【花札6月】蝶(チョウ)が舞い寄るトリビアの花|伝統和柄「蝶文様」と完全変態

花札

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

花札6月札で牡丹の花のそばを舞っている「チョウ(蝶)」

花札6月札「牡丹に蝶」4枚

童謡・唱歌の「ちょうちょ」や、蝶にまつわる言葉・身の回りのものなど、日本人にとってとても親しみ深い「チョウ」ですが、その生態・特徴や関連知識となると、意外と知らないことがたくさんあります。

記事では、以下のことをまとめています。

チョウにまつわる雑学・トリビア

チョウの表記名(学名・漢名・和名・英名・西欧名)の由来・語源

日本の伝統的図柄である「蝶文様」について

昆虫の形態的変化「完全変態」「不完全変態」の解説

それでは、チョウが生み出す知識の花に舞い寄ってみましょう。




チョウの雑学・トリビア

純白の花にとまるアゲハチョウの優美な姿

世界一大きなチョウは?

世界一のチョウは、羽根を広げると20cmにもなる「アレクサンドラトリバネアゲハ」のメスです。パプア・ニューギニアのみに生息する絶滅危惧種で、エメラルド色の美しい羽根を持っています。

世界一小さなチョウは?

体長が1.2cmしかない「コビトシジミ」が世界最小の「チョウ」です。北アメリカが主な生息地で、ハワイやサウジアラビア、アラブなどでも見ることができます。

ひらひらと飛ぶのはなぜ?

飛ぶスピードが遅く、鳥などの天敵に襲われやすいので、「ひらひら」と不規則な動きをして天敵から身をかわしていると考えられます。

とまっているチョウはどうして羽を広げているの?

昆虫であるチョウは「変温動物」なので、体が温かくならないと飛ぶことができません。そのため、羽を広げ太陽光を浴びて体温を上げているのです。

「チョウ」と「ガ」の違いって何なの?

両者の違いを説明する前に、まず「チョウ」とは何かについて確認しておきましょう。

「チョウ」の定義は以下のとおりです。

定義

「チョウ」とは、「鱗翅(りんし)目」の中の、アゲハチョウ科・シロチョウ科・シジミチョウ科・タラハチョウ科・セセリチョウ科に含まれる昆虫のこと

「チョウ(蝶)」と「ガ(蛾)」はどちらもこの「鱗翅(りんし)目」に分類され、分類学上は同じ生き物になります。実際、2つを区別しているのは日本だけで、世界においては区別されていません。

一般的に、美しい姿をしているのが「チョウ」で、地味な色合いをしているのが「ガ」だという認識がありますが、地味な「チョウ」や美しい「ガ」がいたりと例外も多くあります。

両者の生態・特徴的違いを簡単に下にまとめましたので、区別する際の参考にしてください。

チョウ・・昼行性。先端の膨らんだ細い棍棒状の触覚を持つ。細い体をしていて、派手で美しい外見のものが多い。羽を閉じてとまる習性がある。
ガ  ・・夜行性。太い房状の触覚を持つ。太い体をしていて、外見は地味なものが多い。羽を広げてとまる習性がある。




チョウの名前の由来・語源

チョウの羽のアップ写真

一般的な「チョウ(蝶)」の呼び方・表記名をまとめると以下のようになります。

学名:Lepidoptera
■漢名:
■旧和名:てふてふ
■英名:butterfly(バタフライ)
■西欧名:psyche(プシュケ)

では、それぞれの名前の由来について見ていきましょう。

学名「Lepidoptera」の由来

ギリシャ語の「lepis=鱗」「pteron=翼」がその語源で、「鱗」とは「チョウ」や「ガ」の「鱗粉(りんぷん)」のことを指します。ちなみに、この学名は「鱗翅目」全般をあらわす言葉で、単に「チョウ」だけを示す場合は「Rhopalocera」となります。

■豆知識①『鱗粉(りんぷん)』


チョウ(蝶)やガ(蛾】の羽などについている粉のことで、顕微鏡で見ると魚の鱗に似た形をしているのでこう呼ばれています。「鱗粉」には、空気抵抗を大きくして飛ぶ力を増やす働きと、水をはじき体温低下・窒息死を防ぐ役割があります。

漢名「蝶」の由来

漢字の右側の葉っぱの草かんむりをとった部分は「薄くて平たい木の葉」をあらわしています。「チョウ」の羽(翅)を見た昔の人が、枝先についた「薄い葉っぱ」を連想して、この漢字をあてたと考えられています。

旧和名「てふてふ」の由来

旧日本語で「て」は「横」「ふ」は「飛ぶ」を意味していて、そこから「てふ」と呼ばれるようになったという説や、羽を広げた姿が、両手首を合わせて指を広げた形(手符=てふ)に見えたことから「てふ」になったものなど、由来には諸説あります。

英名「butterfly(バタフライ)」の由来

「butter」と「fly」の複合語である「butterfly」の由来には諸説あり、魔女がチョウの姿に変身してバターを盗みにやってくるからというものや、バターのような排泄物を出すからというもの、さらには、キチョウ・キアゲハなどの一部の「チョウ」が黄色いバター色をしているからなど、バラエティに富んでいます。

西欧名「psyche(プシュケ)」の由来

「psyche(プシュケ)」とは、ギリシャ神話に登場するアモルに愛された美少女の名前で、「霊魂(プシュケー)」を人格した言葉でもあります。「魂・不死」を象徴するこの言葉は、英語の「psycho(サイコ)」の語源にもなっています。




蝶文様

「蝶文様(ちょうもんよう)」は、「吉祥文様(きっしょうもんよう)」(縁起の良い動植物を描いた図柄)として、日本では古くから着物や帯などの柄に用いられてきました。

その起源は奈良時代までにさかのぼり、当時中国から日本に伝来した「蝶文様」は、平安時代中期に公家装束の「有職文様(ゆうそくもんよう)」に取り入れられ、広く普及することになります。

ちなみに、「卵」▶「幼虫」▶「さなぎ」を経て、美しい「成虫」へと変容する「チョウ」は、古来より「復活・不死不滅」の象徴と考えられていて、「平家の旗印」にも用いられています。これは、死と隣り合わせの武士にとって、「長生き」の意味合いを持つ「チョウ」が特別な存在だったからです。

また、地域や時代によって「蝶文様」は、「死霊」「黄泉の使い」といった不吉なモノに捉えられることもあり、ひと昔前までの結婚式では、「蝶文様」の着物・帯を身につけることはタブーとされていました。(※現在ではそういった風習は残っていません)

■豆知識②『有職文様(ゆうそくもんよう)』


平安時代以降に、公家・貴族の束帯(そくたい)や十二単(じゅうにひとえ)・調度品(ちょうどひん)などの装飾として用いられてきた優美な文様のことを「有職文様」と言います。図案化されているために年間を通して着ることができ、現代でも「和風文様の基調」として着物などに広く使われています。

完全変態と不完全変態

枝の先を這うアゲハチョウの幼虫

「チョウ」をはじめとして、ミツバチ・カブトムシ・ハエ・ガなどは、「卵」▶「幼虫」▶「サナギ」▶「成虫」と4つの段階を経て成長することが知られており、このような形態的変化のことを「完全変態」といいます。

一方、バッタやトンボ、セミなどの昆虫は、「卵」▶「幼虫」▶「成虫」と3段階で成長をし、こちらは「不完全変態」と呼ばれています。

厳密な定義で言うと、「幼虫から成虫になるまでの過程に『サナギ』があるかないか」で両者を区別することができ、『サナギ』を経て成長するものを「完全変態」、『サナギ』を経ないで成長するものを「不完全変態」と言いかえることもできます。

ちなみに、「完全変態」をする昆虫には、成虫になったときに劇的に見た目が変わるという特徴があり、逆に、「不完全変態」をする昆虫には、大きな外見の変化は見られず、幼虫も成虫も同じような見た目をしています。(※セミ・トンボは例外的に見た目が変わります)

また、「不変態(無変態)」という、幼虫から成虫までまったくかたちを変えない昆虫も中には存在します。(シミ・トビムシなど)




おわりに

いかがでしたでしょうか。

では、最後に内容をおさらいしましょう。

「チョウ」と「ガ」は両方とも「鱗翅(りんし)目」に分類され、分類学上は同じ生き物である。ただし、昼夜行性・触覚の形状など生態・外見的特徴に相違点がある。

「チョウ」の表記名(学名・漢名・英名など)にはそれぞれ由来・語源がある。

「蝶文様」は、平安貴族の「有職文様(ゆうそくもんよう)」「平家の紋章」などに用いられてきた由緒ある図柄である。

幼虫から成虫になるまでの過程で『サナギ』を経るものを「完全変態」、経ないものを「不完全変態」といい、「チョウ」は「完全変態」をする昆虫である。

今回紹介した「完全変態」と「不完全変態」は、中学校の理科で習う内容なんですが、大半の人は忘れてしまっているのではないでしょうか。子どもにばかにされないためにも、学生時代に学んだことをもう一度復習しないといけませんね。

季節はようやく春。菜の花にとまるチョウが見られる時期になりました。

最近では、自然が少なくなったせいか都会でその姿を見かけることが少なくなったような気がします。わたしが子どもの頃は家の外でたくさん目にしたものなんですが・・。

公園などで見かけたら、ぜひその優美な姿をじっくり観察してみてください。もしかしたら、今までとは違った感慨を持つかも知れませんよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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