
こんちにちは、
りんとちゃーです。
気温が高くなって、桜の開花が待ち遠しくなる時節となりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
新年度である「4月」は、新入生や新社会人にとっての新しい生活のスタートとなる時期でもあります。
そんな始まりの時節「4月」には、桜の花を愛でて宴を開く「お花見」や、お釈迦様の生誕を祝う「花祭り」など、花(桜)にまつわる行事が催されます。
記事では、以下のことをまとめています。
■花見とお茶菓子(花見団子・桜餅)の由来
■花祭りについて
■2022年4月のカレンダー【付録】
花(桜)に関する雑学を学んで、花見の席の話のネタにしましょう。
花見
古くから日本人に親しまれてきた春の定番行事の「花見」。
奈良時代までは、花と言えば「梅」のことを指し、今のように「桜」を愛でるようになったのは平安時代からだと言われています。また、現在では桜を見ながら宴を楽しむというスタイルが通例となっていますが、この形式も江戸時代に庶民の間で広まったものが起源だとされています。
そんな「花見」のお供として欠かせないのが、お茶菓子の「花見団子」と「桜餅(さくらもち)」。
以下にそれぞれの由来や種類をまとめましたので、順に見ていくことにしましょう。
花見団子
「花見団子」の誕生のルーツは、豊臣秀吉が行った「醍醐(だいご)の花見」という宴会にあり、これは、京都の醍醐寺の山麓に700本の桜を植樹し、1300人もの人を招いて盛大な酒宴を開くというものでした。
この花見の席のお茶菓子として振る舞われていたのが「花見団子」で、広く一般の人に食べられるようになったのは江戸時代中頃だと言われています。
花見団子の桜・白・緑(●◯●)の3色にはそれぞれ意味があり、桜●は春の桜の花、白◯は冬の雪、緑●は夏の新緑を表しています。(※季節の秋だけが存在しないことから、「秋ない=飽きない」のダジャレが含まれているという説があり)
また、一般的な花見団子は、串の先から桜・白・緑(-●◯●‐)の順に刺さっていますが、これは桜のつぼみ【●】▶桜の花【◯】▶葉桜【●】という桜の木の変化を表現していると言われています。
桜餅
「桜餅」には、道明寺粉を蒸した餅(もち)生地のものと、小麦粉を薄く伸ばして焼いた生地のものの二種類があり、それぞれ関西風・関東風と呼ばれています。
以下は、関西風と関東風の桜餅の簡単なまとめになります。
●関西風・・もち米を原料とする道明寺粉で作った皮であんを包み、塩漬けした桜の葉を巻いたもので、別名「道明寺(どうみょうじ)」と呼ばれる。全国的に広く普及しているのがこの関西風(道明寺)の桜餅。
●関東風・・食紅で染めた小麦粉の生地をクレープ状にした皮でこしあんを包み、塩漬けした桜の葉で巻いたもの。江戸時代に長命寺(ちょうめいじ)の門番をしていた山本新六(やまもとしんろく)が門前でこの桜餅を販売していたことから「長命寺」と呼ばれている。
ちなみに、桜餅に巻かれている桜の葉は、葉の大きいオオシマザクラという品種のもので、香り付けや乾燥予防、雑菌の繁殖を防いだり、塩味を付けるという役割があります。
■豆知識「ソメイヨシノはクローン桜」
街路沿いや公園でよく見かける、私たちに馴染み深い桜のソメイヨシノは、江戸時代に「オオシマザクラ」と「エドヒガシザクラ」を品種改良してできた交雑種で、全国の桜の8割を占めています。ちなみにこのソメイヨシノ、同じ原木を接ぎ木で増やしたクローン桜にあたり、全て同じ遺伝子を持っています。そのため、同じ地域にあるソメイヨシノは、春になるとまるで口裏を合わせたかのように同時に開花するのです。
花祭り
「花祭り」は、4月8日のお釈迦様の誕生日を祝う行事で、別名「灌仏会(かんぶつえ)」「降誕会(こうたんえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」と呼ばれています。
お釈迦様には、誕生の際に、空から甘露(かんろ)の雨が降り、香気とともに花びらが舞って、四天王や天女が降りてきたという伝説があり、これにちなんで、お寺では、境内に色とりどりの花を飾った花御堂を作り、お堂の水盤の上にお釈迦様の誕生仏を設置。参拝者がこの像の頭上に杓子で甘茶(※1)を注いで拝むというのが習わしとなっています。
(※1)甘茶(あまちゃ)・・ユキノシタ科のアマチャヅルの葉を乾燥させて煎じたお茶のことで、お釈迦様生誕時の「甘露の雨」を表している。苦しみを和らげ、死者を蘇らせる霊力を秘め、参拝者はこれを竹筒や瓶に入れて持ち帰って飲んでいた。
「花祭り」の発祥地はインドで、日本には奈良時代に伝来。当時はお釈迦様の像に「5種の香水」を注いでいましたが、江戸時代になってからは代わりに「甘茶」を注ぐようになりました。
また「花祭り」は、長野・愛知・静岡で行われている「霜月神楽(しもつきかぐら)」を指すこともあり、「霜月神楽」とは花神楽と呼ばれる神前で演じる舞楽の一種のことです。「霜月」とあるように、かつては「旧暦11月」に催され、現在では主に「1月初旬」に行われています。
4月のカレンダー【付録】
最後に、付録として2022年度4月(晩春・旧暦3月【弥生】)の行事・祝日・二十四節気・記念日などが分かるカレンダーを載せておきました。日々の生活にお役立てください。
【国民の祝日】
●昭和の日【4/29】・・激動の日々を経て復興を遂げた、昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日。もともとは「天皇誕生日」で、1999年から「みどりの日」に。その後の2007年に「昭和の日」に変更になった。
【二十四節気】
●清明(せいめい)【4/5】・・「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」を略した言葉で、春の浅い時期の清らかで生き生きした様子を表す。鳥がさえずり、菜の花が咲き始める春たけなわの時候。
●穀雨(こくう)【4/20】・・春の終わりの時候。けむるような春雨が降って、田畑をうるおし、穀物の生長を助けてくれることが名の由来。この時期に降る長雨は、旬の菜の花にちなんで「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼ばれている。
【記念日】
●エイプリルフール【4/1】・・毎年4/1に行われる、罪のないウソやいたずらで笑わせても良いという風習。大正時代に欧米から伝わった。
●いんげん豆の日【4/3】・・1673年4月3日に中国からいんげん豆を持ってきた隠元(いんげん)禅師の命日にちなんで規定。
●あんぱんの日【4/4】・・お花見用のお茶菓子として、1875年(明治8年)4月4日に明治天皇にあんぱんが献上されたことにちなむ。
●コンビーフの日【4/6】・・1875年(明治8年)のこの日に、「コンビーフ」の台形の缶がアメリカで特許登録された。
●十三参り【4/13】・・旧暦3/13に行われる13歳になる男女を祝う日。晴れ着をまとって観音様をお参りし、健やかな成長を祈願する。法輪寺(京都)や浅草寺(東京)が有名。
●オレンジデー【4/14】・・バレンタインデー、ホワイトデーで愛を確認した2人が、その愛をより確かなものにする日。愛媛の柑橘農家が、オレンジに関する風習を広く楽しんでもらおうとして発案。
●よい歯の日【4/18】・・「よ(4)い(1)歯(8)」の語呂合わせから、「いつまでも美味しく食事をとれるよう、口の中の健康を保ってもらいたい」という願いを込めて日本歯科医師会が制定。
【その他】
●時候の花・・牡丹(ぼたん)、れんげ草、山吹(やまぶき) など
●旬の菜と魚・・たらのめ、たけのこ、かつお、あさり など
●4月の童謡・唱歌
『さくらさくら』(日本古謡/日本古謡)【Key:Bm】
『花』(作詞:武島羽衣/作曲:滝廉太郎)【Key:G】
おわりに
今回の記事では、花見の由来や桜餅の地域による違い、クローン桜や花祭りなどの雑学を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
個人的に、花見団子というシンプルな素材に、四季の移ろいや桜の成長といったメッセージが込められているところに、昔の人の小粋さやセンスを感じました。
花見の席で団子が出た際に、それぞれの色の由来に思いをはせながら食べると、また違った味わいを覚えるかも知れませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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