【暦の基礎】「二十四節気・五節句・雑節」で知る季節の移ろい|先人たちの生きる知恵

2022年カレンダー(暦)暦・年中行事
The March 2022 desk calendar with wooden pencil.

 こんちにちは、

 りんとちゃーです。

季節の変化や風物詩を伝えてくれる、日々の暮らしの羅針盤ともなる「暦(こよみ)」。

「暦」には、「二十四節気(にじゅうしせっき)」「五節句(ごせっく)」「雑節(ざっせつ)」など、かつての日本で使われていた暦日が載せられていて、日付だけではつかみきれない細かな季節の移ろいを知ることができます。

記事では、以下のことをまとめています。

「二十四節気」「五節句」の解説と一覧表

9種類の「雑節」の詳細まとめ

先人たちの生きる知恵を学んで、日々の暮らしを豊かなものにしていきましょう。




二十四節気(にじゅうしせっき)

「二十四節気(にじゅうしせっき)」は、「太陰暦(たいいんれき)」と「太陽暦(たいようれき)」の誤差を解消するために古代中国で考案された季節区分で、1年を24の季節【12の節気と12の中気(一つの季節は15日)】に分割。農作業や年中行事など、さまざまな場面で利用されてきました。

●太陰暦(たいいんれき)・・月が地球の周りをまわる周期(月の満ち欠け)を基準にした暦法。

●太陽暦(たいようれき)・・地球が太陽の周りをまわる周期を基準にした暦法。「新暦」「陽暦」とも言い、世界標準の暦となっている。

▼太陰暦・太陽暦について詳しく知りたい方はこちら▼
【暦の基礎②】「太陰暦・太陰太陽暦(旧暦)・太陽暦(新暦)」の違いと日本の暦

この「二十四節気」の各季節を、さらに「初候」「次候」「末候」の3つに分けたもの「七十二候(ななじゅうにこう)」で、主にその地域の動植物や自然現象の変化・漢詩などで表されています。

以下は、「二十四節気」の一覧表になります。

二十四節気イラスト図

立春(りっしゅん)【2/1頃】・・春のはじまり。立春を過ぎてから吹く強い風を「春一番」という。
雨水(うすい)【2/19頃】・・雪が雨に変わる頃。降り積もった雪が溶け出すという意味。
啓蟄(けいちつ)【3/6頃】・・「啓」はひらく、「蟄」は土の中の虫の意味。大地があたたまって目覚めた虫たちが起き出す頃。
春分(しゅんぶん)【3/21頃】・・昼夜の長さがほぼ同じになる日。「春分の日」の前後3日間を「春彼岸」という。
清明(せいめい)【4/5頃】・・「清浄明潔」の略。花が咲き、空が澄み、爽やかな風が吹く、春の息吹を感じはじめる頃。
穀雨(こくう)【4/20頃】・・春の雨に農作物が潤うという意味。
立夏(りっか)【5/6頃】・・夏のはじまり。この日から立秋の日までを夏とする。
小満(しょうまん)【5/21頃】・・陽気が満ちて、草木が生い茂るという意味。
芒種(ぼうしゅ)【6/6頃】・・芒はイネ科植物の穂先のこと。稲などの穀物の種をまく時期。
夏至(げし)【6/21頃】・・一年で最も昼が長い日。暦の上では、夏の折返し地点にあたる。
小暑(しょうしょ)【7/7頃】・・だんだん暑さが増してくるという意味。小暑と大暑を合わせた一ヶ月を「暑中」という。
大暑(たいしょ)【7/23頃】・・夏の暑さが本格的になるという意味。土用の丑の日がある時期。
立秋(りっしゅう)【8/7頃】・・秋のはじまり。秋の気配がただよう頃。
処暑(しょしょ)【8/23頃】・・暑さがおさまるという意味。
白露(はくろ)【9/8頃】・・草花に露(つゆ)がつきはじめる頃。
秋分(しゅうぶん)【9/21頃】・・昼夜の長さが同じになる日。「秋分の日」の前後3日間を「秋彼岸」という。
寒露(かんろ)【10/8頃】・・草木に冷たい露が降りるという意味。
霜降(そうこう)【10/23頃】・・早朝に霜(しも)が降りはじめる頃。
立冬(りっとう)【11/7頃】・・冬のはじまり。木枯らしが吹き、冬の訪れを感じる頃。
小雪(しょうせつ)【11/22頃】・・木々の葉が落ち、初雪が舞い散る頃。
大雪(たいせつ)【12/7頃】・・山に雪がかぶり、平地に雪が降る頃。本格的な冬の到来にそなえて、動物たちが冬ごもりをはじめる時期。
冬至(とうじ)【12/22頃】・・一年で最も冬が短い日。かぼちゃ・ゆず湯などで無病息災を願う。
小寒(しょうかん)【1/5頃】・・別名「寒の入り」。小寒と大寒を合わせて「寒中」という。
大寒(たいかん)【1/20頃】・・寒さが最も厳しい時期。寒さを利用して酒や味噌などを仕込む。




五節句(ごせっく)

春の七草

「五節句(ごせっく)」は、中国の唐の時代に作られた暦の一つで、「節句」とは、年中行事を行う季節の重要な「節目」を表す言葉です。

奈良時代に日本に伝わり、平安時代に宮中行事として定着。江戸時代に公的な行事を行う祝日と定められ、庶民の間にも広く浸透しました。明治時代の改暦によって廃止されましたが、日付はそのまま新暦に適応され、現在でも年中行事として日々の暮らしに根付いています。

中国の陰陽学において、「奇数」良いことをあらわす「陽数」を「偶数」悪いことをあらわす「陰数」を意味し、奇数(陽数)の重なる日は、めでたい反面で不吉なことが起きる日だと考えられていました。

そのため、奇数の重なる旧暦の月日(1/7・3/3・5/5・7/7・9/9の5つの節句)に、それぞれの季節の植物を用いて邪気払いを行うようになったのです。

以下は、「五節句」のいわれのまとめになります。

人日(じんじつ)の節句(1/7)・・別名「七草の節句」。古来中国で1/7に「人」を占ったことから「人日」と呼ばれている。邪気払いと薬効のある七草粥を食べて無病息災を祈願する。
上巳(じょうし)の節句(3/3)・・別名「桃の節句」。旧暦3月の最初の巳(み)の日を上巳と言い、古代中国ではこの日に穢れを浄め、邪気を払う風習があった。女の子の健やかな成長を祝う日で、お雛様を飾って桃の花や菱餅を供える。

▶▶関連記事:【3月行事】ひなまつりと上巳(じょうし)の節句|ひなの雑学で灯す知識のぼんぼり」
端午(たんご)の節句(5/5)・・別名「菖蒲(しょうぶ)の節句」。「端午」とは月の初めの午(うま)の日のことで、5月のこの日に薬草の菖蒲を使って邪気払いをする習わしがあった。男の子が勇ましく丈夫に育つことを願う日で、粽(ちまき)や柏餅を食べて鯉のぼりをあげる。
▶▶関連記事:【5月行事】端午(たんご)の節句と八十八夜|こいのぼり・柏餅・ちまきの雑学
七夕(しちせき)の節句(7/7)・・別名「笹の節句」。織姫と彦星が一年に一度この日に出会うという古代中国の故事にちなんだ暦。天に伸びる神聖な笹に短冊を結んで願いを託す。
▶▶関連記事:【7月行事】七夕の節句と土用の丑の日|織姫・彦星伝説とうなぎの風習
重陽(ちょうよう)の節句(9/9)・・別名「菊の節句」。古代中国で、この日に長生きの効能のある菊酒を飲んで不老長寿を願うという風習があった。盃に菊の花を浮かべたお酒を飲んだり、菊の花を鑑賞したりする。

▶▶関連記事:【花札9月】「菊に盃(さかずき)」で汲み取る知識の雫|菊花紋章と重陽の節句

なお「五節句」の各節句は、旧暦の日付をそのまま新暦に移したものなので、当時と今とでは季節感にズレがあります。

たとえば、人日の日(1/7)には七草が生えておらず上巳の日には桃が咲いていません。(本来なら人日の日は2/7頃、上巳の日は4/3頃に行うべき)





雑節(ざっせつ)

中国の黄河流域の気候に基づいた区分法の「二十四節気・七十二候」には、日本の気候とは合わない名称・時期があり、それを補うため、日本では独自の季節区分の「雑節(ざっせつ)」が設けられることになりました。

この「雑節」は農作業の目安ともなる日で、全部で9種類あります。

では、それぞれの「雑節」を順に見ていきましょう。

節分(せつぶん)【2/3頃】

「節分(せつぶん)」「立春」の前日で、「大寒(だいかん)」から数えて15日目のことです。この日はちょうど旧暦の「大晦日(おおみそか)」にあたり、新年の邪気を払うため、古くから宮中では「追儺式(ついなしき)」(※2)と呼ばれる年中行事が行われていました

この「追儺式」を起源に、現在でも「節分」の日に豆をまいたり、柊鰯(ひいらぎいわし)を玄関に飾ったりします。

(※2)追儺式(ついなしき)・・大晦日の日(=新暦2/3頃)に宮中で行われた年中行事。身分の高い貴族が、桃の弓や葦(あし)の矢を持って鬼に扮した家来たちを追いかけ、邪や厄を払った。

彼岸(ひがん)【春:3/18~24頃、秋:9/20~26頃】

「彼岸(ひがん)」は、もともとは日本独自の仏教祭事があった日で、春分の日を真ん中にはさんだ7日間(春彼岸)と、秋分の日を真ん中にはさんだ7日間(秋彼岸の2回に分けられます。

この期間にお寺では、「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる法事・仏事が行われ、一般の人々では先祖に墓参りに行く習わしがありました。

