
こんにちは、
りんとちゃーです。
ダイヤモンド、アメジスト、サファイアなど、女性の心を虜にしてやまない、神秘的な輝きを放つ宝石の数々。
透き通るような見た目と美しい色合いが特徴の宝石は、聖なる力を秘めていることから「パワーストーン」としても人気があり、1月から12月の各月に割り当てられた「誕生石」は、身につけた持ち主に幸運をもたらしてくれると言われています。
以下は、そんな宝石の名前を和名で表記したものですが、それぞれの洋名(カタカナ読み)を皆さんは答えることができますか?
正解の読み方も含め、記事では以下のことをまとめています。
■各宝石の写真と特徴
■和名・洋名の読み方と由来・語源
■「誕生石と石言葉」一覧表【付録】
美しい宝石たちの名前の由来を学びながら、楽しく漢字をマスターしていきましょう。
瑪瑙(めのう)/アゲート
細かな石英の結晶が集まってできた天然石「めのう」の漢字表記「瑪瑙」は、石に刻まれた模様が馬の脳のように見えたことに由来するもので、英名の「アゲート(agate)」は、ギリシャ語の「achates」を語源にしています。
「achates」は、シチリア島のアカーテ川のことで、「瑪瑙」がこの川のほとりでよく採れたことにちなんだものです。
「瑪瑙」の主な効果はリラックス作用と心身の活性化で、他にも、人との絆を深めて人間関係を良好にする働きがあります。
瑠璃(るり)/ラピスラズリ
仏教における七宝(※1)の一つ「瑠璃(るり)」は、紫がかった濃青色が特徴の宝石で、海外では「ラピスラズリ」と呼ばれています。
(※1)七宝(しちほう)・・仏教において貴重とされる7つの宝「金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・蝦蛄(しゃこ)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)」のこと。別名「七種(ななくさ)の宝」「七珍」。※瑠璃は「ラピスラズリ」、玻璃は「水晶/クリスタル」、蝦蛄は「シャコガイ」のこと。
「瑠璃/ラピスラズリ」は12月の誕生石にもなっていて、紀元前の頃から聖なる石として世界各地で崇められていました。
洋名の「ラピスラズリ」は、石を意味するラテン語「Lapis」と、青・空・天を意味するペルシャ語「Lazward」を組み合わせたもので、和名の「るり」は、サンスクリット語の「瑠璃=vaidurya」の音訳「べいるり」の略称です。
柘榴石(ざくろいし)/ガーネット
1月の誕生石の「ガーネット」は、赤い柘榴(ザクロ)の実が集まったような見た目をしていることから、和名で「柘榴石(ざくろいし)」と呼ばれています。
旧約聖書のノアの方舟で、世界を覆う闇を照らす『灯り』となった宝石として知られていて、粒の小さいものは紙やすりの研磨剤としても使われています。
洋名の「ガーネット(garnet)」は、ラテン語で種子を意味する「granatus(グラナタス)」に由来するものです。
金剛石(こんごうせき)/ダイヤモンド
「ダイヤモンド」は炭素からなる鉱物で、色は無色透明。美しい光沢を持ち、4月の誕生石にもなっています。
天然に存在する物質の中で硬度か最も高く、その特性から、金属の中で一番硬いことを意味する仏教用語「金剛」を名前に付けて「金剛石(こんごうせき)」と呼ばれています。
洋名の「ダイヤモンド(diamond)」は、「服服されざるもの、何よりも大きいこと」を意味するギリシャ語「adamas」の「a」が欠落したものです。
■豆知識①『カラットの由来』
ダイヤモンドの重量を表す単位「カラット」の語源は、イナゴ豆を意味するギリシャ語「keration(ケラチオン)」にあり、当時は宝石の重さを量る際に、イナゴ豆何個分に相当するかで計算していたと言われています。
そのため、1カラットの重さ(0.2g)は、イナゴ豆一粒の重さ(0.18g~0.21g)とほぼ同じになっているんです。
琥珀(こはく)/アンバー
「琥珀(こはく)」は、数千万年前の松柏(しょうはく)科の植物の樹液が地中で固まって硬化したもので、色は黄色を帯びた茶色ないし黄金色。鉱物に匹敵するくらいの硬さを持ちます。
遠い昔、中国で、死んだ虎の塊が石になったという言い伝えがあり、これにちなんで「琥珀」の名が付けられました。
英名の「アンバー(amber)」は、軽くて海に漂うという意味のアラビア語「アンバール(ambar)」が語源になっていて、これは、原産地のバルト海沿岸で「琥珀」が海の産物だと信じられていたことに由来します。
珊瑚(さんご)/コーラル
3月の誕生石である「珊瑚(さんご)」は、サンゴ虫という動物が群生し風化してできた宝石で、七宝の一つに数えられています。
発祥地は地中海沿岸・アルジェリア・モロッコなどで、海中のマグネシウムや有機質のカロチノイドにより美しい赤色を呈しているのが特徴です。
日本において「珊瑚」は、古来より高価な宝物だとみなされていて、ペルシャ(胡)から渡来した「胡渡(こわたり)サンゴ」は、正倉院宝物の中にも見ることができます。
英名の「coral(コーラル)」は、ギリシャ語で小さな宝石を意味する「karallion」に由来するもので、漢字表記の「珊瑚」は、海に棲む虫の骨格の集まりを意味する「珊」と、祭祀の時に穀物を盛る器の「瑚」を組み合わせたものです。
翠玉(すいぎょく)/エメラルド
「エメラルド」は美しいグリーンの輝きで知られる5月の誕生石で、和名を「翠玉(すいぎょく)/緑玉(りょくぎょく)」と言います。
緑柱石(ベリル)の一種で、古くから首飾りやペンダントなどの装飾に用いられてきました。最大の産地はコロンビアで、そのシェアは世界の約6割。有名な「エメラルドカット」は、カッティングの時の圧力で宝石が傷付くのを防ぐために考案されたものです。
「エメラルド(emerald)」という名前は、サンスクリット語で緑色の石を表す「エマラカタ」またはギリシャ語の「エマラグドス(smaragdos)」に由来するもので、和名の「翠玉」は、宝石の「玉」と色の「翠(みどり)」を組み合わせたものです。
■豆知識②『エメラルドとクレオパトラ』
「エメラルド」は、絶世の美女・クレオパトラがこよなく愛した宝石として有名で、装飾品として着飾るだけでなく、粉末状に砕いてアイシャドーに用いたり、自身の名を付けたエメラルド鉱山を所有したりと、異常なくらいに執着を持っていたと言われています。
もしかしたら、クレオパトラの瞳の色がエメラルドと同じ緑なので、それで親近感を抱いたのかも知れません。
蛋白石(たんぱくせき)/オパール
見る角度によって色が変わる特性を持つ「オパール」は、赤やトロピカルブルー・ブラックなど、さまざまなカラーバリエーションがあります。
和名は「蛋白石(たんぱくせき)」で、これは見た目が魚の白身に似ていることに由来するものです。洋名の「オパール(opal)」は、サンスクリット語で貴重な石を表す「ウパラ(upala)」と、色の変化を見るという意味のギリシャ語「オパリオス(opallios)」が語源になっています。
「オパール」は、虹を閉じ込めたような外観をしていることから、古来より幸福と希望の象徴とみなされていて、神事の装飾品などに使われていました。
紫水晶(むらさきすいしょう)/アメジスト
透明感がある紫色が特徴の「アメジスト」は「水晶」の一種に分類されます。地球の表面を構成する鉱物の中で結晶形がはっきりしているものを「水晶」と呼び、その「水晶」の中で「アメジスト」は最も価値が高いと言われています。
洋名「アメジスト」の語源は、酒に酔わないことを意味するギリシャ語「a methy(a【否定】+ methy【ワイン】)」にあり、和名の「紫水晶(むらさきすいしょう)」はその見た目(=紫色をした水晶)を表現したものです。
古くから紫色は高貴な色と考えられていて、聖職者の装飾品(十字架・ロザリオ・指輪など)にこの宝石が多く利用されてきました。
橄欖石(かんらんせき)/ペリドット
オリーブグリーンの見た目が特徴の8月の誕生石「ペリドット」は、地中深くの溶岩で発見された他、隕石の中でも見つかった神秘的な宝石で、そのオリーブ(=橄欖)色の外見にちなんで、「橄欖石(かんらんせき)」と呼ばれています。
はじめて採掘したのはエジプト人で、古代エジプトでは暗闇を照らす「太陽の石」として崇められていました。
「ペリドット(peridot)」の名前は、アラビア語で宝石を意味する「ファリダット(faridat)」に由来するという説が有力で、他にも明るいボタンという意味の中期英語「ペリドート」や、不明を意味するフランス語「ペリドー」が語源になったなど、いくつかの説あります。
藍玉(あいぎょく)/アクアマリン
3月の誕生石「アクアマリン」は、「エメラルド」と同じベリル(緑柱石)と呼ばれる鉱物グループの天然石で、海のように透き通る美しい青(藍色)の見た目が特徴です。
古くヨーロッパで、船乗りのお守りとして愛用されてきた宝石で、身に付けた者の魂に誰にも負けない不屈の勇気が備わると信じられていました。
「アクアマリン(aquamarine)」の語源は、ラテン語で海水を意味する「aqua marinus」にあり、母なる海のような潤いを人と人の間にもたらしてくれることから、結婚や出産祝いの宝石としても人気があります。
翡翠(ひすい)/ジェイド
5月の誕生石である「翡翠(ひすい)」は、東洋や中南米で人気がある宝石で、艶のある美しい緑色が特徴です。日本でも採掘することができ、2016年に日本鉱物科学会によって「国石」に指定されました。
もともと「翡翠」は、鳥の「カワセミ(翡翠)」を指す言葉で、「カワセミ」の羽の色に似た石のことを「ヒスイ玉」と呼んでいたことがその名の由来です。
洋名の「ジェイド(jade)」は、スペイン語で「腰痛の石」を意味する「piedra de ijada」の転訛形「pierre de l’e jade」が語源だと言われています。
真珠(しんじゅ)/パール
6月の誕生石の「真珠(しんじゅ)」は、深海や湖に棲む二枚貝の体内で生成される宝石の一種で、七宝の一つにも数えられています。
その歴史はとても古く、「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」によると、邪馬台国の卑弥呼の娘が、魏の王に真珠5000個を献上したと記されています。
「真珠」という名前は、海で採れる石(=珠)の中で特に輝くもの(=真)の意味で名付けられたもので、洋名「パール(pearl)」は、真珠の形が西洋梨(=ラテン語でpyrus)に似ていることにちなんだものです。
■豆知識③『パールのネックレス』
上品な美しさが人気の「パールのネックレス」は、長さによって異なる名前がついています。以下は長さごとの名前と特徴のまとめです。
●チョーカー【35-41cm】・・別名「ドッグネック」。首か締まる(=choke)くらいの長さ。フォーマル・カジュアルのどちらにも使える最もポピュラーなネックレス。
●プリンセス【42-48cm】・・鎖骨の下くらいまでで、ドレスを着た時に一番映える長さ。絵本に登場するお姫様(プリンセス)が身につけるようなネックレスの長さであったことから。
●マチネー【50-60cm】・・「マチネー」はフランス語で、昼に催される演劇・音楽会という意味。この長さのネックレスが、昼間の社交界でよく用いられていたことが名前の由来。
●オペラ【70-90cm】・・チョーカーの約2倍。夜に催されるオペラ劇で身につけることが多いロングドレスによく合う長さ。
●ロープ【115cm以上】・・その長さが縄(ロープ)を想像させることから付いた名前。2倍巻きやブレスレットとの組み合わせなど、使い勝手が良い長さ。
灰簾石(かいれんせき)/タンザナイト
12月の誕生石の「タンザナイト」は、アフリカ・タンザニアのメレラニ鉱山だけで採れる希少な宝石で、キリマンジャロの夕焼けのような美しい青紫色をしているのが特徴です。鉱物名は「ゾイサイト」で、一般的に群青色をした「ブルーゾイサイト」のことを「タンザナイト」と呼びます。
「タンザナイト(tanzanite)」の名前は、最初に発見された採掘地・メレラニ鉱山のある国名「タンザニア(tanzania)」にちなんで、ティファニー社社長が後に命名したものです。
黄玉(おうぎょく)/トパーズ
11月の誕生石である「トパーズ」は、透明感ある黄色の見た目が特徴で、和名では「黄玉(おうぎょく)」と呼ばれています。世界各地で採掘されていて、特にブラジルのミナス・ジュライス州でとれたものが高品質で有名です。
洋名「トパーズ(topaz)」の語源は、「探し求める」を意味するギリシャ語「topazos(トパゾス)」にあり、これは、産出地の島の周辺が霧深く、島を探すのが非常に困難だったからです。
「トパーズ」は、太陽神の象徴であると考えられていて、古くから護符として人々に愛用されてきました。
紅玉(こうぎょく)/ルビー
東洋では「太陽の宝石」、古代インドでは「宝石の王」と呼ばれている「ルビー」は、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、鮮やかな赤色を呈しているのが特徴です。
7月の誕生石で、和名は「紅玉(こうぎょく)」。世界中の限られた鉱山からしか採掘できないので、ダイヤモンドより希少性が高く、宝石の中では最高額の値段をほこります。
洋名「ルビー(ruby)」の名前は、ラテン語で赤を意味する「rubeus(ルベウス)」にちなんだものです。
蒼玉(そうぎょく)/サファイア
「サファイア」は、美しいブルーの見た目が特徴で、その青色にちなんで和名で「蒼玉(そうぎょく)/青玉(せいぎょく)」と呼ばれています。
4月の誕生石で、別名は「天の宝石」「空の宝石」。洋名「サファイア(sapphire)」の名前は、青を意味するラテン語「sapphinus(サフィナス)」に由来するものです。
サファイアには「哲学者・聖人の石」の異称があり、聖職者や賢者にふさわしい石として古来より重宝されてきました。
■豆知識④『ルビーとサファイアは同じ石!?』
宝石の「ルビー」と「サファイア」は、赤・青のまったく異なる色をしていますが、実は両者とも同じ「コランダム」という酸化アルミニウムの結晶からできているんです。「コランダム(無色)」は生成の過程で異なる元素を取り込む特性があり、その割合によってさまざまな色を呈します。
一般的に、赤色を呈したものは「ルビー」、その他の色に色付いたものは、発した色名を冠した「サファイア」の名(=ブルーサファイア、オレンジサファイアなど)で呼ばれています。
電気石(でんきいし)/トルマリン
10月の誕生石の「トルマリン」は、ブルー・グリーン・レッド・ブラックなどさまざまなカラーバリエーションがあります。
「トルマリン(tourmarine)」の名前は、セイロン島の現地の言葉(シンハリ語)で混合した宝石を意味する「トルマリ(thuramali or thoramali)」に由来し、和名の「電気石(でんきいし)」は、熱や圧力をかけると電気を帯びるその性質にちなんだものです。
トルマリンは、古くから儀式や祈祷などに使われてきた宝石で、精神と身体を活性化させる力があると信じられていました。
「誕生石と石言葉」一覧表【付録】
付録として、今回の記事で紹介した「誕生石」と「月名」「石言葉」の関係が分かる一覧表を載せておきました。誕生石を調べる際の早見表としてご活用ください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した中でも特に「誕生石と月・石言葉の関係」を覚えていると、誰かにプレゼントを贈る際にとても役立つので、付録の一覧表を参考に、すべての誕生石の暗記にチャレンジしてみてください。
「宝石編」以外にも、「動物編」や「食べ物編」などの記事を投稿しています。興味がある方は下記リンクも合わせてご参照ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント