日曜ドラマ「ドラゴン桜2021」名言集|セリフで振り返る名シーン|主演:阿部寛

机に広げられた分厚い本 ドラマ名言・名セリフ集

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

16年の月日を経て復活した名作「ドラゴン桜」。

主人公の桜木健二を演じるのは前作と同じく阿部寛で、さらに今作では、かつての教え子の水野直美(長澤まさみ)が桜木の代わりを務めて生徒たちを東大に導きます。

記事では、そんなドラマの名場面・名シーンを思い出せるように、以下のことをまとめました。

ドラマ情報(基本情報と登場人物)

各話ごとの名言・名セリフ一覧と気になる用語の解説

それでは、ドラマの名言・名セリフとともに内容を振り返ってみましょう。




ドラマ情報

基本情報

『ドラゴン桜(2021)』

――TBS系 日曜夜9時~ 2021年4月25日から6月27日まで放送

公式サイト
https://www.tbs.co.jp/dragonzakura/
原作:三田 紀房『ドラゴン桜2』(コルク)
ドラゴン桜2(1)
【Amazon.co.jp】ドラゴン桜2(1) (コルク)
脚本:オークラ、李 正美、小山 正太
音楽:木村 秀彬
プロデューサー:飯田 和孝、黎 景怡
演出: 福澤 克雄、石井 康晴、青山 貴洋

視聴率
・第1話(14.8%)・第6話(14.0%)
・第2話(13.9%)・第7話(14.4%)
・第3話(12.6%)・第8話(14.6%)
・第4話(14.3%)・第9話(15.4%)
・第5話(13.8%)・最終話(20.4%)
――ビデオリサーチ調べ

登場人物(キャスト)

桜木 健二【さくらぎ けんじ】(阿部 寛)・・東大卒の弁護士で元暴走族。教え子の自殺未遂をきっかけに教育の世界から姿を消すが、水野に連れ戻され、龍海(たつみ)学園東大専科の監修を引き受ける。
水野 直美【みずの なおみ】(長澤 まさみ)・・桜木の元教え子。東大合格後に弁護士資格をとり、桜木の事務所で働く。桜木とともに龍海学園東大専科で生徒たちを東大へ導く。
岩崎 楓【いわさき かえで】(平手 友梨奈)・・龍海学園の女子生徒。バトミントン部のエースとしてオリンピックを狙える存在だったが、膝のケガが悪化してその夢を断念。東大でスポーツ医学を学ぼうと一念発起し、東大専科に入る。
瀬戸 輝【せと あきら】(髙橋 海人)・・龍海学園の男子生徒。姉と一緒に両親から継いだラーメン屋「瀬戸屋」を切り盛りする。東大専科の中で最も成績が低く、そのことでみんなの足を引っ張っているのではないかと思い悩む。
天野 晃一郎【あまの こういちろう】(加藤 清史郎)・・桜木の言葉に触発されて東大専科にいち早く入った龍海学園の男子生徒。弟の裕太が進学校に通う優等生で、親に比較され続けたせいか劣等感を抱いている。
早瀬 菜緒【はやせ なお】(南 沙良)・・龍海学園の女子生徒で楓の親友。今まで自分から何かに頑張ろうと思ったことがなかったが、桜木と水野の全校集会での演説を聞いて頑張ることを決意。天野に続いて東大専科に入る。

藤井 遼【ふじい りょう】(鈴鹿 央士)・・東大合格候補者リストに載る龍海学園のエリート男子生徒。成績トップで学業は優秀だが、人を見下したり先生を侮辱したりと性格の悪さが目立つ。
原 健太【はら けんた】(細田 佳央太)・・虫が大好きな龍海学園の男子生徒。発達障害があって耳にした言葉をなかなか覚えられないが、一度目にしたものは忘れない特異な能力を持つ。
小杉 麻里【こすぎ まり】(志田 彩良)・・文系成績トップの龍海学園の女子生徒。健太といつも行動をともにしている。家庭の問題を乗り越え、専科に入る。
龍野 久美子【たつの くみこ】(江口 のりこ)・・父の恭二郎の後を継いで龍海学園の理事長になった通称『女帝』。自由を尊重する教育を理想とし、進学化による学校再建に否定的な態度をとる。
高原 浩之【たかはら ひろゆき】(及川 光博)・・龍海学園の教頭。経営破綻寸前の学校を建て直すために進学化を理事長に提案する。生真面目で教育熱心。
柳 鉄之介【やなぎ てつのすけ】(品川 徹)・・水野がかつてお世話になった伝説の数学講師。白髪・白ひげの仙人のような風貌で、竹刀を振りながら生徒たちにスパルタ教育を施す。
大宰府 治【だざいふ おさむ】(安田 顕)・・国語の特別講師。「国語は科学、創作は建築学」が持論。できない生徒を見て熱が入っても、しばらくするとすぐに冷めてしまう2面性を持つ。
由利 杏奈【ゆり あんな】(ゆりやんレトリィバァ)・・英語の特別講師。洋楽を口ずさみながらモノマネダンスを披露し、生徒たちに「恥ずかしからずに自信を持って英語を話すことが大切やで」と説いた。




