
こんにちは、
りんとちゃーです。
気温の寒暖差が激しかったり、季節外れの長雨が降ったりと、体調を崩しやすい日々が続きますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
来月6月は恒例の梅雨入りシーズン。
雨の中の色鮮やかなアジサイが目にとまるこの時節には、衣替えや夏越の祓(なごしのはらえ)など、本格的な夏に備えての行事がいくつか催されます。
記事では、以下のことをまとめています。
■衣替えと夏越の祓について
■2023年6月のカレンダー【付録】
6月の行事を学びながら、暑い夏に向けて心と体の準備を整えましょう。
衣替え・更衣
春の衣服から夏物に替える「衣替え」は平安時代からあった慣習で、4月と10月の朔日(=4/1と10/1)に、宮中において厄除け・お払いの意味を兼ねて行われていました。
当時の「衣替え」は「更衣(こうい)」と呼ばれていて、それと同じ名が宮中の役職にもあったことから、後に呼び名が変わることになります。また、4月朔日(=4/1)の「衣替え」は、綿入りの衣服から綿を抜いたことにちなんで、別名「綿貫(わたぬき)」と呼ばれています。
江戸時代になると、幕府によって「年4回の衣替え」(※1)が制度化。季節の服装で勤めに出ることが義務付けられました。
(※1)4/1~5/4は裏地のある「袷(あわせ)」、5/5~8/末は裏地のない「帷子(かたびら)」、9/1~9/8は「袷」、9/9~3/末は防寒用の「綿入り衣服」を着用。
和服から洋服へと生活スタイルが変化した明治時代には、6/1を夏の衣替え、10/1を冬の衣替えの目安とするようになり、その風習が現在になってもなお続いています。
■豆知識『クールビズ』
6/1~9/末までの4ヶ月間は、冷房節約のため、ノーネクタイ・ノージャケットなどの涼しい姿でオフィスで働くことが推奨されています。地球温暖化対策の一環として、環境省が2005年に冷房時の室内の適正な温度管理(28℃を目安)を推進。その室温でも快適に過ごせる服装として「クールビズ」が生まれました。
夏越の祓(なごしのはらえ)
別名「夏越神事(なごししんじ)」「水無月祓(みなづきばらえ)」と呼ばれる「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、一年の半分にあたる節日(=6/30)に宮中や神社で執り行われる行事で、「年越の祓(としこしのはらえ)」(=12/31)と並ぶ「大祓(おおはらえ)」(※2)の一つでもあります。
(※2)大祓・・イザナギノミコトの禊ぎ(みそぎ)祓いを起源とする神事。日常の中で付着した心身の穢れや厄を払い清めるために、宮中や神社で毎年12/31と6/30に執り行われている。12/31を「年越の祓」、6/30を「夏越の祓」と言う。
この「夏越の祓」では、茅の輪(ちのわ)をくぐって(※3)残り半年の無事を祈願し、半年分の厄や穢れを清め落とします。
(※3)茅の輪くぐり・・神社の拝殿や参道の鳥居などに茅萱(ちがや)で編んだ直径数メートルの輪を作り、それをくぐることで厄や穢れを払い清めた。「水無月の夏越の祓をするひとは、千歳の命延ぶといふなり」と唱えながら、8の字に3回くぐり抜けるのが作法となっている。
6月のカレンダー【付録】
付録として2023年度6月(仲夏・旧暦5月【皐月】)の行事・祝日・二十四節気・記念日が分かるカレンダーを載せておきました。日々の生活にお役立てください。
【二十四節気】
●芒種(ぼうしゅ)【6/6】・・二十四節気の一つ。稲や麦などの芒(のぎ)のある穀物を植える時期。芒とは、イネ科植物の実の外穀にあるトゲのような突起のこと。
●夏至(げし)【6/21】・・夏のちょうど真ん中。北半球で最も昼が長くなる日。農家では田植えの繁忙期となる。中国では、この日に邪気払いのためにちまきを食べる風習があり、日本では太陽の恵みに感謝して、夏の到来を祝う「夏至祭り」が一部地域で行われている。
【五節句・雑節】
●入梅(にゅうばい)【6/11】・・梅雨に入る最初の日のことで、暦の上では6/11が「梅雨入り」となる。「入梅」は、梅を収穫して加工する時期にあたり、古くから梅酒や梅ジャムなどの保存食が作られてきた。
【記念日】
●麦茶の日【6/1】・・6月が麦茶の原料である大麦の収穫期にあたり、麦茶の季節の始まりであることから、1986年に全国麦茶協同組合が制定。
●氷の日【6/1】・・旧暦6/1の「氷室の節会(ひむろのせちえ)」(=氷室から氷を切り出して臣下に配る宮中の習わし)にちなんで、日本冷凍倉庫協会が制定。
●ミルクキャラメルの日【6/10】・・1913年のこの日に、森永製菓株式会社が初めてミルクキャラメルを発売したことに由来する。
●麦とろの日【6/16】・・む(6)ぎとろ(16)の語呂合わせに加えて、栄養価の高い山芋を使った「麦とろご飯」で暑い夏を乗り切ってもらおうと、「麦ごはんの会」が制定。
●父の日【6/18】・・6月の第3日曜日。アメリカ・ワシントン州のドット夫人が、母親が亡くなった後、男手一人で自分を育ててくれた父親に感謝する日を作って欲しいと牧師教会に嘆願。そのことがきっかけで生まれた記念日。
●ペパーミントの日【6/20】・・20日(はっか)の語呂合わせから、ペパーミント(はっか)の産地である北海道北見市まちづくり研究会が制定。
●冷蔵庫の日【6/21】・・冷蔵庫が最も活躍する梅雨から夏への節目の日(=夏至)にあたることにちなんで、日本電機工業会(JEMA)が制定。
●かにの日【6/22】・・星座のかに座が6/22始まりであることと、日本語の五十音順で「か」が6番目、「に」が22番目になることに由来して、大阪の「かに道楽」が1990年に制定。
【その他】
●時候の花・・あじさい、しょうぶ、花しょうぶ など
●旬の菜と魚・・ズッキーニ、セロリ、新ごぼう、アユ、マアジ、キス など
●6月の童謡・唱歌
『あめふり』(作詞:北原白秋/作曲:中山晋平)【Key:D】
おわりに
いかがでしたでしょうか。
祝日や大きな行事日がなく、梅雨入りで天候に恵まれない6月は、気分的に晴れ晴れしない時節でもあります。とは言え、翌月7月になると季節は本格的な夏。気候の変化に順応するためにも、今のうちから準備をしておかなくてはいけません。
衣替えに湿気・暑さ対策など、万全を期して一年の半分を折り返したいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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■【2023年(令和5年)】年中行事・イベントカレンダー
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