【花札12月】最後を締めくくる「桐(きり)に鳳凰」|梧桐に止まり竹の実を食す瑞鳥

花札

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

花札の最後の月である12月札を飾る、植物の「桐(きり)」と伝説の霊鳥「鳳凰(ほうおう)」

花札12月札「桐(きり)に鳳凰(ほうおう)」

その絵柄のモチーフとなったのは、「梧桐の木に止まり竹の実を食べる鳳凰」という中国の有名な伝説です。

記事では、以下のことをまとめています。

「桐(きり)」の特徴や生態・表記

皇室に関わり深い「桐紋」に関すること
中国の伝説上の瑞鳥「鳳凰(ほうおう)」の意味

世界各地に伝わる聖なる鳥と鳳凰の関係

日本と非常に関わりの深い「桐と鳳凰」。日本人ならば学ばないわけにはいきませんね。




桐(きり)の特徴・生態・表記

赤い実をつけた桐

湿気に強く割れにくい良質の木材として、箪笥(タンス)などの家具や下駄、楽器の琴などに幅広く使われてきた「桐(きり)」は、近年、日本での生産量が減少し、中国などからの輸入品に頼ることが多くなりました。

そんな「桐」は、実は何科であるかはっきりしておらず、ノウゼンカズラ科やゴマノハグサ科、キリ科など、その解釈はさまざまです。

一番有力なのはノウゼンカズラ科で、アメリカノウゼンカズラの花の形・大きさが桐と非常に似ていることがその大きな根拠となっています。

ちなみに、山と渓谷社の「日本の樹木」での桐の分類名はノウゼンカズラ科です。

また、「桐(キリ)」は鳳凰の止まり木であるアオギリとは全く別の種であり、両者の混同を避けるために中国では、アオギリを「梧桐」キリを「白桐」と表記します。

学名表記すると「Paulownia tomentosa」となり、属名の「Paulownia」は、シーボルトに資金援助したオランダのアンナ・パヴロヴナ女王が語源となっています。

聖なる桐(きり)から生まれた紋

司法書士のバッジ

古代中国の伝説に、「聖天子の象徴である鳳凰は、梧桐の木に宿り竹の実を食う」という一節があり、古来より中国では、桐は霊長の宿り木として神聖視されてきました
(※ここでの梧桐はアオギリのことを指していて正確に言うと桐ではありません。)

それにならって日本でも嵯峨天皇の頃から、高貴の象徴として桐が広く紋章や装飾などに用いられるようになり、その中でも「桐紋」は、天皇から豊臣秀吉などの権力者に下賜されるなど、皇室以外にも広まりを見せています。

五三桐と五七桐の家紋

有名な桐紋には、桐の花の数が3-5-3の「五三桐(ごさんぎり)」と、5-7-5の「五七桐(ごしちぎり)」があり(上図参照)、「五三桐」は法務省や皇室警察本部に、「五七桐」はパスポートや五百円硬貨に使われています。

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「五三桐」だよ。

■豆知識『歴史上の偉人の桐紋』


「桐紋」には、豊臣秀吉が天皇から授かった「五七桐」の代替である「太閤(たいこう)桐」をはじめ、明智光秀が愛した「桔梗(ききょう)桐」(下が桔梗の花で上が桐の花)、桐好きで秀吉と縁が深かった千利休の「利休(りきゅう)桐」などがあります。




伝説の瑞鳥「鳳凰(ほうおう)」

屋根の上の鳳凰のシルエット

「梧桐の木だけに止まり、6年に1度だけ実る竹の実を食べる」という伝説を持つ「鳳凰(ほうおう」)は、世の中に平安をもたらす優れた皇帝(=聖天子)の出現を予言する瑞鳥(めでたいことが起こる前兆の鳥)として、中国古来より神聖視されてきました。

また、中国史初期においては、鳳凰はもともと「鳳」という雄と、「凰」という雌のつがいを意味していて、陰陽の象徴であるとともに、男女の厳粛な関係を示す存在でもありました。

それが後に、雄の龍と合わせて描かれる一匹の雌鳥へと変化し、謙虚・忠実・貞操・慈悲をそなえ持った「女性の鏡(かがみ)」を示すようになります。

そうした特性は現在の中国にも残っていて、皇帝(=龍)に寄り添う理想的な伴侶である皇后の象徴として「鳳凰」が今でもなお用いられています。

 日本で鳳凰といえば、

 手塚治虫先生の

「火の鳥」ですよね。

世界各地の聖なる鳥

燃え盛る不死鳥フェニックス

中国から西方へと伝わった鳳凰は、イラン神話と結びついて、「シームルグ」という霊鳥のイメージに取り込まれていきます。

また、西洋にも「フェニックス」という伝説の不死鳥が存在しますが、こちらは雌雄つがいの鳳凰とは異なり、雄のみの単性で、何度も復活するという特徴を持っています。

紀元前5世紀にヘロドトスが書いた『歴史』における記述では、フェニックスの外観は鷺(サギ)に近いとされていて、孔雀のような外観の鳳凰より、水鳥(サギ)のような見た目の古代エジプトの「霊鳥ベンヌ」が起源として近いのではないかと考えられています。

しかし、こういった特徴や外観は後世になってつくりあげられたものなので、鳳凰とフェニックスが神話学的に同一起源ではないと、必ずしも言い切ることはできません。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

では、最後に内容をおさらいしましょう。

良質な木材として日本人に馴染み深い「桐(キリ)」は一般的にノウゼンカズラ科に分類される。

高貴の象徴でもある「桐」は天皇に尊ばれ、「五三桐・五七桐の桐紋」として皇室の紋章や装飾に広く用いられている。

中国の伝説上の「鳳凰(ほうおう)」は、聖天子の出現を予言する神聖な瑞鳥で、もともとは雄と雌のつがいを意味していた。

イランの「シームルグ」、西洋の「フェニックス」、古代エジプトの「ベンヌ」など、世界各地には様々な聖なる鳥が存在し、それらは鳳凰と何かしらの関係を持つと考えられている。

「桐」と「鳳凰」は身近なもので言うと、10円硬貨の「平等院鳳凰堂」や500円硬貨の「五七桐」などに描かれていて、日本人にとってとても馴染み深い存在であることが分かります。

特に「桐紋」は「菊紋」と同じくらいに日本国政府に尊ばれた紋章なので、教養としてぜひ覚えておいてほしいところです。

 最後までお読みいただき
 ありがとうございました 

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