名言・名セリフ一覧

受験勉強のイメージ写真

第1話(時代に負けるな。今こそ、動け!)

「進学校化か、自由な校風か、この学校の進むべき道を私に見せてくれ。」

生徒の自由を尊重し、個性・才能を伸ばそうとする理事長の久美子(江口のりこ)と、進学校化によって学校再建を目指す教頭の高原(及川光博)。そんな対照的な二人に向けて言った、元理事長・恭次郎(木場勝己)のセリフ。

▶▶結局、高原の提案が通り、桜木と水野を招いて進学校化の道へ進むことになった龍海(たつみ)学園。はたして、高原の約束通り、東大合格者を5人輩出することができるのでしょうか。東大専科の今後の行方が気になるところです。

「しけたつらしてるな。今のバカはバカ面もできないのか。

(中略)

見るからにグズでのろまで、一日中スマホにゲーム、ぼけーとした日々をおくるバカばかりだ。バカなだけでなく無関心・無気力、甘ったれの根性なし。

そんなお前らが世の中に出ていけば、うす汚い社会の渦に飲み込まれて、搾取され、騙され、カモにされ、コキ使われて、一生社会の奴隷となって、もがき続けて死んでいくんだ。

そうならないために手っ取り早い方法がある。東大に入ることだ。

だが、お前らにその価値があるとは思えない。自分の頭で考えることができないお前らなんて、東大のほうからお断りだ。」

水野(長澤まさみ)に続けて全校集会で熱弁した桜木(阿部寛)のセリフの一部。

▶▶「東大の方から願い下げするくらいに出来損ないばかり」とは、ひどく辛辣です。ただし、感情を逆なでする言葉だったがゆえに、生徒たちは興味を持って彼の話を聞いてくれることになります。

第2話(人生の大勝負!お前の道はお前が決めろ!)

「お前の人生はお前で決めろ。お前はこれまで自分で選んできたんだ。

バトミントンに人生をささいできたことも。推薦欲しさにケガを隠してきたことも。万引きでうさばらししたことも。

親に言われてやったのか?違うだろ?全部自分で決めたことだ。自分の責任だ。」

足のケガでバトミントンの道が閉ざされ、ひどく思い悩む楓(平手友梨奈)。そんな彼女に向けて言った桜木のセリフ。

▶▶自分の不幸な境遇を恨み、誰かの責任にする他責的な考え方は、やはりすべきではないのでしょう。今ある人生は、それまで自分が辿ってきた選択の積み重ねによるもの。セリフの中に「自分の選んだ道には誇りと責任を持て」という桜木の強い思いを感じました。

「私、決めた。私を東大に合格させて。東大でスポーツ医学を勉強してみたい。それで選手に復活したらオリンピックに行く。引退した後は、スポーツ医学で若い選手たちのサポートをする。それが私の今の人生プラン。」

「そんなふざけた動機じゃ100年経っても東大なんて無理だ。・・だがな、これだけは言える。オリンピック選手になるより東大に入るほうがはるかに簡単だ。」

進むべき道に悩む楓が見つけ出した答えと、それに対する桜木の返答。

▶▶「自分の道は自分で選べ」と桜木に言われ、スポーツ医学を学ぶことを決意した楓。それは、ケガによって未来を奪われた彼女だからこそできる、最良の選択でもありました。

 

桜木が「オリンピックに行くより東大に入るほうが簡単だ」と言ったように、スポーツに打ち込むだけの根性と努力があれば、東大合格も夢ではないのかも知れません。




第3話(一発逆転!バカでも秀才に勝てる勉強法!)

「どこもかしこもバカばかりだ。お前らがバカなのは、ものを知らないからだ。世の中の実態・仕組みを知らないってことがバカなんだ。

世界は未曾有の危機だ。何が起きたって不思議じゃないんだ。そうなった時、お前らが住んでるこの国は、何が一番必要になってくるか分かるか?

『金』だ、『税金』だ。国はな、お前らにバカなままでいてほしいんだ。ただひたすら政府に従い働き続け、金を払い続ける国民であってほしい。

それを別の言葉で言い換えると何だ?

『馬車馬』だ。国は、お前らにただひたすら馬車をひく『馬車馬』であってほしいんだ。

世の中は平等で、自由で、差別なんてない、そう刷り込まれてきた。だが実際はそうじゃない。どんなに努力してもどんなに力を振り絞っても、本質を見抜く力がなければ、権力者と同じ土俵に立てないんだよ。

なぜ社会はこうなっているのか、どんな意図でこの仕組みを作ったのか、本質を見抜き、自分なりの答えを出す力をつける。その時はじめて、『馬車馬』は『人間』になれる。

そのためには勉強しかないんだ。勉強というのは、この国で唯一許された平等なんだ。搾取されたくなけりゃ、不満ばかりいう人生を送りたくなけりゃ、勉強しろ。バカとブスこそ東大に行け。」(一部割愛)

東大専科との勝負に負けた藤井(鈴鹿央士)を笑い者にする生徒たち。そんな彼らに向けて言った桜木のセリフ。

▶▶桜木の言葉は乱暴でありながらも物事の本質を見事についています。社会を牛耳っているのは頭の良い人たちであり、勉強でのし上がらなければ同じ土俵に立つことができません。

資本主義の社会では、情弱(情報弱者)や無知な人が、頭の賢い人たちにだまされ搾取される現実があり、だからこそ私たちは自分を守る手段として、リテラシーを磨いたり、情報を鵜呑みにせずにきちんと調べる力を身につける必要があるのでしょう。

 

すべての人に平等に与えられた『学び』の権利。私たちはその意義をあらためて見つめ直すべきなのかも知れません。

第4話(苦手が得意に変わる!令和の学力爆上げ勉強法!)

「子どもたちの強い意志をこわすもの、それは親の否定です。受験にとって一番の敵は、『どうせ受からない』という先入観、そして、それを一番植え付けるのは親なんです。」

自分の子が東大を目指すと知って学校に押しかけてきた専科の生徒の母親たち。そんな彼女らに向けて言った桜木のセリフ。

▶▶親が子どもに対して持ってしまいがちな「この子はこうだから」という決めつけ。それによって子どもの可能性の芽が摘まれてしまうことがあります。

 

子どもの成長のために必要なのは、過度に干渉することではなく、子どもの力を信じて見守ってあげること、さらには生活や心の面で支えてあげること、そういうことなんだと思います。

「受験にとって重要なことは、日常生活を大切にすることです。

とかく、受験のためにすべての時間を勉強に使わせたりして、家庭を非日常空間に変えてしまう。子どもは自分が家庭に負担をかけていると罪意識を感じ、やがてそれは重圧に変わり、受験を放棄してしまう。

そういった失敗をしないために、家庭の日常は変えないでください。日々の生活を大切にする生徒こそが受験に勝つんです。」

専科の母親たちに提示した『家庭の10か条』の補足説明として桜木が言ったセリフ。

▶▶「何かをしよう」と志したときに無理に気負うと、これまでしなかったことをしたり自分を追い込んだりして、生活のリズムそのものを乱してしまうことがあります。またそれは、やがて強いストレスに変わり、結果として勉強自体のパフォーマンスをも下げてしまいます。

 

受験生にとってごく当たり前のこと。意外と守れていない人の多い『日常を大切にすることの重要性』を、教訓として覚えておきたいものです。




第5話(限界を決めつけるな!生きたい未来を自分で作れ!)

「必要な『語彙力』とは確かな『語彙力』だ。受験生の多くは語彙力が低く、教科書を読んでもただ何となくとしか意味が分かっていない。でもその何となくが、受験にとっては命取りだ。」

大学共通入学テストでは『基礎力』と『語彙力』こそが大事だと生徒に説く桜木のセリフ。

▶▶普段、私たちがテレビや本で見聞きする何となく分かったつもりでいる言葉を、実際に説明しようとすると言葉に窮してしまう・・、そんなことがよくあります。

 

小学生でも分かるような言葉で説明できなければ、その言葉を本当に理解できているとは言えません。そうやって、考えること自体を面倒くさがる思考習慣こそが、語彙力の低下を生んでいるのでしょう。分からない言葉があれば自分が納得するまで徹底的に調べる、そう心がけたいものです。

「成功するのに必要なのは『苦労』じゃない、『楽しい努力』だ。」

語彙力を身につけるのに効果的なゲーム『マジカルバナナ』の実践後、桜木が言ったセリフ。

▶▶勉強を継続させるコツとしてよく言われるのが、『いかにして楽しんでできる環境をつくるか』ということです。ゲーム仕立てにしてもいいし、モチベーションを上げるために報酬を設けるなど、その方法はいくつもあります。

 

合理的かつ効率的に勉強するにはどうすればいいか――、そう考えること自体が、思考力を鍛える良いトレーニングになるのかも知れませんね。

第6話(夢を諦めるな!大切な友のために戦え!)

「試験で100%の力を出すためには、いつもの服装いつものルーティンでいつもの力を出す。これが本番で結果を出す最良の方法だ。」

桜木が朝の6時に生徒たちに制服を着せ、ラジオ体操をさせた理由。

▶▶「習慣の力」はすごいもので、一度習慣化して日々のルーティンに組み込まれると、意志の力を使わずに簡単に行うことができます。

 

しかしそれは、逆に言えば、習慣化されていない特別なことに対しては、余計な労力が必要であることを示していて、今回の桜木の東大本番と同じ生活リズムを作るトレーニングは、そういった意味で理にかなっていたのでしょう。

「読解力とは、作者が言いたいことは何なのかを理解し、簡潔にまとめる力のことだ。東大の読解問題は、同等・対比・因果の3つの構造を意識して作られている。

またこれは、国語に限ったことではなく、英数理社すべてにおいて必要なことだ。つまり読解力を身につければ、全教科において格段にレベルアップできるというわけだ。東大合格のカギは『読解力』だ。」

桜木が、3日間の合宿と特別講師・太宰府治(安田顕)の授業を通じて生徒たちに教えた読解力の意義。

▶▶読解力のない子どもたちが増えていると耳にしますが、実際、学校のテストで、問題文そのものの意味を理解できないという学生が多くいるそうです。

 

読解力は、言葉の意味が理解できない『機械(AI)』には持つことができない能力で、人間だけが持てる唯一の特性でもあります。特に、クリエイティブな仕事やコミュニケーション能力が必要な職種にとっては非常に重要な力で、逆にその力が必要のない事務職や単純労働職は、将来的に代替可能な『AI』に奪われるであろうと危惧されています。




第7話(生き残りをかけた東大模試!影で暗躍する陰謀!?)

「リスニングの第一段階は、ぼそぼそから始まる。泳げない人間が完璧なクロールを最初から泳ぐことはできない。まずはバタ足から、水に慣れることから始める。それと同じだ。ポイントは適当にやることだ。日本人はなぜか言語に関して完璧主義者が多い。

(中略)

完璧なんて目指さなくていい。まずは自信をもってしゃべることだ。言語が上達するコツはそこなんだ。」

英語特別講師・由利杏奈(ゆりやんレトリィバァ)の『ぼそぼそシャドーイング』の補足として桜木が説明した言葉。

▶▶完璧な言葉を話そうとは思わないこと。それは言語の習得において特に大切で、人とコミュニケーションをする際に、正確に言葉を話さなくても、だいたいは相手に言いたいことが伝わります。特に日本にいる外国人を見ると、そのことがより実感できます。

 

重要なのは、表面的な言葉より、相手に自分の気持ちを伝えようとする熱意や姿勢、表情などです。うまく話せないからと卑屈にならず、積極的に楽しんで海外の人と交流したいものですね。

「早瀬、お前は生まれ持っての幸運だ。普通の家庭、普通の両親、普通の学校に行っているということ、その『普通』が幸運なんだ。

早瀬、お前このままだと幸運を逃すことになるぞ。自分が幸運だと気づかない。そういう人間は、結局不幸な人生を歩むんだ。自分が幸運だと分からない人間は、現状に満足できない。ずっと何かを追い続ける。だがそこには覚悟がない。だから、ちょっとつらくなったらやめる。はい次、また次と長続きしない。

幸運にも次から次へと与えられたことが、お前の覚悟を弱らせている。そんな人間が幸せになれると思うか?絶対に合格してやる、その覚悟を持てれば、まわりなんか気にならない。幸せになりたかったら、お前は覚悟を決めろ。」

東大模試をきっかけに、自分には東大は無理だと決め込んで、途中で東大受験を投げ出した早瀬(南沙良)。そんな彼女に言った桜木のセリフ。

▶▶人は自分の不幸な境遇ばかりに目がいき、今幸せであることになかなか気が付きません。また、与えられる機会が多すぎるために、一つひとつの大切さが分からず、覚悟を持って行動することができません。

 

どんな結果になろうと、どんな困難が待ち受けていようと、与えられた機会に覚悟を持って挑むこと。そんな生きる上で大切にすべき人生訓を、桜木から教わった気がしました。

第8話(自分の人生を生きる覚悟を持て!巨大な陰謀の幕開け!)

「いい心構えだ。だが、ただがむしゃらにやっても意味がないぞ。模試のおかげで自分の現在地が分かっただろ。まずはそれを徹底的に活かす、すなわち『東大との距離』を知れ。

受験勉強というのはな、志望校との距離を縮める行為のことだ。どうしたらその距離を最短で行けるか、自分の現在の立ち位置から計算して、最速かつ確実に行ける戦略を練るんだ。」

模試E判定結果のリベンジを図って、朝から意気込む生徒たち。そんな彼らに言った桜木のセリフ。

▶▶自分の目指す目標への正確な距離を知り、そこから逆算して戦略を立てるのは非常に有効な手段です。決して高望みせず、自身の身の丈・能力に合ったゴール地点を設けること。そして、そこへ向けての道筋・プランを練ること、そういった基礎的な土台づくりが何より大切なのでしょう。

「岩崎、いくら親だからといって、お前が親の期待を一心に背負う必要は一つもない。親には親の人生がある。お雨にはお前の人生がある。お前が背負う必要があるのは、お前の人生だけだろ。

いいか、親ってのは化け物だ。誰よりも長くよくお前のことを思っている。そいつに理解させるためには、親子の縁を切るくらいの覚悟が必要なんじゃないのか?」

親を失望させることを恐れ、自分の思いをなかなか伝えれられない岩崎に言った桜木のセリフ。

▶▶誰かに認められたい、誰かの期待に応えたい。そうやって自分の人生まで犠牲にしてしまう人がたくさんいます。お見合い結婚や家の跡継ぎがその典型でしょう。

自分の人生に他人を介入させないこと。たとえ嫌われても、縁を切られても、わがままなくらいに自分の我を通すこと。そんな勇気が時には必要なのかも知れません。




第9話(東大&買収劇 W大逆転 前編!そして運命の共通テスト)

「いいか、東大に行くことで、お前らの未来の可能性は無限に広がる。自分の将来はまわりが決めるんじゃない。世の中の流れに乗るもんでもない。自分の人生は自分でつくる。人生はどうなるかじゃなく、どうするかだ。大きく強く踏み出せ。その一歩に全力で踏み込んでいけ。」

生徒たちが個々に語った『東大に行ったらやりたいこと』を聞いた後に言った桜木のセリフ。

▶▶思い思いに自分の将来について語る生徒たち。夢に向けて自分がどう行動するかで、未来の人生は大きく変わります。目標を明確にし、それに対する志を周囲に表明すること。また、受け身ではなく主体的に生きること。桜木の受験だけにとどまらない教えの数々は、いつも胸に突き刺さります。

「プライドが許さないか?それでは優秀な兄貴たちに勝てないか?

意地とかプライドなんかのために東大に落ちる。なりふりかまわず合格して、東大というスタートラインに立つ。お前はどっちを選ぶんだ

藤井、まわりばかり気にして生きるのはもうやめろ。親や兄弟に何と言われようと、文転することは決して恥じゃない。

いいか、東大はただのスタートだ。誰かのためにとか、認めてもらいたいじゃなく、自分のために東大に行け。文系だろうが理系だろうが、東大は東大だ。恥も外聞も全部捨てて、死にものぐるいで受かる道を選べ。」

「文転(=理系志望の人が文系へと進路を変えること)をしてまで東大に行きたくない」と進路変更に難色を示す藤井。そんな彼に対して言った桜木のセリフ。

▶▶兄貴たちが有名な科学者で、自分も彼らみたいにならなければならないと思い、理系の進路を志望してきた藤井。しかし、その固執こそが東大合格への最大の足枷になっていると桜木に指摘され、彼は進むべき道を変えることを決意します。

 

つまらぬプライドや見栄は捨て、時にはずる賢い選択をとること。定型的な生き方を否定する桜木の言葉には、妙な説得力があります。

最終話(東大受験&買収劇 W大逆転 完結!涙の合格発表!)

「ちがうよ。あの日、お前を助けたとき、なんか・・、嬉しくて。前の自分じゃ絶対助けたりしなかった。でも助けに行けたんだ。そういう自分になれたことが嬉しくて、その後の試験も興奮しちゃって。でも後悔してないから。」

大事な二次試験で、手首を怪我してまで健太(細田佳央太)を助けた藤井。その後、健太に「もしかして自分のせい?」と尋ねられて、思わず彼が返した言葉。

▶▶健太のことをからかったり、人を小馬鹿にしたりと、性格の悪さが目立った藤井が見せた精神的な成長。「東大に受かりたいならその性格をなおせ」と桜木に説教された彼がここまで変わることができたのは、やはり専科の仲間とともに過ごした時間があったからでしょう。

 

残念ながら東大合格は叶いませんでしたが、それより大切なものを彼は学ぶことができたようです。

「この中で一番まぬけで使えないのは、あなたですよ。あなたの娘は理事長として立派だった。学園の柱として重要なのは経営手腕じゃない。教育者としての強い信念、教師たちや生徒たちを思う気持ちだ。

学園を支え守れるのは、トップに立つ人間の揺るがない信念。久美子理事長にはそれがあった。」

坂本(林遣都)と米山(佐野勇斗)が裏切り、プロジェクトリーダーの松原(市川右團次)が離脱したことで、完全に頓挫した学園買収計画。そのことに苛立つ先代(木場勝己)が言った「学歴だけ立派で、バカでまぬけで使えないやつばかりだ」に対する桜木の反論。

▶▶根本的な教育理念に関しては、桜木と理事長とでは反りが合いませんでしたが、学校のことや、生徒のことを思う気持ちでは共通点が多くあったようです。教育のあるべき姿を語る桜木の弁舌には、いつもながらに熱を感じます。




用語集

かぼちゃ (3話)

秋を彩るたくさんのミニかぼちゃ

本質を考える力を養うために水野が出題した問題『日本のかぼちゃの産地でメキシコ・ニュージーランド・北海道が多いのはなぜか?』の題材となった野菜。

日本でメキシコ産とニュージランド産のかぼちゃが多いのは気候の問題が関係していて、温暖な気候を好むかぼちゃは寒い時期に採れないので、日本が冬のときは年中暖かいメキシコもしくは、南半球で季節が真逆のニュージランドから輸入しています。

また、北海道の生産量が多いのは、日本で主に栽培されているかぼちゃの品種が「寒冷な場所」を好む『西洋かぼちゃ(くりかぼちゃ)』だからです。

unite (3話)

英単語を覚えるコツとして水野が紹介した、具体的な単語例。

『unite』の『uni』には『一つ』の意味があり、『unite』で『一つのものにすること』を表します。ここから『団結する、結合する、提携する、結合させる、併せ持つ』の和訳が生じました。

『uni』のつく英単語には他に次のようなものがあります。

uniform(ユニフォーム)▶▶チームで一つの服に統一。
university(ユニバーシティ)▶▶色んな学部を一つにしたもの(=大学)。
unicorn(ユニコーン)▶▶一つの角をもつ生き物。
uniqlo(ユニクロ)▶▶『Unique(独自の)Clothing(衣類)Warehouse(倉庫)』の略。unique(ユニーク)は「他にはないたった一つの個性」という意味。

party  (3話)

「英単語を覚えるには語源を調べるのがよい」という水野の教えに従って、東大専科の生徒たちが調べた英単語。

『party(パーティ)』の語源は、部分(part)+集合体(y)で、そこから以下のような和訳が生じました。

●「パーティ」・・一部の人が集まって楽しむから。

●「政党」・・考えが同じ一部の人が集まって協力するから。

●「一行、一団」・・全体の集団における部分的集団、すなわちグループのこと。

●「事件・契約の相手、当事者」・・事件などの物事全体における部分的関係者。

スタディサプリ  (4話)

リクルートが運営するWEB学習サービスで、大学受験予備校と同じ質の高い授業を、インターネットを通してパソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末で視聴できます。

また、何を理解し、何を理解できていないかが学習履歴としてデータ化されるため、目に見えるかたちで自分の得意・不得意が分かります。

バカはちまき  (4話)

解けない問題にぶつかった際に巻くはちまき。解けるようになったら外し、解けないとまた巻く。これを繰り返すことで、解けない問題がいずれなくなる。

2005年版『ドラゴン桜』では、成績最下位の生徒が巻かされていました。

威力業務妨害罪(いりょくぎょうむぼうがいざい)  (4話)

――刑法第234条。『威力』を用いて他人の業務を妨害する罪のこと。

『威力』とは人を「ビビらせる」行為、すなわち、暴行や脅迫をしたり、社会的地位や集団的勢力を誇示したりすることを言います。

偽計業務妨害罪(ぎけいぎょうむぼうがいざい)  (4話)

――刑法第233条。虚偽の風説の流布(=根拠のない噂を世間に広めること)、もしくは『偽計』などによって業務妨害を行う罪のこと。

『偽計』とは、人の無知や間違いを利用して、騙したり・誘惑したりすることです。

数の暗黙知  (4話)

算数のワークブック

暗黙知とは「考えなくても感覚でやれる力」のことで、自転車に乗るときのように、意識せずに感覚で計算問題を解けるようになる力のことを言います。




家庭の10か条 (4話)

桜木が専科の親たちに向けて提示した、家庭で守ってもらいたい10個のルール。

①一緒に朝ごはんを食べること
②何か一つでも家事をさせること
③適度の運動をさせること
④毎日、同じ時間に風呂に入らせること
⑤体長の悪い時は、無理をせず休ませること
⑥リビングはいつでも片づけておくこと
⑦勉強に口出ししないこと
⑧夫婦仲良くすること
⑨月に一度、家族で外食すること
⑩この10か条を父親と共有すること

大学入学共通テスト (5話)

毎年1月中旬に行なわれる、東大を目指す者にとって第一関門となる試験。5教科7科目900点満点で、約750点以上獲得しないと東大二次試験を受験できません。

ハンミョウ (5話)

カラフルな模様のハンミョウ

「ハンミョウ」は、コウチュウ目オサムシ科に分類される昆虫の総称で、後ろを振り返るしぐさをすることから、別名で『ミチシルベ』『ミチオシエ』と呼ばれています。

大きさは20mm前後で、体色は赤・青・緑など。近年になって生息地が減少し、群馬・佐賀では「絶滅危惧Ⅱ種」に、青森・栃木・東京では「準絶滅危惧種」に指定されています。

マジカルバナナ (5話)

確かな語彙力を鍛えるために東大専科で実践された某テレビ番組のゲーム。

お題の言葉から連想される同義語・対義語・類義語・関連語をリズムに乗せて答えます。ドラマ内では、漢字2文字の言葉に限定されていました。

空 (5話)

5話で出題された漢字パズル(下図参照)の答えとなった漢字。

漢字パズルの問題

答えの『空』には次の3つの意味があります。

①文字通り、空(そら)という意味。▶夏空、青空など
内容のない、からっぽのという意味。▶空白など
ウソという意味。▶空耳など

走れメロス (6話)

「走れメロス」は、「メロスは激怒した――」の冒頭で始まる有名な小説で、自身の処刑の代わりに友を人質にとられたメロスが、困難に屈せずに約束を見事守り、人を信じることができない暴虐な王を改心させるというのが主なストーリーです。

作者は、「人間失格」「斜陽」などの作品で知られる「太宰治(※1)」です。

(※1)太宰治(だざいおさむ)【1909-1948】・・日本の小説家。「太宰治」はペンネームで、本名は津島修治。薬物依存や自殺未遂など、波乱に満ちた生涯を送り、作品にもそれが投影されている

ポークカレーとだし巻き卵(ほうれん草入り) (6話)

食欲そそるカレーライス

東大専科合宿の夕飯メニュー。

メニューには意味があり、『豚肉』のビタミンB1には疲労回復効果が、『ほうれん草』と『卵』には脳に良い必須アミノ酸が多く含まれています。

同等・対比・因果関係  (6話)

論説文の構造となる3つの関係。

『同等関係』とは、2つの文章を「つまり」などでつなぐこと。『対比関係』とは、主張を明確にするために反対のものを示すこと。『因果関係』とは、【原因】▶【結果】もしくは、【結果】▶【原因】で表すことです。

シャドーイング(Shadowing)  (7話)

聞き取った英語を真似して発声するトレーニング方法。英文を聞き終えてから繰り返す『リピート』と違い、『シャドーイング』では、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけて復唱します。

「リスニング力向上」「語彙力アップ」「スピーキング力強化」の3つの効果が期待されます。




東大模試6カ条  (7話)

桜木が専科の生徒たちに発表した、東大模試で覚えておくべき6つのこと。

その①「東大模試を年6回受ける」

その②「国語は必ず古文から始める」

その③「数学は言葉で方針を書く」

その④「必ずおやつを持っていくこと」

その⑤「社会は既習範囲しか出題されない」

その⑥「リスニング試験でメモをとるな!」

東大の各科類  (8話)

桜木が生徒たちに説明した東大の科類ごとの特徴。

理系の「藤井・天野・岩崎・健太」には『理科二類』を、文系の「小杉・早瀬・瀬戸」には『文科三類』を受けるようにすすめました。

理科一類(333点)・・難易度は低いが志望者数が多く、合格最低点が高い。
理科二類(314点)・・ここ数年最低合格点が低く、年によっては5割以下で合格可能。東大への一番の近道。
理科三類(376点)・・論外。宇宙人が入れるレベル。
※( )内は2021年度共通テスト・二次試験の合格最低点(満点は550点)。

文科一類(最高難度)・・天才ばかりが集まり難関。
文科二類(論理的思考力が必要)・・頭脳明晰・論理的思考力に長けた人間がゴロゴロいる。
文科三類(募集枠が最大)・・共通テストで8割取れれば、二次試験が6割でも合格可能。

性格診断  (8話)

水野が生徒たちに実施した性格診断テスト。

■テスト「気になる本が何冊かある時どうする?」


A同時並行でいろいろ読む
B読み終わってから次の本を読む

タイプ1『拡散型』
(A)を選んだ人。該当者は、瀬戸・岩崎・早瀬・健太。
――興味を持ったらすぐに行動に移せるタイプ
▶▶キーワードは『ワクワクすること』
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【拡散型の夏休み五ヶ条】
①勉強する場所は気分で決めろ!
②ノルマは5日間の中で、自由に調整しろ!
③憧れの人をロールモデルにしろ!
④テンションが上がる問題集を一冊見つけろ!
⑤ゲーム感覚で、ハイレベルな問題に挑戦しろ!

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タイプ2『保全型』
(B)を選んだ人。該当者は、藤井・小杉・天野。
――きちんとやりたい、失敗したくないという思いが強いタイプ
▶▶キーワードは『自信と安心の積み重ね』
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【保全型の夏休み五ヶ条】
①勉強する場所は固定しろ!
②1日ごとにノルマを決めろ!
③仲間に進捗状況を報告しろ!
④今持っている問題集を徹底的にやれ!
⑤最初からハイレベルな問題に手を出すな!

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寄附行為(きふこうい)  (9話)

学校法人の運営を定めた根本規則。いわゆる、企業の定款(基本原則)のようなもの。

学校法人は旧民法上、財団法人に分類され、財団法人設立のための財産寄附を「寄附行為」と呼んでいたことに由来します。

共通テストの心構え5か条  (9話)

桜木が専科の生徒たちに発表した、大学入学共通テストで覚えおくべき心構え5つ。

①終わった教科のことは考えるな

②難しい問題にとらわれるな

③一日目の試験後は一人で帰れ

④答えを問題用紙に書いておけ

⑤自分さえ良ければいいと思って挑め


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