【身の回りのモノ編】由来・語源で覚える難読漢字 一覧|難しい漢字の成り立ちを知ろう

机に広げられた分厚い本難読漢字・旧国名

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

日常生活で目にすることが多い、家具や道具・衣類などの「身の回りにある物(日用品)」。

その中には、難読漢字と呼ばれる難しい読みをしたものが数多くあり、漢字検定やクイズ番組の問題にもよく出題されています。

以下の日用品に関する難読漢字、皆さんはいくつ答えられますか。

身近なモノの難読漢字 一覧

読み方の正解も含め、記事では以下のことをまとめています。

各日用品の写真と簡単な説明
漢字表記の読みと由来

身の回りのモノの雑学・豆知識

『日用品の難読漢字』の由来や背景を学びながら、楽しく漢字をマスターしていきましょう。




達磨(だるま)

だるま(達磨)の目入れ

縁起物として親しまれる、赤くて愛嬌ある風体の「達磨(だるま)」

そのモデルとなったのは、インドから中国に仏教を伝えた禅宗の祖師・達磨大師(だるまたいし)(※1)で、彼の「面壁九年の伝説」(壁に向かって9年間座禅を続けて、手足が腐って無くなったという逸話)にちなんで、実際のだるまにも手足がついていません。

(※1)達磨大師(だるまたいし)・・中国禅宗の開祖とされるインド人仏教僧。別名「菩提達磨(ぼだいだるま)」ボーディダルマ(Bodhidharma)」。「ダルマ」はサンスクリット語で「法」を意味する。

■豆知識①『だるまの目入れ』


「だるまの目入れ」とは、願い事をするときに片方の目に書き込み、願いが叶ったらもう片方の目を書き込むことで、その起源は「群馬の養蚕(ようさん)農家」の風習にあります。

 

だるま発祥の地の群馬県では「養蚕」がとても盛んで、蚕(かいこ)が春に良い繭(まゆ)をつくれば片目を書き込み、秋にも良い繭をつくればもう一方の目にも書き入れるという風習がありました。これが全国に広まって、現在の「だるまの目入れ」になったと言われています。

炬燵、火燵(こたつ)

みかんを食べながらこたつ(炬燵)で暖を

日本に古くからある暖房器具の一つの「炬燵、火燵(こたつ)」は、エアコンやストーブ、電気カーペットなどが普及した今でも多くの家庭で使われている、冬の定番アイテムです。

「こたつ」は、「櫓(やぐら)」部分が牛車の乗り降りの際に使う踏み台の「榻(しじ)」似ていることから、古くは「火榻子」と呼ばれていました。

その唐音「くゎたふし」が読み「こたつ」の語源になっていて、漢字表記の「炬燵、火燵」は、読みに対する当て字になります。

■豆知識②『こたつの赤い光の正体』


こたつの赤い光は赤外線の色だと思っている人が多いみたいですが、実際の赤外線は無色の光で、人の目で見ることができません。実は赤い光の正体は、心理的な暖かさを演出するために着色された電熱線やランプの赤い色なんです。




箪笥(タンス)

引き出しの空いた箪笥(タンス)

「箪笥(タンス)」とは、衣服・小物などを収納するための引き出し式の家具のことで、漢字の「箪」「丸い米びつ」「笥」「四角い箱」を意味します。

もともとは「担子」と表記し、持ち運び可能な小さな箱のことを指していましたが、徐々に大型化して、引き出し式のものが作られるようになり、その過程で「箪笥」の漢字へと変化したと言われています。

■豆知識③『箪笥(タンス)の数え方』


「箪笥(タンス)」は特殊な数え方をすることで知られており、「一棹(ひとさお)、二棹(ふたさお)」と数えます。これは、当時(江戸時代の頃)のタンスの上部に持ち運び用の金属金具がついていて、そこに「棹(さお)」を通して運んでいたことに由来するものです。

猪口(ちょこ)

お猪口(ちょこ)ととっくり

日本酒を飲む時や、小鉢より少ない料理の盛り付けに使われている食器の「猪口(ちょこ)」は、もともとは「ちょく」と呼ばれていて、その語源として次の3つの説があります。

①少しを意味する「ちょこっと」や、飾り気がない・安直を意味する「直(ちょく)」に由来。
②中国での盃(さかずき)の読みである「チョング(chong)」がなまったもの。
③江戸時代に、酒の肴を盛るための陶製の器を「猪口(ちょく)」と呼んでいたことから。




薬缶(やかん)

蒸気吹き出るやかん(薬缶)

湯沸かしに用いられる鍋・アルミなどで作られた道具「薬缶(やかん)」は、もともと煎じ薬を煮出すための深鍋として使われていたもので、かつては「薬鑵(やくくわん)」と呼ばれていました。(※「鑵(くわん)」は水を汲む器のこと)

その「やくくわん」が「やくくゎん」▶「やくゎん」▶「やかん」へと変化し、現在の「薬缶」の漢字が当てられたと言われています。

ちなみに最近では、「やかん」を英名の「ケトル(kettle)」の名で呼ぶことが多く、底の丸いもの「やかん」底の平らなもの「ケトル」と形状で呼び分けているようです。

急須(きゅうす)

緑茶を淹れる黒い急須(きゅうす)

茶を煎じて注ぎ入れる、取っ手のついた小さな容器「急須(きゅうす)」

「急」「差し迫った」「須」「もちいる」を表し、「急須」「急な用に応じてもちいる物」の意味になります。

お茶は本来、飲むまでに時間のかかるものですが、中国で使われていた注ぎ口のついたお酒を温める道具を用いると素早く淹れることができたため、この道具を「急須」と名付けて使用するようになったと言われています。

■豆知識④『美味しいお茶の淹れ方』


急須のイラスト

実はお茶を淹れる時に、急須の蓋の向きに注意するとより美味しくいただけます。蓋は注ぎ口側に穴が位置するように向けた方が良く、そうすることで穴から空気が入り茶葉が拡散。成分がしっかり抽出されたお茶を淹れることができるのです。




盥(たらい)

トマトの入った盥(たらい)

「盥(たらい)」とは、水や湯を入れて洗顔・洗濯をする際に用いる円形の平たい桶のことで、木製・金属製・プラスチック製などさまざまな種類があります。

漢字の「盥」の中央部分は「水」が「皿」に落ちる様子、「水」の左右にある部分は両手を広げた様子を表していて、両手ですくった手洗い用の水を下の皿(たらい)が受け止めているところを模したものだと言われています。

「たらい」の由来・語源


読みの「たらい」は、手を洗うための桶を意味する「手洗い(てあらい)」が縮まったものです。

■豆知識⑤『たらい回しの由来』


人や物、権利などをある限られた範囲内で順送りにするという意味の「たらい回し」。この「たらい回し」は、たらいを使い回したことに由来するのではなく、曲芸師が仰向けになった状態で足でたらいを回し、それを順番に隣の人に受け渡していったところから生まれた言葉だとされています。

俎板(まないた)

野菜と包丁と木製まな板(俎板)

食材を切る時に用いる料理人の必須ツール「まな板」

漢字表記「俎板」の「俎(まな)」は、中国語で「魚や肉を積み重ねたもの、肉を調理する台」を意味し、これに倣って日本でも食材を調理する台のことを「俎板」と書くようになったと言われています。

「まないた」の由来・語源


かつての江戸時代の人々は、魚のことを「な(魚)」と称していて、同じ「な(菜)」と呼ぶ野菜との混同を防ぐために、魚の「な(魚)」の方に接頭辞「ま(真)」をつけて「まな(真魚)」と呼んでいました。つまり「まな板」とは、「まな(真魚)」を捌(さば)くための板という意味になります。

■豆知識⑥『まな板の鯉』


「まな板の鯉」とは、相手のなすがままになること、そうする以外に仕方がない状況をたとえた言葉で、一般的に鯉は、調理する際に勢いよく跳ね回るため、締めるまでにかなり手を焼きます。しかし、プロの料理人にかかると観念したように大人しくなり、その様子から「まな板の鯉」のことわざが生まれたと言われています。




笊(ざる)

ざる(笊)に乗ったかぶ

網目状に編まれた器で、水切り用に使われるキッチン道具「ざる(笊)」の漢字下部の「爪」は、手先の動作・手を使うことを表し、ざるが細く割った竹で編んで作られることにちなんで、手を使う竹製品(+の意味で「笊」の漢字が当てられています。

また、いくら水をすくってもすくえない「ざる」の特徴から、お酒をいくら飲んでも平気な「大酒飲み」のこと「ざる」と表現する場合があります。

■豆知識⑦『ざるそばのルーツ』


江戸時代中期、現在の東京の深川にあった「伊勢屋」が、「おわんの底に水がたまって、最後が水っぽくなる」というお客さんの不満を解消するために、水が切れる「ざる」に「そば」を乗せて出したのが「ざるそば」のはじまりで、それが高評判だったことから、後に、他のそば屋さんでも同じものが出されるようになりました。

卓袱台(ちゃぶだい)

レトロな装いのちゃぶだい(卓袱台)

畳の上にたたずむその姿に古き良き日本を感じる、四本脚の低い食卓「卓袱台(ちゃぶだい)」

読みの「ちゃぶ」の由来には、中国の食事用テーブルの「チャフ」からきたというものや、中国語で「ご飯を食べること」を意味する「チャフン(吃飯)」がもとになったなど、諸説あります。

「卓袱台」の由来・語源


漢字表記の「卓袱台」は、上記「チャフ」の漢字名「卓袱(しっぽく)」に由来するもので、一部地域では「卓袱台(ちゃぶだい)」のことを「しっぽくだい」と呼ぶこともあります。




団扇(うちわ)

夏の風物詩うちわ(団扇)

浴衣姿にぴったりの夏の風物詩「うちわ」の漢字表記「団扇」の語源は中国語にあり、「団」は丸い、「扇」は羽のように開閉する扇を意味します。

日本では、もともと「うちわ」に対して「打つ羽」の漢字を当てていましたが、平安時代に入ってからは、この中国由来の「団扇」を用いるようになりました。

「うちわ」の由来・語源


読みの「うちわ」は、ハエや蚊を払うために使われていた「小型の翳(さしば)=打つ翳(は)を語源にしていて、それが後に、打つ羽▶うちわになったと言われています。

■豆知識⑧『左団扇(ひだりうちわ)の由来』


利き手でない左手でゆっくりうちわをあおぐ姿が、他の人から見ると、仕事に追われずにゆったりした時間を送っているように見えたことから、何の心配や不安もなく、悠々自適な生活を送るさま「左団扇(ひだりうちわ)」と表現します。

鋏(はさみ)

紙とはさみ(鋏)

刃で挟むことによって物を切断することができる便利な道具「はさみ」の漢字表記「鋏」は、金属を意味する「金」両側から挟むことを表す「夾」を組み合わせたもので、もともとは鍛冶で熱した金属を挟むために用いる「火ばさみ」のことを意味していました。

「はさみ」の由来・語源


読み「はさみ」は、動詞「はさむ」の連用形を名詞化したものです。

■豆知識⑨『はさみの数え方』


一般的に「はさみ」は「一本、二本」で数えることが多いですが、本来の数え方は「一丁、二丁」もしくは、「一挺、二挺」です。「丁(ちょう)」2つの組がある物に使用する数え方挺(ちょう)」は、細長い棒状の物や手に持って使用するものに対する数え方で、2つの刃があって手で持って使う「はさみ」は、まさにこれに該当します。




箒(ほうき)

ほうき(箒)とちりとり

ゴミやホコリを掃き寄せるお掃除道具の「ほうき(箒)」の漢字の下側「帚(そう)」は、棒の先端に細かい枝葉などを束ねて付けた物を表していて、これに「竹」を冠して「箒」になったと考えられています。

「ほうき」の由来・語源


かつての日本では掃除用具として「鳥の羽」が用いられていて、その呼び名である「羽掃き(ははき)」「ほうき」の語源になったと言われています。

瓢箪(ひょうたん)

店先に吊るされたひょうたん(瓢箪)

楽器や工芸品に使われる、くびれた形が特徴のウリ科のツル性植物「ひょうたん」には、邪気を吸い込んで浄化してくれるという言い伝えがあり、昔から神さまが宿る縁起物として重宝されてきました。

「瓢箪」の漢字と読みは、中国の説話をルーツにしていて、一汁一菜の生活を送っていた孔子の弟子・顔回(がんかい)は、食器の代用に箪(わりご)【=竹で編んだ米びつ】と瓢(ひさご)【=ひょうたんで作った汁物用の器】を使っていました。

このことにちなんで、質素な食生活をすることを「箪瓢(たんひょう)」と呼ぶようになり、後にその順番が入れ替わって「瓢箪(ひょうたん)」になったと言われています。

■豆知識⑩『千成(せんなり)ひょうたん』


観賞用や日除け、奈良漬けなどに使われている、8cmほどの小さなひょうたんをたくさんつける「千成(せんなり)ひょうたん」。この「千成ひょうたん」は、豊臣秀吉が馬印(=戦陣で大将のいる場所に立てる目印)にしたことでも有名で、大阪府章のデザインにも取り入れられています。




爪楊枝(つまようじ)

つまようじ(爪楊枝)の束

先の尖った木製の細い棒である「爪楊枝(つまようじ)」は、もともと、歯垢をとり歯を清潔にするための仏教用具として使われていたもので、先端を叩いて房状にしていたことから「房楊枝(ふさようじ)」と呼ばれていました。

この「房楊枝」が、時とともに先の尖ったものへと変化していき、「爪先の代わりに使うもの」を意味する「爪」が加わって、今の「爪楊枝」になったと考えられています。

■豆知識⑪『つまようじに溝(みぞ)があるのはなぜ?』


「つまようじ」は、作る過程でどうしても切断面にささくれが出てしまい、その部分をやすりで研磨する必要がありました。その際に、職人が「こけし」を模して凸凹の溝を入れたため、あのような見た目になっているのです。

煙管(キセル)

金ピカのキセル(煙管)

日本で喫煙道具の「煙管(キセル)」が生まれたのは、アジアに鉄砲が伝来した15世紀頃で、当時のポルトガル人が使っていた「パイプ」を真似て作ったと言われています。

読みの「キセル」の語源は、カンボジア語で「管」を意味する「クセル(kshier)」にあり、漢字の「煙管」は単なる当て字です。

■豆知識⑫『不正乗車「キセル」の由来』


「キセル」は鉄道の不正乗車の総称としても使われていて、吸い口とタバコをのせる部分だけが金属で、それ以外は竹できている煙管(キセル)の構造にちなんで、両端の区間だけお金を払い、中間の区間ではお金を払わない乗車方法のことを「キセル乗車」と呼んでいます。




燐寸(マッチ)

マッチ箱とマッチ(寸燐)

木でできた軸の先端の赤い部分と箱をこすり合わせて火をつける「燐寸(マッチ)」

軸の先端には発火点の低い物質が、箱の側面にはガラスの欠片が塗りつけられていて、両者をこすり合わせることで高い摩擦熱が発生し、火がつきます。

かつては先端に可燃物質の「赤燐(リンの一種)」が使われていて、「赤燐」の「燐」と「ちょっと」を意味する「寸」を組み合わせて「燐寸」の漢字が当てられました。

「マッチ」の由来・語源


1800年にイギリスの薬剤師がマッチを発明した当初は「myxa」(=ラテン語でロウソクの芯という意味)と呼ばれていて、後に英語の「macth」へと変化。それが日本に伝わって「マッチ」になったと言われてています。

螺子(ねじ)

いろんな種類のねじ(螺子)

「螺子(ねじ)」は、モノを固定する時に用いる工具で、螺旋(らせん)状の溝があるのが特徴です。

「ねじ」という読みは、動詞の「捻じる、捩じる」の連用形が名詞化したもので、螺旋状の溝があることから、漢字の「螺子」が当てられています。

■豆知識⑬『「ネジ」「ボルト」「ビス」の違い』


「ネジ」と似たものに「ボルト」「ビス」がありますが、「ボルト」「ナット」と組んで使われる「おねじ」の総称で、「ナット」は「めねじ」のことです。「ビス(vise)」はぶどうの蔦(つた)を表すラテン語「vitis」が語源になった言葉で、一般的に「小ねじ」のことを指します。




釦(ボタン)

散らばった様々なボタン(釦)

洋服の留め具として使われている服飾物の「ボタン」

明治時代初期にこの「ボタン」が、服の口に金属製品を入れて紐の代用にするその特徴(にちなんで「釦紐」と呼ばれていて、それが漢字の「釦」のもとになったと言われています。

「ボタン」の由来・語源


読みの「ボタン」は、ポルトガル語で「花の蕾(つぼみ)」を意味する「botan」に由来するものです。

■豆知識⑭『卒業式の第2ボタン』


小・中学校の卒業式の定番となっている、好きな男子学生の第2ボタンをもらうという風習。この風習が生まれた理由にはいくつか説があり、一説には、第2ボタンが「心臓」に近いところにあって、「相手のハートをつかむ」意味合いが込められていたからと言われています。

半纏(はんてん)/法被(はっぴ)

ハンガーにかけられたはんてん(半纏)

江戸時代に庶民が羽織の代わりに着ていた防寒着の「はんてん」は、羽織と違って「胸紐(むなひも)」や「襠(まち)」がないのが特徴です。

袖丈が半分しかないので「半丁(はんてん)」と呼ばれていて、それに「纏(まと)う」という意味の「纏(てん)」が当てられて「半纏」となりました。

「法被(はっぴ)」は、一般的に「半纏」に屋号や紋などを入れた「印半纏(しるしはんてん)」のことを指し、漢字の「法被」は、禅寺の高僧が座る椅子の背もたれに掛けられた布(=法被)に由来するものです。

「はっぴ」の由来・語源


平安時代に皇族や公家が着ていた束帯の下着のことを「半臂(はんぴ)」と言い、それが語源になったと言われています。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

一般的な漢字の勉強法では、一問一答で丸暗記することが多いですが、そうやって覚えたものは長く記憶に残らないと言われています。

なので、多少時間がかかっても、漢字の由来・語源をきちんと調べて、記憶の定着率を高められるよう工夫したいところです。

今回の「身の回りの物編」以外にも、「動物編」「植物編」などの記事も投稿しています。興味のある方はそちらも合わせてご拝読ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました