
こんにちは、
りんとちゃーです。
スーパーや八百屋で見かける、色とりどりの野菜・果物。
食物繊維やビタミンなど、各種栄養が豊富な野菜と果物は、健康維持のためにも普段の食事に取り入れたいものです。
そんな野菜や果物の漢字の中には、読み方の難しい難読漢字が数多く存在し、それら難読漢字は、漢字検定やクイズ番組にもよく出題されています。
以下の野菜・果物に関する難読漢字、皆さんはいくつ答えられますか。
正解の読み方を含め、記事では以下のことをまとめています。
■野菜・果物の写真と簡単な説明
■漢字表記と読みの由来
■野菜・果物にまつわる雑学
『野菜・果物の難読漢字』の由来や背景を学びながら、楽しく漢字をマスターしていきましょう。
独活(ウド)
シャリシャリとした食感と独特の香りが特徴の春野菜「ウド」は、成長すると2m以上になる大型の草本植物で、風が吹かなくても自ら揺れて動くように見えることから、一人で(=独)動く(=活)の意味で、「独活」の漢字が当てられています。
「ウド」の由来・語源
読みの「ウド」は、土の中(ウヅ【埋】・ト【処】)の芽を食用にしていることにちなんだものです。
■豆知識①『ウドの大木(たいぼく)』
育ちすぎたウドは食べることができず、茎が柔らかくて材木としても役立たないことから、「図体ばかり大きくて役に立たない人」とのことを「ウドの大木」と表現します。
青梗菜(チンゲン菜)
シャキシャキとした歯ざわりが特徴の、中華料理に欠かせない食材「チンゲン菜」の漢字表記「青梗菜」は、チンゲン菜の見た目を表したもので、「青」は「緑色」、「梗」は「堅い茎」、「菜」は「野菜」を意味します。
「チンゲン菜」はもともとは日本に存在しなかった野菜で、栽培されるようになったのは1970年の日中国交正常化以降のことです。また、茎が白い品種は「白菜(パクチョイ)」と呼ばれています。
「チンゲンサイ」の由来・語源
読みの「チンゲンサイ」は、「青梗菜」の中国読み「チンゴンツァイ」に由来するものです。
菠薐草(ほうれん草)
ビタミンとミネラルが豊富な、緑黄色野菜の代表格「ほうれん草」の漢字表記「菠薐草」は、原産地ネパール(ペルシャ)の中国表記「菠薐」を語源にしていて、「菠薐」の中国読み「ホリン/ポーリン」が日本に伝わった際に変化して「ほうれん」になったと言われています。
■豆知識②『ポパイがほうれん草を好きな理由』
アメリカのアニメヒーロー「ポパイ」の大好物が「ほうれん草」(※正確には缶詰め)であることは有名ですが、その理由を皆さんは知っていますか?
当時のアメリカでは「ほうれん草」の嫌いな子どもが多く、「栄養豊富なほうれん草を何とか食べさせたい」という保護者の声が多数上がっていました。そんな中、保護者の話を聞いた米国ベジタリアン協会が、ポパイに美味しそうに「ほうれん草」を食べさせて、子どもたちにそれを真似してもらってはどうか?と提案。その結果、「ほうれん草」が大好物のヒーロー「ポパイ」が誕生することになったのです。
牛蒡(ごぼう)
独特の香りと歯ごたえが特徴の根菜「ごぼう」。
四字熟語の「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」(=大きな組織の末端にいるよりは、小さな組織のトップであれ)で示されるように、中国では大きなものを「牛」と表記するのが通例です。
「ごぼう」はキク科の「蒡」に似た植物にあたり、その「蒡」よりも大きい(=牛)植物であったことから「牛蒡」の漢字が当てられたと言われています。
「ごぼう」の由来・語源
読みの「ごぼう」は、漢字表記の「牛(ご)蒡(ぼう)」をそのまま読んだものです。
■豆知識③『「きんぴらごぼう」の名前の由来』
ごぼうを細切りにして、醤油・砂糖・酒などで味付けし、唐辛子で辛味をつけた「きんぴらごぼう」。
その風変わりな名前は、江戸時代に流行した人形浄瑠璃(※1)の主人公・坂田金平(さかたきんぴら)の強さを、固くて辛い料理の特徴になぞらえたものだと言われています。
(※1)人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)・・歌舞伎・能楽と並ぶ日本三大古典芸能の一つで、三味線で伴奏する語り物【=浄瑠璃】に合わせて人形を操る音楽劇のこと。
甘藍(キャベツ)
炒めたり煮たり生で食べたりと、どんな調理の仕方でも美味しく食べられる万能野菜の「キャベツ」は、漢字で「甘藍(かんらん)」と表記し、「甘藍」は中国においては「葉牡丹(はぼたん)」の古称を意味します。
江戸時代にオランダから日本に伝わった当時のキャベツは観賞用で、現在のように丸形ではありませんでした。その時の見た目が「葉牡丹」によく似ていて、そこから「甘藍」の漢字が当てられたと言われています。
「キャベツ」の由来・語源
「キャベツ」の読みは、英語の「cabbage(キャベッジ)」を由来にしていて、「cabbage」の語源はラテン語で「頭」を意味する「caput」にあります。
胡瓜(きゅうり)
生でそのまま食べる他、漬物や酢の物にしても美味しい「きゅうり」。
中国の西方地域にあった少数民族の国がかつて「胡」と呼ばれていて、その「胡」で採れた「瓜」であったことにちなんで「胡瓜」の漢字が当てられています。
「キュウリ」の由来・語源
「胡瓜」は中国読みで「クークワ」と発音し、日本に伝わった際に発音しにくい「クワ」の音が「ウリ」に読み変えられた結果、クーウリ▶キュウリになったと言われています。
■豆知識④『きゅうりは世界一栄養が少ない!?』
「きゅうり」は、95%以上が水分でできていて、含まれる栄養分が微量であることから、世界一栄養の少ない(正確には最もカロリーが低い)野菜としてギネス認定されています。ちなみに、世界一栄養のある食品としてギネス認定されているのは、森のバターの異名がある「アボカド」です。
秋葵/陸蓮根(オクラ)
ヘルシーなネバネバ野菜として女性に人気の、アオイ科トロロアオイ属の「オクラ」は、古代エジプトでも栽培された歴史ある野菜で、旬の時期(6~8月)がちょうど旧暦の秋にあたることにちなんで「秋葵」の漢字が当てられています。
また、穴の開いたその断面が蓮根(れんこん)のように見えることから、「陸蓮根」と表記する場合もあります。
「オクラ」の由来・語源
読みの「オクラ」は、英語の「okra」からの借用語で、その語源は西アフリカ・ガーナのトウィ語「nkram(ンクラマ)」にあります。
■豆知識⑤『オクラの実のなり方は上向き?下向き?』
一般的に、果実の付き方と花の咲き方は対応関係にあり、下向きに花が咲くものは下に垂れ下げて実をつけ(トマトやナスなど)、花が上向きに咲くものは上向きに実ができます。ただし例外的に、花が上向きでもゴーヤのように細長かく重みがあるものは下に垂れ下がって実がなります。
アオイ科のオクラの花は上向きに咲き、さらに実が乾燥して固くなるタイプなので重さで下に垂れ下がるもことなく、上向きに立つようにして実をつけます。
竜髭菜(アスパラガス)
春の野菜で食卓に彩りを与えてくれる「アスパラガス」は、和名では「オランダキジカクシ」と言います。これは、キジが身を隠すことができるくらいに葉が生い茂る、植物の特徴に由来するものです。
普段私たちが目にする新芽の「アスパラガス」は、穂先がしっかり締まった状態のものですが、夏が過ぎるとそれが1メートルくらいに成長し、細長い枝を周囲に広げます。漢字表記の「竜髭菜」は、その広がった細い枝が竜の髭のように見えたことにちなんだものです。
「アスパラガス」の由来・語源
読みの「アスパラガス」は、英語の「asparagoidas」を語源にしています。
玉蜀黍(トウモロコシ)
ポップコーンの原料で、焼いても茹でても美味しい、小麦・米と並ぶ世界三大穀物の一つ「トウモロコシ」。
トウモロコシは、16世紀の安土桃山時代にポルトガル人によって持ち込まれた植物で、中国(唐)から渡来した「モロコシ」という植物によく似ていたことにちなんで、「トウ(唐)モロコシ」と呼ばれています。
また、モロコシの漢名表記が「唐黍・蜀黍」で、そのまま「唐(トウ)+唐黍(モロコシ)」とすると意味が被ってしまうので、代わりに「玉」を当てて「玉蜀黍」の漢字にしたと言われています。
※「玉」はトウモロコシの美しい黄金色の見た目に由来する漢字。
■豆知識⑥『トウモロコシのひげと種』
トウモロコシの先端に生えている「ひげ」の一本一本は、実は「種子」一つひとつと繋がっていて、ひげの本数と種の数は一緒になります。
ひげの多いトウモロコシほど、実がぎっしり詰まっていることになるので、スーパーで品定めする時の参考にしてみてはいかがでしょうか。
蒟蒻(こんにゃく)
「こんにゃく」は、こんにゃく芋をすりつぶしたもの、もしくは、こんにゃく精粉(=こんにゃく芋を乾燥させて粉状にしたもの)を水に溶かし、凝固剤を加えて固めたもののことを指し、白と黒の2種類があります。
「こんにゃく芋」は湿気・日照り・病気に弱く、その特徴にちなんで外部環境に弱いことを示す「蒻」と、根野菜を表す「蒟」の漢字が当てられています。
「こんにゃく」の由来・語源
読みの「こんにゃく」は、中国語の呉音(※2)「コニャク」に由来するものです。
(※1)呉音(ごおん)・・六朝(りくちょう)時代の中国「呉」地方の音。仏教語に多く用いられている。
■豆知識⑦『白と黒のこんにゃく』
こんにゃくの皮を取り除いてできる「白いこんにゃく」は、売り出した当初はその見た目で敬遠され、まったく売れませんでした。そこで、ひじきなどの海藻粉末を混ぜ、昔のこんにゃくの色にわざと似せるようにしたそうです。その名残からか、現在では白と黒の2種類のこんにゃくが販売されています。
大角豆(ささげ)
「小豆(あずき)」によく似た色をした「ささげ」は、「小豆」とは別の植物で、若さやの部分を炒めたり、乾燥させた中の豆を「赤飯」として炊いたりします。
漢字表記の「大角豆」は、端の部分が四角い形状をしていることにちなんだもので、和名の「ささげ」の由来には、畑になっている時のさやのつき方が手に持ったものを捧げる形に似ているから(=「捧げる」▶「ささげ」)というものや、「細い牙のような形」を意味する「細々牙(さいさいげ)」が転じたなど、いくつかの説があります。
■豆知識⑧『赤飯に「ささげ」を入れる理由』
赤飯には「小豆」を入れるのが一般的ですが、関東では「小豆」の代わりに「ささげ」が使われています。これは、煮ると割れてしまう「小豆」が切腹を連想させ、武士たちに敬遠されていた歴史があるからです。
木耳(きくらげ)
コリコリした食感の「きくらげ」の漢字表記「木耳」は、形が人間の「耳」に似ていることにちなんだものです。
また「きくらげ」は、英語で「Judas’ear」と表記し、これは、キリストを裏切ったユダ(Juda)が首を吊った木から、耳(ear)のようなキノコが生えたという説話に由来します。
「きくらげ」の由来・語源
干したクラゲのような味・食感がすることから、樹木に生えるクラゲ(=木・クラゲ)の意味で「きくらげ」と呼ばれています。
大蒜(にんにく)
強烈な匂いが特徴の、強壮・スタミナ増強効果がある「にんにく」の漢字表記は「大蒜」で、「蒜(ひる)」とは食用で強い香りを放つユリ科の植物の総称のことです。
「にんにく」は、野草の「野蒜(のびる)」と区別するために「大蒜(おおびる)」と呼ばれています。
■豆知識⑨『にんにくと忍辱』
読みの「にんにく」は、仏教用語の「忍辱(にんにく)」が語源になっていて、「忍辱」とは「侮辱や苦しみに耐え忍び心を動かさない」という意味です。僧侶が苦行(=忍辱の修行)に耐えるために、かつては体力を養う目的で「にんにく」が食べられていました。
苺(イチゴ)
クリスマスケーキに欠かせないバラ科の植物「イチゴ」には、一つの株に次々とたくさんの実をつける特性があり、どんどん子株を生み出す(=母)の意味で、草かんむりに母(=苺)が当てられています。
「イチゴ」の由来・語源
読みの「イチゴ」は、大和言葉の「イチビコ(伊致寐姑)」の「ビ」が中略されたものです。
■豆知識⑩『イチゴブランド「博多あまおう」』
粒が大きく、濃厚な味わいが特徴の福岡県のブランドいちご「博多あまおう」。その名前は、「赤い・丸い・大きい・美味い」の頭文字(あかい・まるい・おおきい・うまい)からとったもので、他にも、「甘いイチゴの王様(=甘王【あまおう】)になるように」という願いが込められています。
無花果(いちじく)
つぶつぶ食感と独特の甘みが特徴のフルーツ「無花果(いちじく)」。
漢字にあるように、花の無い果実(=花が咲かない植物)なのかと思いきや、実はちゃんと花を咲かせます。
花が咲くのは果実の内部で、中身を割らないとそれを確認することができません。つまり、外から花を見ることができ無い果実なので「無花果」と呼ばれているわけです。
ちなみに「いちじく」は、別表記で「映日果」と書くこともあり、これは、原産国のイラン(ペルシャ)で「アンジール(anjir)」と称された「いちじく」が、中国に伝わった際に「映日果」と呼ばれたことに由来します。
「いちじく」の由来・語源
読みの「いちじく」の語源には、次の3つの説があります。
①一日に一個ずつ熟すのことから「いちじゅく」と呼ばれるようになり、それが「いちじく」になった。
②映日果の音読みである「えいじつか」がなまった。
③映日果の中国読みである「インジクォ」が変化した。
甘蕉/実芭蕉(バナナ)
バショウ科バショウ属の植物のうちで、果実を食用にできるものの総称である「バナナ」は、果実を食用にできない同じバショウ科バショウ属の「芭蕉」と見た目がよく似ていることにちなんで、「実芭蕉」の漢字が当てられています。
他にも、植物の「芭蕉」とバナナの味が「甘い」ことを組み合わせて「甘蕉」と表記する場合もあります。
「バナナ」の由来・語源
読みの「バナナ」は、「手を広げたような房のかたち」を意味するアラビア語「banan」と南アフリカ語「banema」に由来するものです。
■豆知識⑪『バナナの皮を踏むとなぜ滑る?』
「バナナ」の皮の内側には、ヌルヌルとした粘液を含む小胞がびっしりと並んでいて、皮を踏むことでそれらがつぶれて中の粘液が放出し、結果、摩擦力が低下して滑りやすくなる、という仕組みです。ちなみに、バナナの皮の滑りやすさは、雪の上のスキー板とほぼ同じだとか。
李(すもも)
爽やかな酸味が特徴の「すもも」には、「すももも桃も桃のうち」という有名な早口言葉がありますが、実際は桃の仲間ではなくバラ科の植物で、漢字表記の「李」には、「樹木(=木)の枝にたくさんの果実(=子)を実らせる果物」という意味があります。
「すもも」の由来・語源
読みの「すもも」の「もも」は、果物の「桃」に見た目が似ていることにちなんだもので、「す」は、酸味の強い(=酸っぱい)その特徴を表した言葉です。
■豆知識⑫『プラムとプルーン』
海外において「すもも」は、「プラム」と「プルーン」のどちらで呼んでも良いとされていますが、日本では、丸型の「日本すもも」を「プラム」、細長い紫色の「西洋すもも」を「プルーン」と呼び分けるのが一般的です。
鳳梨(パイナップル)
アナナス科の多年草で、トロピカルフルーツの王者である「パイナップル」は、鋭い剣状の葉っぱと、赤身のある果皮が特徴的で、中国の伝説の霊長「鳳凰(ほうおう)」の尾羽に見た目が似ていることにちなんで、「鳳梨(ほうり)」の漢字が当てられています。
「パイナップル」の由来・語源
「りんご」を意味する英語の「apple」が、広義では「木になる果実・果物」を表し、松ぼっくり(=pine)のような見た目の果物(=apple)の意味で「pineapple(パイナップル)」と呼ばれています。
■豆知識⑬『パイナップルは土に植えると育つ!?』
パイナップルの果実の上についている葉の部分は「クラウン(冠)」と呼ばれていて、市販のパイナップルでも「クラウン」が傷んでいなければ、土に植えて育てることが可能です。ちなみに、こういった特性を用いてパイナップルを栽培することを「クラウン挿し」と言います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
普段私たちがスーパーで見かける野菜や果物は、そのほとんどが「ひらがな」か「カタカナ」で表記されているので、いざ漢字で書かれると読めないものも多かったのではないでしょうか。
今回ご紹介した漢字は、漢字検定や漢字クイズなどによく出題される定番モノばかり。一般教養としてぜひ覚えておきたいところです。
なお、別記事で「植物」や「動物」の難読漢字についてもまとめています。興味のある方は下記リンクも合わせてご参照ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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