こんにちは、
りんとちゃーです。
連続して起こる不可思議な殺人事件と、その被疑者との魂の入れ替わり。さらには、真犯人の正体と謎の解明など、後半の展開が非常に面白かったこのドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」は、時代を彩る名役者2人(綾瀬はるかと高橋一生)が主役を務めたことでも話題になりました。
そんなドラマの名場面・名シーンを思い出せるよう、以下のことをまとめました。
■ドラマ情報(基本情報と登場人物)
■各話ごとの名言・名セリフと気になる用語の解説
それでは、ドラマの名言・名セリフとともに内容を振り返ってみましょう。
ドラマ情報
基本情報
天国と地獄 ~サイコな2人~
――TBS系 毎週日曜夜9時~ 2021年1月17日から3月21日まで放送
■公式サイト
▶【https://www.tbs.co.jp/tengokutojigoku_tbs/】
■脚本:森下佳子
■音楽:髙見 優
■編成・プロデュース:渡瀬暁彦
■プロデュース:中島啓介
■演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木 彩
■主題歌:手嶌葵「ただいま」(ビクターエンタテインメント)
▶公式MV【https://youtu.be/0IueDUcDmRY】
登場人物(キャスト)
●望月 彩子【もちづき あやこ】(綾瀬 はるか)・・上昇志向で高い理想を持っているが、なかなか手柄をあげられない捜査一課の女性刑事。いつも手柄を持っていく主任の河原のことを敵対視している。口癖は『べき』で、好物はハイボールと一緒につまむ『ミックスナッツ』。
●日高 陽斗【ひだか はると】(高橋 一生)・・ボストンで分子生物学を研究し、帰国後にコ・アース社を設立したやり手の社長。猟奇的サイコパスとしての裏の顔を持つと思われていたが、実際は兄思いの心優しい人柄。
●河原 三雄【かわら みつお】(北村 一輝)・・捜査一課のベテラン主任刑事。捜査のやり方は汚いが、手柄・成果を多くあげているために署内での評価は高い。平気で下ネタを言うことから、彩子に『セク原』と呼ばれている。
●渡辺 陸【わたなべ りく】(柄本 佑)・・彩子の家に居候中。いつも彼女にお手製の料理を振るまっており、彼女の役に立つことが彼の生きがい。便利屋(ハウスクリーニング屋)の仕事を始めたきっかけは、「何でも自分でできるようになりたい」と思ったから。
●東 朔也 【あづま さくや】/湯浅 和男【ゆあさ かずお】(迫田 孝也)・・陸の職場(便利屋)の師匠。日高の生き別れの双子の兄であり、一連の連続殺人事件を企てた真犯人のクウシュウゴウ。膵臓がんを患っており、医者から余命半年を宣告されている。
●八巻 英雄【やまき ひでお】(溝端 淳平)・・捜査一課の刑事。彩子の後輩で彼女の相棒。いわゆる「ゆとり世代」で、彩子に『ゆとりハチマキ』の愛称をつけられる。
名言・名セリフ一覧
第1話
「警察官たるもの、上の指示には従う『べき』じゃないですかねぇ?」
捜査権を奪った主任刑事の河原(北村一輝)が彩子(綾瀬はるか)に言ったセリフ。
▶▶とても嫌味な言葉です。いつも「べきべき」言う彩子に対して、皮肉をこめて従う『べき』と言ったところが彼らしいですね。
「ほんまの正義感があるなら、普通はようやったやろ。それなのにお前の恨みがましい顔は何や?お前にあるのは正義じゃない。上に立ちたい、手柄を立てたい、それだけやろ。」
彩子に「あなたのやり方は違法捜査だ」と批難されて、主任の河原が思わず返した言葉。
▶▶何事も曲がったことが大嫌いで正攻法をつらぬく彩子と、金や権力を利用してでも手柄を立てる主任の河原。対照的な正義を振りかざす2人ですが、それぞれ目指しているところは同じみたいです。
「本当は、月は太陽に、太陽は月になるはずだったんです。でもシヤカナローの花を盗んだせいで運命は入れかわったんです。」
彩子と日高が入れかわった後、彩子【魂:日高】が相棒の八巻(溝端淳平)に語った『月と太陽』の伝説。
第3話
「あなたは私で、私はあなたです。どうかお忘れなく。」
スマホ動画で殺人の実況中継をしながら彩子【日高】が、日高【魂:彩子】に語ったセリフ。
第4話
「警察だって来たくて来てるんじゃない、仕事だから来てる。」
コ・アースの営業取引先の相手が、警察捜査を受けたことに対して不満をもらしたので、日高【彩子】が思わずこう一言。
▶▶日高の中身は彩子なので、警察がディスられたことに我慢できなくなったようです。
「知りたいから・・、日高陽斗という人間を。」
日高の殺人の動機が気にかかり、電話で彩子が彼に尋ねた言葉。
第5話
「これは、いわば九十九(つくも)なりのマウンティング(自分の優位性を誇示すること)でしょう。
男は嫉妬とメンツの生き物ですからね。『半沢直樹』で散々やっていたじゃないですか。」
九十九(中尾明慶)が日高に関するネガティブ情報をネットに流したことで、コ・アース社は炎上。その行動の理由を、彩子【日高】が日高【彩子】に説明した時のセリフ。
▶▶まさかの『半沢直樹』!?。日曜劇場の番組枠なので、引用するのもありかも知れません。ちなみに、半沢に嫉妬してたのは、言わずと知れたあの「O(オー)常務」です。
「彩子ちゃんは、絶対に逃げない。大荒れしても、傷ついても、失敗しても、ビビらない。
自分にはできないなぁ。彩子ちゃんといると、2人分の人生を生きているような気がする。」
日高【彩子】から家を出るようにと勧められていた陸が、「やっぱり家に戻る」と彼女の要望を拒否。その会話の最後につけ加えた、彼が彩子と一緒に生活する中で感じてきた思い。
▶▶陸が彩子【日高】とあえて同居することを選んだ理由が、ここにあるように思えました。彩子に早く戻ってきて欲しくて、そのために自分が何かできることをしたい ――。そんな彼の切実な思いが根底にあったのではないでしょうか。この言葉を聞いた後に日高【彩子】が言った「ありがとね、陸」のセリフがとても印象的でした。
第7話
「誰にも覚えられない、誰にも振り返られないのは君の才能だ。」
漫画『暗闇の清掃人Φ』で主人公がミスターXに告げられた言葉。
▶▶この後に主人公は『Φ(クウシュウゴウ)』のコードネームをもらい、殺人現場に「そんな人はいないよ」という意味の『Φ』のサインを残していきます。
「自分の手を動かして、汗水流して働いている人が報われるべきだと俺は思うんだ。
ゴミ収集、駅の掃除、病人のお世話 ・・・どうにもならないところに手を動かして仕事をする人たちがいる。そんな人間が認められることこそが『まっとう』なんじゃないのかな。」
陸の「自分で何でもできるようになりたくて便利屋になった」という言葉に強く共感して、師匠の湯浅(迫田孝也)が言ったセリフ。
▶▶世の中には、汗水流して働く労働者もいれば、まったく身体を動かさずにお金を稼ぐ人もいて・・そんな認められるべき人が報われない不条理な社会へ失望する、彼の哀しい心の声が聞こえてくる言葉でした。
第8話
「フォロワー100万人の人気者であれ、死んでも誰も気づかないおっさんであれ、悪人だろうが、善人だろうが、どんな人でも殺されてはいけないし、同時に誰かを殺すことは許されない。
どんな事情でも、ここを譲ったらいずれはなし崩しになってしまう。世の中には、死守すべきルールってものがあると思わない?」
殺されるべき悪人がいるという日高の主張に対しての彩子の反論。
▶▶世の中の『あるべき姿』をつくるために刑事になった、いかにも彩子らしい言葉です。正しき殺人などはあってはいけないことで、どんな事情があったとしても、人を殺すことは社会的・倫理的に許されません。人として守るべきルールにこだわる彼女の信念を、その言葉のうちに感じました。
第9話
「あんたはクウシュウゴウなんかじゃないんだからね。ちゃんといるんだから、あんたのことが好きで、心配して、そうやって守ってやろうと思う人が、あんたのために犯罪者にでもなってやろうという人が――。
そんな人がいるのに、いるのにいないとか寝ぼけたこといってるんじゃないよ!
私は、あんたを憐れんだりしない。今までどんなひどい目にあったとしても、どんな人生だったとしても、こんなに思っている人を叩き落とせるなんて、あんたは正真正銘のサイコパスだから!」
奄美に向かうフェリーで偶然鉢合わせした東(迫田孝也)に対して言った彩子のセリフ。
▶▶普段自分のことでしかムキになることのない彼女が、はじめて他人のことで激昂した瞬間。ものすごい剣幕で語る彼女の言葉には圧倒されてしまいます。彼女がここまで日高に共感したのは、きっと入れ替わりの経験があったからだと思います。日高という人間になって、実際に彼の周囲の人と会って話をして、彼という人間がよく分かったからこそ強く感情移入してしまったのでしょう。大人になって家族を持つことで親の気持ちが分かるように、相手と同じ境遇になってはじめて、相手のことが分かるようになるのかも知れませんね。
第10話(最終話)
「サイコパスであるお前は、お兄ちゃんに死をプレゼントしてあげた?
じゃ、なぜまた奪う?この殺人はお兄ちゃんの声じゃないのか?
立場の弱い人間がいかにたやすく奪われるか。そして、立場の強い人間が最後にはこういう風に奪われることになる――
そんなことが言いたかったんじゃないのか?
やってることは人殺しだ。でも、声は声だ・・。お前はその声を奪う正義はあるのか?たかが女一人のために。」
東の個人データを読んだ後に河原が日高に告げた熱いメッセージ。
▶▶多くのものを奪われて続けてきた東の過去の経歴を見せ、それと関連付けるようにして日高に伝えた「お前は兄の声を奪っている」という言葉。示唆的な「奪う」の連続からのこの発言に、思わずはっとさせられました。
東が殺人を犯し続けたのは、社会の不条理や、裁くことのできない悪人の顛末をメッセージとして残すためであり、存在しないことの象徴である『Φ(=クウシュウゴウ)』は、『自分はここにいるのだ』ということを世の中に必死に示そうとする、一人の人間の魂の声だったのかも知れません。
「私は10歳の頃、警察官になることを決意しました。その理由は濡れ衣を着せられたから。そんな私が、誰かに濡れ衣が着せられることを見過ごせると思う?
これを見て見ぬ振りすれば、私は『私の正義』をなくす。警察官をやるべきでないと、自分に自分で引導を渡すことになり、どっちみち辞めることになる。
頭良いくせに、どうしてそんなことがわからないかなぁ。
私に『私の正義』を守らせて。
私を守りたいと思うなら、あなたは私のために本当のことを言う『べき』でしょ。――日高陽斗、やったのはあなたじゃありませんね?」
東がSDカードに記録した殺害の告白映像を見ても「自分がやった」と主張を変えない日高に対して、彩子が言ったセリフ。
▶▶魂の入れ替わりの影響で、お互いを必死に守り合おうとする日高と彩子。ずっと彩子が罪に問われないようにかばい続けてきた日高ですが、「本当に守るべきは『私の正義』じゃないの?」という言葉に、さすがの彼も心を動かされたみたいです。涙ながらに答えた最後の日高の「はい・・」が印象的でした。
気になるワード
運命(1話)
ベートーヴェンの交響曲第五番第1楽章のことで、オープニングや挿入BGMとして多用されています。あの有名な「ジャジャジャジャーン」です。オーケストラや木管アンサンブルなど、状況によって色んなバリエーションで流れていました。
シヤカナローの花(1話)
ドラマのモチーフとなった、奄美大島に伝わる『太陽と月の伝説』で登場する花。
奄美の言い伝えにこういう一文があります。
「昼の太陽は、本当は夜の月であるべきで、夜の月は昼の太陽であるべきだった。」
■『太陽と月』伝説のあらすじ
昼の太陽と夜の月は、「シヤカナローの花」がお腹に咲いた方が、太陽になるという約束をしました。ところが、先に目覚めた太陽が、先にお腹に咲いていた月の「シヤカナローの花」を盗んで自分のお腹に移してしまいます。その結果、月は夜に、太陽は昼に出ることになったのです。
路線変更(2話)
彩子になった日高が、言動がいつもと違うこと(化粧、敬語など)を周囲に怪しまれないようにするために使っていた言葉です。
ナッツ(2話)
彩子の大好物のおつまみで、ハイボールと一緒に食べるのが彼女の楽しみです。一方の日高は重度の『ナッツアレルギー』で、おつまみはいつもチョコ。
ロケーション履歴(2話)
iPhoneに記録される行動履歴のことで
①「設定」⇒「プライバシー」
②「位置情報システム」
③「システムサービス」
④「利用頻度の高い位置情報」
の順でタップすることで、行動履歴一覧が表示されます。
セク原(2話)
彩子と八巻だけが使っている河原主任のあだ名。
彩子に対してセクハラな言動をするので、この名前をつけました。
ケロッグ五十嵐(2話)
彩子と八巻だけが使っている五十嵐(いがらし)管理官のあだ名。
いつも風向き(周りの顔色)ばかり伺うところが「風見鶏」みたいなので、同じものが商品のパッケージに描かれているコーンフレークの「ケロッグ」社の名前をつけました。
のびーる新田(2話)
彩子と八巻だけが使っている刑事部鑑識課の新田のあだ名。
語尾がやたら伸びるところからこの名がつきました。
ゆとりハチマキ(2話)
彩子が八巻につけたあだ名。
注文した明太子おにぎりが売り切れだったところ、明太子の揚げせんを代わりに買ってきたのでこの名前がつきました。
ゆとり世代で機転が効かず、どこかズレているところを皮肉った言葉でもあります。
デンツのバイカラー(3話)
デンツ(DENTS)は世界最高級手袋(グローブ)ブランドで、1777年にイギリスでジョン・デントが創業。
「バイカラー」(いわゆる「ツートンカラー」)は、1つのアイテムの中に2つの色を使っているデザインのことを言います。
『4』(3話)
彩子【日高】が歩道橋で見ることになった赤ペンキで描かれた数字。
これと「新月」が物語の重要なカギとなっていて、実際にこれを見たことで、彩子【日高】は新たな犯行を計画することになります。
Curiosity killed the cat. (5話)
英語のことわざで、意味は「好奇心は身を誤る」。
好奇心旺盛なネコほど、毒のある物をうっかり食べたり、危険な物にすぐ近付いてしまって、自らの命を危険にさらすというのが言葉の由来。
「事件には絶対に真犯人の存在がある」と希望的観測をする日高【彩子】の言葉を聞いて、彩子【日高】が思わずこうつぶやきます。
『空集合(Φ=ファイ)』 (6話)
数学用語で、共通の要素を一つも持たない状態のこと。
たとえば、集合A{1,2}と集合B{3、4}の中に共通の数字はなく、A∩B(AかつB)を満たすものは存在しないという意味で、「空集合(Φ=ファイ)」を用います。
トルヒノーム (7話)
膵臓がんの薬。東朔也が携帯し服用していたもので、陸の師匠の湯浅もこの薬を所持しています。
『朔(さく)』(7話)
「朔」とは月と太陽が同じ方向に来るときのことで、「新月」とほぼ同義。「朔也」という名前はこの「朔」に由来していて、意味は「新月なり」です。
SSBC(8話)
捜査支援分析センター(Sousa Sien Bunseki Center)の略称。
2009年に警視庁刑事部に設置された犯罪の広域化に対応した即応部隊で、捜査支援システムによって捜査情報を分析し、捜査員の支援を行います。
知らぬが花(9話)
「本当の事を知ってしまうと不愉快な気分になることもあるので、知ろうとし過ぎない方がいい」ということわざ。
本来は「知らぬが仏」ですが、こう表現する場合もあります。陸の師匠の湯浅(東朔也)の口癖。
SDカード(10話)
SDカード(Secure Digital Card)は、SDメモリーカードの通称名で、主に携帯機器や家電機器のデータの外部保存(外部記憶装置)として用いられます。
事件現場の防犯カメラの記録用に使われていました。
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