語源・由来から見る「身の回りの物の難読漢字」一覧|難しい漢字の成り立ちを知ろう

机に広げられた分厚い本難読漢字

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

普段目にする機会の多い、家具や小物・衣服などの身の回りにある物。

その中には、読み方の分からない難読漢字も存在します。

以下の11個の漢字、皆さんはいくつ読めますか?

日用品の難読漢字一覧

正解の読み方も含め、記事では以下のことをまとめています。

身の回りの物(日用品)の写真と簡単な説明
漢字表記の由来・語源や豆知識など

『難読漢字』の由来や背景を学びながら、楽しく漢字をマスターしていきましょう。




達磨(だるま)

だるまの目入れ

縁起物として親しまれる、赤くてどこか愛嬌ある風体の「達磨(だるま)」

そのモデルとなったのは、インドから中国に仏教を伝えた禅宗の祖師・達磨大師で、彼の「面壁九年」(壁に向かって9年間座禅を続けて、手足が腐った)の伝説にちなんで、実際のだるまにも手足がついていません。

ちなみに、だるまの赤色は仏教的な高貴さと魔除けの象徴とされていて、災いや病気から身を守る意味で広く使われています。

■豆知識①『だるまの目入れ』


「だるまの目入れ」とは、願い事をするときに片方の目に書き込み、願いが叶ったらもう片方の目を書き込むことで、その起源は群馬の養蚕農家の風習にあると言われています。

 

だるま発祥の地である群馬県では、養蚕がとても盛んで、蚕(かいこ)が春に良い繭(まゆ)をつくれば片目を書き込み、秋にも良い繭をつくればもう一方の目にも書き入れるという習慣がありました。これが全国に広まって、今の「だるまの目入れ」になったと考えられています。

炬燵、火燵(こたつ)

みかんを食べながらこたつで暖を

日本に古くからある暖房器具のひとつである「炬燵、火燵(こたつ)」は、エアコンやストーブ、電気カーペットなどが普及した今でも多くの家庭で使われる、冬の定番アイテムです。

その語源となったのは「火榻子」という言葉で、「榻(しじ)」とは牛車の乗り降りのときに使う踏み台のことを指します。こたつの櫓(やぐら)部分がこの「榻」の形状に似ていることから、「火榻子」と呼ばれているわけです。

ちなみに和名の「こたつ」は、「火榻子」の中国読みである「くゎたふし」が変化したもので、その音にあてた漢字が「炬燵、火燵」になります。




猪口(ちょこ)

おちょこととっくり

日本酒をちびちびと飲むための小さな器「お猪口(ちょこ)」

「お猪口(ちょこ)」は、もともと「ちょく」と呼ばれていて、その語源には次の3つの説があります。

①少しを意味する「ちょこっと」や、飾り気がない・安直を意味する「直(ちょく)」が由来
②中国での盃(さかずき)の読みである「チョング(chong)」がなまったもの
③江戸時代に、酒の肴を盛るための陶製の器を「猪口(ちょく)」と呼んでいたことから

 ぐいぐい飲める

 大きめの器は

「ぐい呑み」と呼ぶよ。

薬缶(やかん)

蒸気吹き出るやかん

「薬缶(やかん)」とは、湯沸かしに用いられる鍋・アルミなどで作られた道具のことで、英名では「ケトル(kettle)」と言います。

もともとは、煎じ薬を煮出すための深鍋として使われていて、当時は「薬鑵(やくくわん)」と呼ばれていました。※鑵(くわん)とは水を汲む器のこと

この「やくくわん」という読みが「やかん」へと変化していき、今の「薬缶」という漢字があてられました。

卓袱台(ちゃぶだい)

レトロな装いのちゃぶだい

足の折りたためる四本脚の低い食卓である「卓袱台(ちゃぶだい)」

中国では、料理を食べる際の食事台のことを「卓袱(しっぽく)」と呼び、そこから引用して「卓袱台」という漢字があてられたと考えられています。

※「ちゃぶだい」の「ちゃぶ」は、「卓袱」の中国読みである「chafu」が語源

他にも、ご飯を食べることを意味する「吃飯(チャフン)」からきたというものや、中国からアメリカに広まった料理の「チョプスイ(Chop Sui)」にあるなど、その由来・語源には様々な説があり、正確なところはよく分かっていません。




爪楊枝(つまようじ)

つまようじの束

串や箸ほど長くない、先の尖った木製の細い棒である「爪楊枝(つまようじ)」

もともとは、歯垢をとり歯を清潔にするための仏教用具として使われていて、「房楊枝・総楊枝(ふさようじ)」と呼ばれていました。

「楊枝(ようじ)」とは、素材として用いられていた「楊柳(=やなぎ)」のことで、先端を叩いて房のようにしたことから「房楊枝」という名がつきました。

この「房楊枝」が、時とともに先端が尖ったものへと変化し、「爪先の代わりに使うもの」という意味が含まれて、今の「爪楊枝」になったと考えられています。

■豆知識②『つまようじの溝(みぞ)』


先端の反対側にある溝は、製造の過程で焦げてしまった部分をごまかす目的で作られたもので、こけしに似せて削られています。

 つまようじは英語で 

「tooth pick」

 と言うんだよ。 

煙管(キセル)

金ピカのキセル

かつての日本における喫煙道具である「煙管(キセル)」

西洋では「パイプ」と呼ばれ、その語源は、カンボジア語で「管」を意味する「クセル(kshier)」にあります。

※漢字の「煙管」はあて字

■豆知識③『不正乗車「キセル」の由来』


「キセル」は、広義では鉄道の不正乗車全般を示しますが、本来の意味では、入るときと出るときはお金を使うけど、中間では使わない不正乗車のことをさします。この乗車における特徴が、吸口とタバコをのせる部分だけ金属でできている煙管(キセル)の構造とよく似ているため、「キセル」と呼ばれているわけです。




燐寸(マッチ)

マッチ箱とマッチ

木でできた軸の先端の赤い部分を、箱にこすり合わせて火をつける「燐寸(マッチ】」

マッチの先端には発火点の低い物質が塗られ、箱の側面にはガラスの欠片が塗りつけられています。この両者をこすり合わせることで高い摩擦熱が発生して火がつきます。

また、かつては先端に、可燃物質である「燐(りん)」の一種が塗りつけられていて、そこから「燐寸」という漢字があてられるようになりました。
※「寸」は「ちょっと、少し」と言う意味

■豆知識④『「マッチ」の語源』


1800年にイギリスの薬剤師がマッチを発明した当初は、「MXYA」(=ラテン語でロウソクの芯という意味)という名で呼ばれていましたが、後に英語の「MATCH」へと表記が変化し、日本に「マッチ」という名で伝えられました。

螺子(ねじ)

いろんな種類のねじ

「螺子(ねじ)」は、モノを固定する際に用いる工具で、螺旋(らせん)状の溝があるのが特徴です。

ねじという読みは、動詞の「捻じる、捩じる」の連用形が名詞化したもので、螺旋状の溝があることから、漢字で「螺子」と書きます。

■豆知識⑤『「ボルト」や「ビス」との違い』


ネジと似たものに「ボルト」や「ビス」がありますが、「ボルト」は、ナットと組んで使われるおねじの総称で、ナットはめねじのこと。「ビス(vise)」は、ぶどうの蔦をあらわすラテン語「vitis」が語源になった言葉で、一般的に「小ねじ」のことをさします。

半纏、袢纏(はんてん)/法被(はっぴ)

ハンガーにかけられたはんてん

江戸時代に庶民が羽織の代わりに着ていた防寒着である「半纏(はんてん)」は、羽織と違って胸紐(むなひも)や襠(まち)がないのが特徴です。

袖丈が半分しかないために「半丁(はんてん)」と呼ばれていて、それに「纏(まと)う」という意味を持つ「纏(てん)」があてられて、「半纏」となりました。

ちなみに、屋号や紋などが入っている半纏のことを「印半纏」と言い、こちらは「法被(はっぴ)」と呼ぶこともあります。

ただし一般的には、法被も半纏も同義語として使われていて、明確に区別することはありません。

■豆知識⑥『法被(はっぴ)の由来・語源』


平安時代の皇族や公家が着ていた束帯の下着のことを「半臂(はんぴ)」と言い、それが由来だとされています。なお、高僧の座る椅子の背にかける法被とはまったく関係なく、漢字は単なるあて字です。




おわりに

いかがでしたでしょうか。

漢字の勉強では、単に丸暗記するよりも、その漢字があてられた由来・背景をきちんと調べて覚えるほうが、記憶の定着率が高まるそうです。

なお、今回の「身の回りの物編」以外にも、「動物編」「植物編」などの記事も投稿しています。興味のある方は合わせてご拝読ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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