【花札1月】長寿と縁起を象るツルの世界|千羽の鶴に願いを込めて

花札

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

花札1月札の絵柄として描かれる「ツル」

花札1月札「松に鶴」の4枚

花札をはじめとして、掛け軸、屏風など、とりわけ松の木に止まるところを描かれる事が多い「ツル」ですが、実際にはタンチョウヅル・マナヅル・ナベヅルなど、その多くが木にとまる習性を持っていません

また、夜に目が見えないことを意味する「鳥目」という言葉があるように、鳥は一般的に暗いところで目が見えません。しかし、夜中に渡来することのある「ツル」は、「鳥目」ではないと考えられています。

そんな知っているようで知らないことの多い「ツル」。

記事では以下のことをまとめています。

「ツル」にまつわることわざ・故事成語について
「千羽鶴」の由来・意味
花札にも描かれる代表的なツル、「タンチョウヅル」の生態・特徴

ではさっそく、日本人に親しみが深い「ツル」の世界へと舞い降りてみましょう。




ことわざ・故事成語

会社の経営状況についてデータを用いながら話し合う2人

鶴の一声

職場の会議などで意見の不一致・対立が起きた際に、「権力者・権威者が発する議論を結論づけるような一言」のことを「鶴の一声」と言い、実際のシーンでは、「社長の『鶴の一声』で会社の方針が決定する」のように用いられます。

この言葉の由来はツルの迫力あるその大きな鳴き声にあって、一般的にツルは、首が長く「鳴管(めいかん)」と呼ばれる発声器官が発達しています。そのため、気管も長く、音が増幅されて周囲に響き渡るような大きな声が出るのです。

 ツルの鳴き声は、

「金管楽器」によく

 例えられるよ。

また、「鶴の一声」の対義語に、「つまらない者、力のない者のたくさんの言葉」という意味の「雀の千声」というものがありますが、かつて「鶴の一声」は、「聞く人の心を動かすような抜きん出た言葉」という意味で使われていました。

それが後に、「雀の千声」と対比されるようになってから、「力を持つ者の大きな発言」というニュアンスの言葉へと変化していったと考えられています。

鶴は千年、亀は万年

「長寿やめでたいことを祝う」という意味の言葉に「鶴は千年、亀は万年」というものがありますが、ご存知のとおり、実際の鶴は千年も長く生きることはありません。タンチョウヅルの寿命で20~30年くらいです。

ただ、一般的な鳥の平均寿命の「1年半」に比べたら長生きの部類に属すので、「寿命の長い生き物の象徴」として、このような言葉が生まれたとされています。

また、ツルは、夫婦仲が良くて生涯連れ添うことから、「仲良い夫婦の象徴」として結婚式の縁起物にもよく使われています。

■豆知識①『鳥の寿命』


野生においては、春に生まれた子どもが翌年の春まで生きのびれないことが多いので一般的に平均寿命が短く、スズメで「1年3ヶ月」、シジュウカラで「1年8ヶ月」、ツバメで「1年1ヶ月」ほどです。ただし、1年以上生き抜いたものは、その後10年以上生きると言われています。

 

ちなみに他の鳥では、インコが「7年」、ハト・カラスが「10年」、フクロウ・オウムで「60年」くらいです。

■豆知識②『亀の寿命』


ウミガメ・リクガメなどの一般的な亀の平均寿命は「30~50年」と、比較的長生きです。長寿の理由には、「冬眠・夏眠をすること」と、「代謝がおだやかでエネルギー消費量が少ないこと」があげられます。




千羽鶴

和紙で作られた桜色の折り鶴

折り鶴を千羽(たくさん)折って糸で束ねる「千羽鶴」は、けがや病気の人へのお見舞いや、スポーツ試合の必勝祈願、被災地への復興として作られたり、広島平和記念公園へ平和の象徴として寄贈されたりしています。

でも、どうして「千羽鶴」を折るのでしょうか?

ここでは、その「千羽鶴」を折る由来や意味について解説したいと思います。

由来

神さまへのお礼として折り鶴が神社に奉納されていたことが主な由来です。また、江戸時代に庶民の間で「長寿の象徴であるツルを折れば寿命が伸びる」という噂が広まって、折り鶴を作ることが流行したということも関係していると言われています。

「千羽折る」理由

「鶴は千年だから」とか「千は縁起が良いから」とか諸説ありますが、正確なところは分かっていません。

「病気回復」の意味を持つ理由

これには、戦時中に兵隊がお守りとして持っていた「千人針」が関係しています。

「千人針」とは、千人の女性が、布に赤糸をひと針ずつ縫い付けて作ったもので、身につけておけば弾丸よけになるとされていました。この風習が戦後に、病気回復を願う「千羽鶴」へと変化していったと考えられています。

「平和の象徴」である理由

そのルーツは、広島平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルになっている「佐々木貞子さん」にあります。

貞子さんは、広島の原爆投下によって被爆し、急性白血病を発症したことで苦しい闘病生活をおくりました。そのとき、「折れば願いが叶うから」と言って折り続けていたのが「千羽鶴」です。

しかし、その願いむなしく、12歳という若さで彼女はこの世を去ってしまいます。

この物語が広島をはじめ世界中に広まった結果、「原爆の子の像」が作られ、彼女の折り続けた「千羽鶴」が「平和の象徴」と考えられるようになったのです。




タンチョウヅル

白銀の大地で羽根を広げる優雅なタンチョウヅル

白く美しい羽毛と頭頂部の色鮮やかな赤色が特徴の「タンチョウヅル」は、花札の絵柄をはじめ、昔話に登場したり、折り鶴のモチーフとなったり、JALのジャンボジェット機に描かれたりもしています。

タンチョウヅルの基本データは以下の通りです。

■分類:ツル科ツル属
■生息地域:北海道東部エリア、ロシア南東部、中国東北部、韓国北部
■漢名:丹頂鶴
■学名:Grus japonensis
■英名:Japanese crane /Red-crowned crane

名前の由来

頭頂部から後頭部にかけて赤い色をしているので、「赤い(丹)頭頂部(頂き)」という意味の「丹頂」という漢字があてられました。

また、英名の「crowned」は「戴冠(たいかん)」という意味で、「王に即位した後に初めて頭に載せる冠」のことをあらわします。

歴史

「タンチョウヅル」は、江戸時代の頃までは北海道全域に生息していましたが、明治時代の乱獲と開発による生息地(湿地帯)の減少で、現代では「北海道の東部エリア」にしか生息していません。

また、日本に7羽しかいないことから絶滅危惧の保護対象になっていて、国の「特別天然記念物」に指定されています。

頭頂部が赤い理由

タンチョウヅルの頭頂部が赤色をしているのは、その部分の羽毛が赤いからではなく、そこだけ皮膚がむき出しになっているからです。

タンチョウヅルの皮膚は人のように滑らかでなくデコボコしているので、アップで見ると多少不気味に思えるかも知れません。

ちなみに、この皮膚のデコボコのことを正式名で「肉瘤(にくりゅう)」と言います。いわゆる「こぶ」のことですね。

なぜ赤い色をしているかについてははっきりと分かっていませんが、おそらくニワトリの「とさか」と同じで、「体温調節+メスへのアピール」としての役割があるのではないかと考えられています。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

では、最後に内容をおさらいしましょう。

■「鶴の一声は」、「会議の場での権威者の大きな発言」のことを意味し、「鶴は千年、亀は万年」は、「長寿やめでたいことへの祝意」を示す。
神社に奉納された折り鶴が由来の「千羽鶴」は、病気回復(由来は千人針)必勝祈願、平和の象徴(由来は原爆の子の像の佐々木貞子さん)の意味を込めて、お見舞いや被災地復興、広島平和記念公園への寄贈などに用いられている。
タンチョウヅル(丹頂鶴)は頭頂部の赤色が特徴的な鳥で、生息数が少ないことから国の「特別天然記念物」に指定されている。(※頭頂部が赤いのはその部分の皮膚がむき出しになっているから

日本人にとても馴染み深い「ツル」ですが、その詳しい生態や関連する雑学となると、意外と知らないことも多かったのではないでしょうか。

他にも「鶴の舞」「鶴の恩返し」など、鶴にまつわる言葉・雑学はたくさんあります。

今回の記事ではすべて紹介しきれませんでしたので、興味・関心がある方はぜひ自身で調べてみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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