彼岸に欠かせないお供え物が「ぼた餅」「おはぎ」で、「春彼岸」には春の花の「牡丹(ぼたん)」にちなんで「ぼた餅」を、「秋彼岸」には秋の七草「萩(はぎ)」にちなんで「おはぎ」をお供えします。

一般的な「ぼた餅」は「こしあん」、「おはぎ」は「つぶあん」で、小豆(あずき)には邪気払いの効果があるとされています。

社日(しゃにち)【春:春分に最も近い戊の日、秋:秋分に最も近い戊の日】

「社日(しゃにち)」は、春と秋の2回あり、春の社日は「春社(しゅんしゃ)」、秋の社日は「秋社(しゅうしゃ)」と呼ばれています。

「春社」は「二十四節気」の「春分」に最も近い戊(つちのえ)の日で、「秋社」は「二十四節気」の「秋分」に最も近い戊の日です。

「社日」の「社」は、「産土神(うぶすながみ)」(※3)を意味し、「春の社日」には五穀の種を供えて豊作を祈願。「秋の社日には作物の収穫に感謝してお参りをします。

(※3)産土神(うぶすながみ)・・「産土」とは生まれた土地という意味で、その土地を守護してくれる神さまのこと。

また「社日」は、土地の神さまの日であるため、土をいじったり掘りおこされたりすることが禁忌とされています。

八十八夜(はちじゅうはちや)【5/2頃】

緑茶と茶葉

「八十八夜(はちじゅうはちや)」は、立春から数えて88日目のことで、遅い霜で作物が無駄にならないよう注意を促してくれる日でもあります。

この日に摘んだ「新茶」には無病息災・不老長寿の効能があるとして、昔から縁起物として重宝されてきました。

入梅(にゅうばい)【6/11頃】

「入梅(にゅうばい)」は、梅雨(つゆ)に入る最初の日のことです。暦の上では6/11が「梅雨入り」ですが、時期が一定でないため、気象庁が宣言を出した日が実際の「梅雨入り」になります。

「入梅」は、梅を収穫して加工する時期にあたり、古くから梅酒やシロップ、梅酢、梅ジャムなどの保存食が作られてきました。

半夏生(はんげしょう)【7/2頃】

「半夏生(はんげしょう)」「夏至」から数えて11日目のことで、ちょうど夏の中間にあたります。小麦の収穫時期でもあり、近畿・中国地方には、この日に小麦の団子を食べる「半夏団子(はんげだんご)」という習わしがあります。

ちなみに「半夏」とは、畑などに生える青菜のことで、和名を「烏柄杓(からすびしゃく)」と言います。茎の部分が漢方薬に使われ、咳止めやつわりの効能があるとされています。

土用(どよう)【7/20頃~8/7頃】

お重に入ったうなぎ

「土用(どよう)」は、「二十四節気」の立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を指す言葉で、本来ならば四季それぞれに「土用」があります。しかし現在ではとりわけ、「土用」の丑の日にうなぎを食す「夏の土用」を指すことが多いようです。

「土用」は、季節の変わり目となる日で、体調を崩しやすく、「夏の土用」には夏バテ予防のため、「うなぎ」をはじめとした「う」のつく食べ物(馬肉・梅干し・うどんなど)が好んで食されてきました。

二百十日(にひゃくとおか)【9/1頃】

「二百十日(にひゃくとおか)」「立春」から数えて210日目のことで、天候が荒れやすく、「八朔(はっさく)」(※4)「二百二十日(にひゃくはつか)」とともに、「三厄日(さんやくび)」として昔から恐れられてきました。

(※4)八朔(はっさく)・・「朔」とは1日(ついたち)を意味する言葉で、8月1日の旧暦名のことを指す。強い風が吹きつけ、稲に大きな被害が及ぶ日とされた。

稲がちょうど開花する時期にあたり、作物が台風の被害を受けないようにと警戒を促す意味合いがあります。また、地域によっては、風を鎮めて作物を守る「風祭り」の行事が行われたりします。

二百二十日(にひゃくはつか)【9/11頃】

「二百二十日(にひゃくはつか)」「立春」から数えて220日目のことで、「二百十日」よりも台風被害に遭いやすい日だとされていました。

過去に大きな被害をもたらした台風のほとんどが、この二百二十日~9月下旬に起きたものです。(下記参照)

室戸(むろと)台風【昭和9年9月21日】
枕崎(まくらざき)台風【昭和20年9月17日】
伊勢湾(いせわん)台風【昭和34年9月26日】

なお、「台風」は、強い風が野の草を吹き分ける様子から、かつては「野分(のわき)」という名称で呼ばれていました。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

今のような電気や天気予報のない時代において、人々が天候の変化や季節の移り変わりを把握するのは、そう簡単なことではありませんでした。

そこで考案されたのが「二十四節気」「五節句」「雑節」などの農作業や行事の目安となる「暦日」で、これを指針とすることで、人々は日々の暮らしをより豊かなものにしてきました。

先人たちが古来から培ってきた、生きる知恵とも言える「暦日」。現代の生活の中に上手く取り入れて、季節の変化に寄り添った毎日を送りたいものですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました