ドラマ「イチケイのカラス」名言集|セリフで振り返る名場面【入間みちお語録】

本棚を背景にして、机の上に広げられた見開きの分厚い本 ドラマ名言・名セリフ集

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

堅物で合理的な坂間千鶴(黒木華)と自由奔放で型破りな裁判官・入間みちお(竹野内豊)がタッグを組み、合議制の裁判に挑む「イチケイのカラス(通称:イチケイ)」。

記事では、そんなドラマの名場面・名シーンを思い出せるように、以下のことをまとめました。

ドラマ情報(基本情報と登場人物)

各話ごとの名言・名セリフ

ドラマ内で登場した気になる用語の解説

それでは、ドラマの名言・名セリフとともに内容を振り返ってみましょう。




ドラマ情報

基本情報

イチケイのカラス

――フジテレビ系 月曜夜9:00 2021年4月5日~6月14日まで放送

公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/ichikei/
原作:「イチケイのカラス/浅見理都」
「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC刊)
【Amazon.co.jp】「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC刊)

主題歌:Starlight/WGB(和楽器バンド)
▶公式MV:https://youtu.be/Wta3oRzlQ6g
脚本:浜田秀哉
音楽:服部隆之
プロデュース:後藤博幸、有賀 聡、橋爪駿輝
編成企画:高田雄貴
演出:田中 亮、星野和成、森脇智延、並木道子
視聴率
・第1話(13.9%)・第7話(13.6%)
・第2話(10.5%)・第8話(11.7%)
・第3話(12.7%)・第9話(10.5%)
・第4話(12.4%)・第10話(12.7%)
・第5話(12.3%)・最終話(13.9%)
・第6話(13.4%)
――ビデオリサーチ調べ

登場人物(キャスト)

坂間 千鶴【さかま ちづる】(黒木 華)・・東京地裁第3支部の第一刑事部(通称:イチケイ)に配属された裁判官。何事も合理的に考えるタイプ(いわゆる堅物)で、仕事を機械的にこなす。
入間 みちお【いるま みちお】(竹野内 豊)・・常識にとらわれない型破りなスタイルで事件の真相を調べ上げるくせ者裁判官。千鶴とは対照的なゆるい性格で、ふるさと納税の返礼品を集めるのが趣味。
駒沢 義男【こまざわ よしお】(小日向 文世)・・刑事部の部長。東大法学部出身。現代の司法を立て直すために、入間に裁判官になるよう勧める。入間には『たぬきおやじ』と呼ばれている。
石倉 文太【いしくら ぶんた】(新田 真剣佑)・・書記官で元傍聴マニア。みちおの大ファンで、彼の話を最前列で見るために書記官の職に就いた。家はそば屋。千鶴に好意を持っている。
川添 博司【かわぞえ ひろし】(中村 梅雀)・・第一刑事部の主任書記官。趣味はギター。いつも入間に振り回され、そのことで頭を悩ませている。
日高 亜紀【ひだか あき】(草刈 民代)・・日本に15人しかいない最高裁判所の裁判官の一人。通称『女帝』。千鶴と同郷で、地方研修所の教官を務めていた。
井出 伊織【いで いおり】(山崎 育三郎)・・上司である城島とともに行動する第三支部の検事。冷静沈着な性格で、美形を利用して女性を色仕掛けで落とす。
城島 怜治【じょうしま れいじ】(升 毅)・・第三支部主任検事。井手の上司で部長の駒沢とは司法修習時代の同期。
青山 瑞希【あおやま みずき】(板谷 由夏)・・入間と同じ弁護士事務所の同僚だった女性弁護士。入間とは『みずき・みちお』で呼び合うほどの親しき仲で、犬の「みちこ」の元飼い主でもある。




名言・名セリフ一覧

黒い羽毛と鋭いくちばしを持つカラス

第1話(型破りの裁判官VS堅物エリート裁判官!)

「僕はこう思うな。裁判官として大事なのは、話を聞いて聞いて聞きまくって、悩んで悩んで悩みまくって、一番いい答えを決めること、違うかな?

君は裁判官として優秀なんだろうねぇ。でも、悩まないことに悩むことになるよ。」

「裁判官として大事なのは、事件を手早く処理して『黒字』にすることだ」と主張する千鶴(黒木華)に対して言った入間(竹野内豊)のセリフ。

▶▶機械的に仕事をこなす千鶴を強く批判する言葉です。悩まないことに悩むというのは、裁判の場に感情を持ち込まないことで起こる『悩み』を指すのでしょうか。この言葉には、どうやら彼の過去が関係しているようです。

被告人の長岡さんは真実が明かされない『苦しみ』を。あなたの娘さんは真実を言えない『苦しみ』を。そして、あなた自身も『苦しみ』を抱えている。

裁判が終わればその『苦しみ』は永遠に続きます。僕は、裁判官として放っておけないんです。」

自分のせいで長岡の父親・洋一郎が亡くなったことに苦しむ菜々と、父の死の真相が明らかにならないことに苦しむ息子の誠(萩原利久)。

そんな2人の状況を目にした入間が、相馬真弓にもう一度証言してもらえるように説得する時に言ったセリフ。

▶▶鋭い観察力を持ち、人の心情を汲み取るのが得意な入間には、周囲の人間の苦しみが人一倍よく分かるみたいです。この言葉をきっかけにして、相馬真弓は真実を証言することになります。

第2話(バディ誕生幼きわが子を虐待!SNSで人気の母親に下す判決!)

「裁判官が一番やってはいけないことは何だと思いますか?

・・答えは『間違える』ことです。

人が人を裁く上で、決して間違ってはいけない。」

自身の判決をくつがえそうとする入間たちに圧をかけて言った香田裁判官(馬場徹)のセリフ。

▶▶判決がくつがえることは絶対にあってはいけないという、彼の信念が込もった言葉です。ただ個人的には、この言い分にあまり賛同できません。

 

人である以上、間違いは起こりうるものですし、裁判官としての威信を守るために前言を撤回しないスタンスには正直疑問を感じます。実際、入間も同じ考えだったのか、物語の後半にこの言葉が再度持ち出されることになります。

「『神の手ゴール』を裁判に置き換えると、マラドーナ自身は真実を知っており、そんな彼に裁判所は判決を言い渡さないといけない。

僕たちは被告人を裁いているように見えて、実は僕たちが裁かれている。

こんな裁判所の仕事、面白いと思わない?」

たとえ話として引用された『マラドーナのエピソード』の最後に付け加えた入間のセリフ。

▶▶真実を明らかにする立場の裁判官が、逆に真実を知る人間によって、その真実がねじまげられていないか試され、見極められる。裁く者・裁かれる者の逆転ともとれる内容がとても興味深かったです。




第3話(伝説の裁判官が暴走 凶悪犯の愛)

「誰と出会うかで人生は変わる。生きてみないとそれは誰にも分からない。」

被告人・藤代省吾(岡田義徳)が、自分の人生を変えてくれた人物・野上奈緒(佐津川愛美)のことを指して言ったセリフ。

▶▶野上奈緒との出会いで人生が変わった被告人の藤代省吾や、入間と出会って何かが変わりつつある千鶴で示されるように、『出会い』には自分ではどうにもならないことを変革させる大きな『力』があるみたいです。

「私はあなたを疑った。でも疑って良かった。

信じることは相手を疑ってはじめてできること。あなたを疑い、あらためてあなたのことを知った。あなたならやり直せる。私はそう信じています。」

裁判後、拘置所面会室の藤代省吾に向けて言った駒沢(小日向文世)のセリフ。

▶▶疑うことと信じることは共存し得ないものと思っていましたが、駒沢の「疑うことではじめて相手を信じられる」の言葉を聞いて、改めて「信じるとは何か」について考えさせられました。

第4話(17歳の少年が5千万円を強奪)

「裁判はオセロなんですよ。白を黒に、黒を白にすることもできる。」

4話で登場する、東京ドリームランド遊園地側が雇った顧問弁護士・稲垣司(前川泰之)のセリフ。

▶▶人の人生を左右する裁判が、まるでゲームのようにもて遊ばされている事実。ビジネス・お金の道具として法律を利用する彼の考え方にはどうしても共感できません。

「人生は思い通りにならないことのほうが多い。努力してもどうあがいてもどうにもならないことがあります。

それでも自分の人生をなげうってはいけない。いかなる理由があってもあなたは罪を犯してはいけなかった。あなたの苦しみ、憤りは受け止めます。

そして願っています。いつかあなたが、あなたたちが、手を取り合い前を向いて生きていくことを。

そして、つらい経験があったからこそ今があると、そう思える日が来ることを、心から願っています。」

裁判長として少年事件の判決を下すことになった千鶴が、被告人・望月博人(田中偉登)にあてたメッセージ。

▶▶少年事件の裁判長を担当し、被告人の心に寄り添ってきた千鶴。そんな彼女が感情を抑えて言ったこのセリフには、機械には決して真似できない、人にだけある「想い」があるように感じました。




第5話(初恋のバレリーナが容疑者・・)

「Yってるでしょ?

書記官として倫理違反をおかしてでも大切な人を守りたい。書記官として職務をまっとうしたい――。

どちらも君の正直な気持ちだよ。だから迷って当然だよね。

僕も迷っちゃうな。君を説得すべきかどうか・・。

何が正しくて、何が間違っているか。その答えは人それぞれで違うからね。でも真実は一つ。法廷はそれを明らかにする場所。そして僕たちは、人の人生の分岐点に立ち会う仕事をしている。

どうするかは君が決めればいい。」

「初恋の相手(馬場恭子/生田絵梨花)に対して自分は何をできるのか?」と悩む石倉(新田真剣佑)に対して入間が言ったセリフ。

▶▶入間のこの言葉を受けて、最後の公判で石倉は書記官としての倫理を違反せずに恭子を守るため、『書記官』ではなく『いち証言者』として証言することになります。

第6話(令和の大泥棒が法廷に登場!)

「エリートから脱落して窃盗――、その紋切り型の発想が全国の泥棒を敵にまわすことになりますよ。

泥棒は魅力的な仕事です。石川五右衛門、ねずみ小僧、フィクションで言えば、アルセーヌルパン、ロビンフッドまで、著名な泥棒は数多く存在します。

それはなぜか?そこに人を惹き付ける圧倒的な個性が存在するからです。

ちなみに僕は、どんな金庫でも開けられる『地獄耳の岸田』と呼ばれていて、いずれ歴史に名を残します。(中略)

――最後に大事なのはポリシー・美学で、私はお金が余っているとふんだ家しか狙わない。そして人は絶対に傷つけない。」

窃盗犯・岸田茂(バカリズム)の公判での弁舌。

▶▶まさかのバカリズムの登場には驚きました。彼と竹野内豊の共演は名作ドラマ『素敵な選TAXI』以来になります。理路整然と理屈をこねまわす岸田は、知的なイメージのバカリズムにぴったりの役でした。

「人は絶対に傷つけないというあなたのポリシーでも、誰も傷つけない犯罪なんてないんです。

人はひとりじゃない、ひとりでは生きていけない。だからこそ、自身の行動が知らず知らずのうちにまわりに影響をおよぼす。いい事もわるい事もです。

自分が変わらないと何も変わらない。私には法廷で真実を持って被告人と向き合う。それが被告人の変わるきっかけに少しでもなると思うからです。」

公判の最後に入間が被告人・岸田に向けて言ったセリフ。

▶▶人は様々な他者とつながりを持っているので、とった行動次第で思いもよらぬ波及効果が生じることがあります。その事を入間に告げられ、自分の犯罪で一人の尊い命が奪われたことに気付かされた岸田。被告人を自らの罪に向き合わせる入間の言葉には確かな説得力があります。




第7話(司法VS型破り裁判官 決戦のとき)

冤罪事件の9割が裁判官のせいだと思っています。上層部の意向に反した判決を下した裁判官の出世の道は閉ざされる。これは冤罪の温床です。

裁判官はただのサラリーマン。だから上に睨まれることなく、賢くやっていきたいというヒラメ裁判官ばかりだ。」

証人尋問の依頼で尋ねてきた駒沢たちに言った元書記官・友坂良一(淵上泰史)のセリフ。

▶▶自らの出世のために上の者に忖度する、企業のサラリーマンと同じ構図を持った司法組織。人の未来を左右する国の重要機関が、地位や名誉などの私利に縛られている現実にやるせない思いがしました。

「踏み絵だったんだよ――。上に従順なふりをして、裁判で僕らを一蹴した。すべては中森検事から真実を引き出すためだったんだ。最高裁長官の夢を捨ててでも、真実を明らかにしたんだ。」

マスコミの前で罪を認め、裁判官を辞めることになった日高(草刈民代)の真意を突く入間のセリフ。

▶▶入間と敵対関係にあった日高は、実は自らの判決で一人の人間を死に追いやってしまったことをずっと後悔していたみたいです。

 

入間たちに「裁判の公平さが欠けている」と指摘しつつも、油断した検察から真相を聞き出す『踏み絵』的手法をとった日高。聡明でありながら自らの職を辞する潔さもある、そんな彼女の人としての魅力に惹かれて千鶴はついていこうと決心したのでしょう。

第8話(万引き犯VS万引き犯 真実は!?)

「『助けて』と言うのは、とても勇気のいることだと思います。弱い自分を認めることになる。子育てと介護に苦しみ、うちに抱えてしまった塩川恵子さん。講師の仕事を離れ、喪失感をうちに抱えてしまった山寺史絵さん。

勇気を持って『助けて』と言ってみてはどうでしょうか。言葉にしないと分からないこともあるんじゃないでしょうか。夫婦であっても、夫婦だからこそ分かり合うために、心の声を言葉にすることも大切なんだと思います。」

山寺史絵(朝加真由美)の手紙の内容を聞いた後に、入間が法壇を降りて言ったセリフ。

▶▶「相手に迷惑をかけたくない、心配かけたくない」という思いから起きた2人の女性の悲しい事件。人は弱い生き物で、苦しみを一人で背負い続けると、やがてその重さに絶えられなくなって精神を病んでしまいます。だから入間が言うように、自分一人で苦しみを抱え込まず、勇気を出して誰かに助けを求める勇気が時には必要なのでしょう。




第9話(いったいどうなる!? 裁判員裁判)

「育ちや環境の違う人間だからこその正しさがある。どれもその立場ならではの正しさ。みんなが思う色んな正しさから真実を見極めることが、裁判員裁判だと思うな。」

「正反対のことわざはどうしてあるの?」という姪っ子の質問エピソードの最後に付け加えた入間のセリフ。

▶▶絶対的な正しさや正義は存在しません。人の価値観は、国や性別、年齢、環境などの要因によって流動的に変化していくものです。だからこそ、司法に携わるものだけの目線になりがちな裁判に、一般人の感覚を取り入れた『裁判員裁判』の制度を導入する必要があるのでしょう。

「裁判で被告人の人生に触れると、他人事とは思えなくなります。しかし、いかなる事情があろうと、真実をもって裁かなければならない。

裁判員の意見は裁判官と同じ重みを持ちます。その重みを背負えなくなってもいいんです。」

「裁判員を降りたい」と言って辞退した女性裁判員の気持ちを汲んで言った駒沢のセリフ。

▶▶人を裁く重みを背負い、覚悟を持って判決を下さなけらばならない裁判官・裁判員の職務はとてもつらい役目です。実際に駒沢も、かつての裁判で被告人を自殺に追いやってしまったことをずっと悔いていました。

 

裁判官であれ裁判員であれ、裁く者には計り知れない責任がかかること。そのことを私たちは知っておくべきなのでしょう。

第10話(最終回につづく物語 切ない真実)

「私の考えでは、嘘には9種類以上あると思っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①悪意を隠す嘘
②方便(目的のための便宜上の手段)
③優しい嘘(相手を思いやってつく嘘)
④言い訳、言い逃れ
⑤自己保身
⑥経歴詐称、自称(自分をよく見せようとする嘘)
⑦冗談
⑧守れない約束(結果的に嘘になる)
⑨悪意のない嘘
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その様々な嘘がときとして法廷では飛び交います。そして、誰がどういう理由で、どのようにして嘘をついているのか、我々は見極めなければいけない。」

妹の「嘘にはいったい何種類くらいあるの?」の質問に対する千鶴なりの答え。

▶▶動物の中で、唯一人間だけが持つ『嘘』。コミュニケーションを円滑にするために、または自分や相手を守るために使われるこの『嘘』は、ときに相手を傷つけたり、自分自身が苦しめられたりと、便利である一方で非常に厄介な側面を持ちます。

 

今回の事件(10話)でつかれた『嘘』は、どのような理由で生まれることになったのでしょうか。

最終話(型破り裁判官最後の裁判!?真実を翻ろうする黒幕・・さよなら、入間みちお)

「1億2千万人の国民の利益をてんびんにかけたとき、覚悟を持って選択しなければならない直面は多々あります。未来の見えていない政治家を国民は信頼しますか?

私が相手にしているのは、『個』ではなく『国民全員』です。冷徹だと思われようが、それが私の使命です。」

国益のためにプロジェクトを推し進める安斎高臣(佐々木蔵之介)。そのことを非難する入間への安斎の主張。

▶▶「個」の利益か、「集団」の利益か――。映画などで、全国民の命を守るために少数の人間の命を犠牲にする、いわゆる究極の選択のシーンが描かれますが、今回の一件も、国家の非常事態とまではいかないものの、それに類似する点があるように思えました。

「裁判は誰のためにあるのか。裁判は常に平等であり、すべての人のためにあります。司法は絶対に真実をねじ曲げない。だからこそ、人は安心して生活を送れる。

想像してください。あったことをなかったことにされたら、どれだけ人が傷つくことになるか。

想像してください。あったことをなかったことにして、どれだけの苦しみを抱えて生きていくことになるか。

想像してください。勇気を出して一歩踏み出したときに失わずにすむものを。

何のために、誰のために働くのか。少なくとも、自分の人生に誇りを持って生きていけるのではないでしょうか。

一歩踏み出す勇気。それは本庄歩くんからもらったはずです。」

父親のために勇気を出して証言した本庄歩(有山実俊)。そんな彼の話の後に加えた入間の最後のメッセージ。

▶▶真実をねじ曲げられた人だけでなく、ねじ曲げた側も心に傷を負うこと。自分を守るために真実を隠すと、罪の意識で一生後悔することになります。私たちが向き合うべきなのは、そんな自身の弱さなのでしょう。




用語解説

ふるさと納税返礼品 

入間が収集にはまっている『ふるさと納税の返礼品』。以下は、各話で登場した彼のコレクションの一部。

エゾシカの角(北海道)、ローラーボード(群馬県)、あすなろ鉄道のつり手(四日市市)、干しなまこ(東川市)、カラスの絵画(和歌山県)【1話】

くさや(伊豆諸島)、関サバドリンク(大分県)【2話】

サーターアンダギー(沖縄県)【3話】

魔除け(島根県)【4話】

ぱちぱち花火チョコ(新潟県)【5話】

白いカラスの置き物(三重県)【7話】

北の恵みプリン(北海道)【8話】

カラス天狗のカアカア君(福岡県)【9話】
お楽しみ海鮮当たりくじ(三重県)【10話】

『単独事件』と『合議事件』 (1話)

裁判官が1人で審議する事件を『単独事件』、裁判官3人で審議する事件を『合議事件』と言い、審議内容によって取り扱いが変わってくる。

『黒字』と『赤字』 (1話)

裁判官は1人で250件前後の事件を担当していて、処理した事件数が新規事件を上回れば『黒字』、逆の場合は『赤字』となる。『赤字』が出ないようにすることこそが裁判官の重要な責務だと千鶴は説いた。

浦島太郎の乙姫の罪状 (1話)

草むらの中をゆっくりと歩く小さな亀

入間に「乙姫の罪状わかる?」と聞かれて千鶴が答えた内容。

詐欺罪 ・・地上とは時の進み方の違う龍宮城に連れて行ったこと。
危険物 ・・玉手箱のけむり。
殺人未遂罪 ・・危険な玉手箱を明確な使用目的を告げずに持たせ、老化させ、さらに、けむりの量次第では死んでいたかも知れないこと。

サウンド・マスキング効果 (1話)

聞きたい音と同時に周波数が似た別の大きな音が聞こえると一方が聞こえなくなる性質(=マスキング効果)と、騒音の中でも人の話し声はよく聞き取れる性質(=カクテルパーティー効果)を利用して特定の音を包み隠す技術を「サウンド・マスキング」と言う。

みちこ (1話)

そば屋を営む石倉の家に居候している犬の名前。入間が昔の弁護士仲間から引き取ったが、官舎で飼えなかったため、代わりに石倉が飼うことになった。




刑事訴訟法『第128条』【検証】 (1話)

裁判所で使用されるガベル(法廷の木槌)と本

裁判所は事実発見のため、必要がある時は検証することができる。

▶▶この法律を用いて、入間は「長岡の事件の現場検証をする」と裁判中に発言しました。

刑事訴訟法『第298条』【補充的証拠調べ】 (1話)

裁判所は必要と認めるときに、職権で証拠調べをすることができる。

▶▶この法律を用いて、千鶴は相馬真弓の周辺の聞き込み調査をしました。

刑事訴訟法 『第158条』【所在尋問】 (1話)

証人の年齢、健康状態などを考慮して必要と認められる場合に、証人の現在場所で尋問を行うことができる。

▶▶この法律を用いて、入間は相馬真弓のところへ直接出向き、再度証言するように求めました。

SBS(乳幼児揺さぶられ症候群) (2話)

赤ちゃんの脳が激しく揺さぶられて傷つき、様々な障害が起きること。欧米では「Shaken Baby Syndrome:SBS」と訳される。

差し戻し (2話)

訴訟において、上級審が判決を破棄する場合にとられる処置のこと。この時、事件は第一審に戻ってもう一度審理される。

神の手ゴール (2話)

フィールド上に置かれたサッカーボール

マラドーナが手を使ってヘディングのように見せかけてシュートを行い、それを審判がゴールだと誤審。大きな問題となった。

主審はこの件に関して、こう言い訳している。

「副審がゴールを指していて、自分にはハンドが見えなかった。会場の8万人の観客も気づいていない。間違っていたのは自分だけじゃけなく、会場全体だ。」

勾引状(こういんじょう) (2話)

被告人、証人などを裁判所や指定された場所へ強制的に引致するために、裁判所が発行する礼状のこと。

アインシュタイン (3話)

アインシュタインのイラスト

20世紀に活躍した天才物理学者。特殊相対性理論・一般相対性理論・宇宙論・ブラウン運動の起原を説明する揚力散逸定理・零点エネルギーなど、科学の常識をくつがえす理論を次々と世に発表し、世界中の科学者を驚かせた。




サーターアンダギー (3話)

揚げたてのサーターアンダギー

沖縄で古くから食べられている伝統的お菓子で、小麦・砂糖・卵・ベーキングパウダーを混ぜて生地を練り、油で揚げて作る。

サーターアンダギーは沖縄の言葉で、「砂糖(=サーター)」の「揚げ物(=アンダギー)」という意味。

実況見分 (じっきょうけんぶん)(3話)

刑事訴訟法にもとづいた証拠集め活動のこと。警察によって行われ、事件・事故の原因や状況を実況見分調書に記録する。令状が必要な『現場検証』と異なり、任意で行えるのが特徴。

不見当 (ふけんとう)(3話)

裁判用語の一つ。相手から文書の提出を求められた当事者が「見当たらない」という意味で用いる。

もし法廷で「そのような物は存在しない」と回答したら、証拠が見つかったときに嘘をついたことになる。そこで「不見当(ふけんとう)」と言って言葉を濁し、嘘にならないように上手く逃れる。

AI裁判官 (4話)

海外では、量刑の判断などにAIが補助システムとして導入されていて、2045年にはAI裁判官が人を裁くと予測されている。

感情に流されずに客観的事実に基づいて判断を下し、大量に案件を処理できて間違えることがないAI裁判官は、まさに理想の存在。

美人局(つつもたせ)(4話)

男女がしめしあわせて行う詐欺行為の一つ。妻が「かも」になる男性を誘惑し、関係を持ったところに夫が現れて、言いがかりをつけて金銭を脅し取る。

一事不再理(いちじふさいり)(4話)

ある刑事事件の裁判で確定した判決がある場合、その事件について再審理することが許されない刑事手続上の原則。

渡りガラスの創世神話 (4話)

「イチケイのカラス」のタイトルの由来。神話の中のカラスは気まぐれに世界を作り、ときに知恵を駆使して人間に光・水・火を与えた。そのため、カラスは何者にも束縛されない自由の象徴だと考えられている。

Yってる (5話)

Y字型の道路標識

『Y』とはアルファベットの『Y』のこと。かたちの通り、右に行くか左に行くかの分岐点を示す。「昼飯Yってる」、「人生にYってる」など、使い方はさまざま。




併合審理(へいごうしんり) (5話)

2つの裁判事件を1つにすること。通常、振り込め詐欺や贈収賄事件など、犯人が共通する事件をまとめて審議する際に適用される。

情状証人(じょうじょうしょうにん) (5話)

刑事事件の裁判で被告人の刑が少しでも軽くなるように、被告人の人となりや生活状況、今後の更生に向けてどのようなサポートが必要かなどを証言する証人のこと。

グラン・フェッテ(grand fouetté) (5話)

バレリーナの超絶技巧の一つで、古典バレエのクライマックスに、主役の女性が披露する華やかなテクニックのこと。片脚を軸にしてもう一方の脚を大きく振り上げ、それを降ろさずにぐるぐる回転し続ける。

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう) (5話)

股関節のクッションの役目を果たしている軟骨がすりへり、股関節の受け皿部分(骨盤の臼蓋)と先端が丸くなった骨(大腿骨の骨頭)が変形する病気のこと。

バタフライ効果 (6話)

羽を広げて白い花に止まる美しいアゲハチョウ

チョウが羽を動かすと空気中の微粒子が動き、それが他の微粒子を動かし、さらに多くの微粒子を動かす。そうしているうちに、やがて地球の反対側の竜巻にも影響を与える。

些細なことが別の要因を引き起こし、大きな出来事の引き金になるという考え方。

天下り(あまくだり) (6話)

官僚が関係の深い民間企業などに相応の地位で再就職すること。官僚組織の若返りや、民間企業での官僚の経験・知識の活用というメリットがある一方で、汚職や癒着が起きるデメリットもある。

オオカミ冤罪  (7話)

童話「赤ずきんちゃん」や「3匹のこぶた」の影響でオオカミは人を襲うと思われているが、実際のオオカミは警戒心が強く、人前にめったに姿を現すことはない。オオカミが人を襲うのは、自分の身や家族が危険にさらされた時だけ。

即時抗告(そくじこうこく) (7話)

『抗告』とは日本の司法制度における不服申し立ての一種で、上級裁判所から受ける申し立てのことを言う。『即時抗告』では不服申立期間が3日間と定められている。

忌避申し立て(きひもうしたて) (7話)

裁判官の職務執行に不正の疑いがある場合、検察官はその裁判官を事件の審判から排除することができる。

踏み絵 (7話)

江戸時代に幕府が、キリスト教信者(キリシタン)をあぶり出すために使用したイエス=キリストやマリア像が描かれた絵のこと。

ある事柄への該当者や反対者をあぶり出すために用いる手段のことを「踏み絵」と言う。

白いカラスの置き物 (7話)

入間が日高にプレゼントとした三重県のふるさと納税返礼品。白いカラスには『類いまれな人物』や『はぐれ者』の意味がある。

クレプトマニア (8話)

「窃盗症」「病的窃盗」と呼ばれる精神疾患のひとつ。金銭目的ではなく、窃盗行為の緊張感や、成功時の満足感を目的として盗みを繰り返してしまう。




裁判員制度(さいばんいんせいど) (9話)

裁判(検事と弁護人)

平成21年5月21日から開始された、国民の中から選ばれた裁判員が刑事裁判に参加する制度。裁判員は法廷で審議に立ち会い、裁判官とともに被告人が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑にするかを決める。

正反対の意味のことわざ (9話)

入間が姪っ子に聞かれた、全く逆の意味を持つことわざ。

ドラマ内で例として出されたのは次の4つ。

度目の正直・・物事は三度目には良い結果になるということ。
●二度あることは度ある・・失敗は繰り返し起こる傾向があること。

●善は・・好機を逃さないためにも、善いと思ったことはすぐに実行すべきという戒め。
がば回れ・・急いで近道をするより、遠くても安全確実な道を通った方が結果的に早く目的地に着くということ。

しわしわネーム (10話)

キラキラネームの対義語として使われている言葉。別名「レトロネーム」。「しわしわ」とは大正・昭和時代を思わせる古風な名前のことを言う。

具体例としては『○男』『○女』や『花』などの一文字の漢字、『ふみ』『すず』などのひらがなの名前があげられる。

富山弁(とやまべん) (10話)

青山瑞希の母の実家の方言。ドラマ内で登場するのは以下の2つ。

●かたい=お利口
――「硬い」ではなく、「賢い」と書く。
●だいてやる=おごってやる
――「おごってやる」は「出してやる」を意味し、それがなまって「出(だ)いてやる」となった。

童話『3人のレンガ職人』 (最終話)

イタリアのフィレンツェにある、レンガ作りのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

『何のために人は働くのか?』について話し合った入間・姪っ子・甥っ子の3人。その中で引用された有名なイソップ寓話。

■あらすじ


中世ヨーロッパの街で旅人が3人の職人に会い、「ここで何をしているのですか?」と同じ質問をする。
●1人目の職人は「親方の命令でレンガを積んでいるのさ」と答えて不満をもらす。
●2人目の職人は「大きな壁を作っているのさ」と答え、家族を養う仕事があることへの感謝を述べる。
●3人目の職人は「完成までに100年はかかるけど、教会の大聖堂を作っているのさ。完成すれば、多くの信者が喜ぶことになる」。そう答えて、今の仕事に使命と誇りがあることを語る。

 

10年後――。
●1人目は、相変わらず文句を言いながらレンガを積んでいた。
●2人目は、危険がともなう代わりに賃金が高い、屋根の上で仕事をしていた。
●3人目は、現場監督として多くの職人を育て、出来上がった大聖堂に彼の名前がつけられた。



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