんは(20点+60点)で80点の出来役の役代点を支払い換算します。
花札の札一覧表(月別早見表)
花札は全部で48枚。季節の花と動物が描かれた12ヶ月×4枚の札がセットになっています。初心者の人は、まず各月ごとの札の名前を覚えましょう。(※かっこ内の数字は「札の点数」を示しています)
■豆知識②『月札の覚え方』
「札の絵柄を見ても何月の札かわからない!」という初心者の人のために、植物の名前で覚える月札の語呂合わせを考えました。すべて暗記して、実際のゲームで活用してください。
●1月札「松(まつ)」・・「門松」といえば、お正月(1)。
●2月札「梅(うめ)」・・バイバイ(「梅」×2)と手を振って。
●3月札「桜(さくら)」・・そのまま、「さ(3)くら」。
●4月札「藤(ふじ)」・・こちらもそのまま、「ふじ(4)」。
●5月札「菖蒲(あやめ)」・・5番勝負(菖蒲【しょうぶ=あやめ】)。
●6月札「牡丹(ぼたん)」・・6←ここが服のボタン(牡丹)みたいに見える!?
●7月札「萩(はぎ)」・・「萩」は秋の7草です。
●8月札「芒(すすき)」・・8←「山(=芒)」と月に見えなくもない!?
●9月札「菊(きく)」・・そのまま、「きく(9)」。
●10月札「紅葉(もみじ)」・・「もみじ」まんじゅう(10)!
●11月札「柳(やなぎ)」・・雨(=柳)→ // →(11)
●12月札「桐(きり)」・・最後(12)なので「きり(=桐)」が良いですね。
種類別(点数別)の札早見表
以下は種類別(点数別)の札の一覧表です。花札では、どのゲームを遊ぶ場合でも札に決められた「点数」は同じになります。
■光札(20点札)
最も点数の高い札で、集めた枚数により「五光(ごこう)」「四光(しこう)」などの役ができます。
■種札(10点札)
有名な「猪鹿蝶(いのしかちょう)」を含む9枚です。「光札以外で、生き物が描かれているもの」と覚えましょう(※菊に盃は除く)。
■短冊札(5点札)
文字が入った「赤い短冊札」3枚と「青い短冊札」3枚、文字が入っていない「赤い短冊札」4枚です。
■カス札(1点札)
最も点数が低い札です。桐は3枚、柳は1枚、それ以外は2枚ずつあります。
出来役一覧・点数表
「花合わせ」における出来役と点数を一覧にしました。点数計算を自分でできるように、それぞれセットで覚えておきましょう。
■五光(ごこう) 200点
※20点札5枚
■四光(しこう) 60点
※「柳に小野道風」以外の20点札4枚
■赤短(あかたん) 40点
※「松に赤短」「梅に赤短」「桜に赤短」の3枚
■青短(あおたん) 40点
※「牡丹に青短」「菊に青短」「紅葉に青短」の3枚
■七短(ななたん) 40点
※「柳に短冊」以外の5点札7枚
■六短(ろくたん) 30点
※「柳に短冊」以外の5点札6枚
■表菅原(おもてすがわら) 30点
※「松に鶴」「梅に鶯」「桜に幕」の3枚
■のみ 30点
※「桜に幕」「芒に月」「菊に盃」の3枚
■猪鹿蝶(いのしかちょう) 20点
※「萩に猪」「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」の3枚
■松桐坊主(まつきりぼうず) 20点
※「松に鶴」「桐に鳳凰」「芒に月」の3枚
■くさ 20点
※「藤に短冊」「菖蒲に短冊」「萩に短冊」の3枚
■月見で一杯 20点
※「芒に月」「菊に盃」の2枚
■花見で一杯 20点
※「桜に幕」「菊に盃」の2枚
■藤シマ 20点
※藤の札を4枚
■桐シマ 20点
※桐の札を4枚
付録【印刷用PDF】
記事で紹介した「花札の札一覧表」「種類別札早見表」「出来役一覧・点数表」のPDFファイルを無料で配布しています。印刷して自由にご活用ください
花札の札一覧表
種類別札早見表
出来役一覧・点数表
おわりに
いかがでしたでしょうか。
詳しい「花札」のルールを知っていれば、介護の現場で高齢者と一緒に楽しんだり、日本文化に関心のある外国人に教えたりできるので、今回の記事の内容を参考にして、ぜひ遊び方をマスターしていってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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■花札の基礎知識|花札用語の読み方と意味を知ろう
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※記事の内容は、下の書籍「マンガで覚える 図解 花札の基本」を参考にしてまとめました。
ゲームをする上で、ルールについてしっかりと理解しておく必要があり、その点でこの本は、図解とマンガで分かりやすく解説されていて、遊び方の参考書として最適だと思いました。
商品リンクを貼っておきましたので、「花合わせ」についてもっと詳しく知りたい方は、実際に本を手にとって勉強してみてください。
【Amazon.co.jp】マンガで覚える 図解 花札の基本
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