【月9ドラマ】「イチケイのカラス」第2話のあらすじと感想(ネタバレあり)

周囲をうかがう一羽のカラスドラマ

 こんにちは、

 りんとちゃーです。

先日の4月12日(月)にドラマ「イチケイのカラス」第2話が放送されましたが、皆さんはご覧になられましたか?

「黒木華」と「竹野内豊」が主演をつとめる法廷ドラマ第2回のストーリーは以下のようなものでした。

第2話のあらすじ


一歳半の娘を虐待したとして有罪判決を受けた料理研究家の深瀬瑤子(前田敦子)。彼女の差し戻し公判を審議することになった東京地裁第三支部ですが、どうやらその裁判には最高裁事務総長の息子、香田隆久裁判官(馬場徹)が一審を務めたという背景があるようで・・。そんな、判決をくつがえすことそのものが否とされるセンシティブな案件に、第一刑事部(通称:イチケイ)の入間(竹野内豊)たちが挑みます。

記事では、以下のことをまとめています。

主要登場人物の紹介
第2話のあらすじと感想+気になる用語の解説
ドラマ情報(公式サイト・スタッフなど)

ドラマを見逃した人でも物語の大まかな概略が理解できるように、なるべくセリフを交えて詳しめにまとめました。

ストーリーの把握や内容のおさらいとしてご活用ください。




登場人物

坂間 千鶴(黒木 華)・・東京地裁第三支部の第一刑事部(通称:イチケイ)に配属された裁判官。何事も合理的に考えるタイプ(いわゆる堅物)で仕事は機械的にこなす。ストレス発散のために大量のお肉を食べることがある。
入間 みちお(竹野内 豊)・・常識にとらわれない型破りなスタイルで事件の真相を調べ上げるくせ者裁判官。千鶴とは対照的なゆるい性格で、ふるさと納税の返礼品を収集するのが趣味。元弁護士で、過去のある出来事がきっかけで裁判官をしている。
駒沢 義男(小日向 文世)・・刑事部の部長。東大法学部出身。現代の司法を立て直そうという野心から、入間に裁判官になるように依頼。入間には『たぬきおやじ』と呼ばれている。
石倉 文太(新田 真剣佑)・・書記官で元傍聴マニア。みちおの大ファンで、彼の話を最前列で見るために書記官の職に就いた。家はそば屋。千鶴に対して好意を持っている。
日高 亜紀(草刈 民代)・・日本に15人しかいない最高裁判所の裁判官の一人。通称『女帝』。千鶴と同郷で、地方研修所の教官を務めていた。入間を見知っており、過去に大きな因縁がある。

井出 伊織(山崎 育三郎)・・上司である主任検事、城島怜治とともに行動する東京地裁第三支部の検事。冷静沈着で頭脳派の印象が強いが、ペースランニングの趣味ががあったりと実は体力派。




あらすじと感想

周囲をうかがう一羽のカラス

イントロダクション

とあるニュース報道――。

一歳半の長女を虐待させたとして、料理研究家の深瀬瑤子(前田敦子)が逮捕。

子どもに「SBS(乳幼児揺さぶられ症候群)」の兆候があるとして、東京地裁は彼女に懲役2年6ヶ月の有罪判決を言い渡します。

■気になる用語『SBS(乳幼児揺さぶられ症候群)』


激しく揺さぶられて、赤ちゃんの脳などが傷つき、様々な障害が引き起こされてしまうことを「乳幼児揺さぶられ症候群」と言い、欧米では「Shaken Baby Syndrome:SBS」と訳される。

場面は変わり、法曹界の野球大会場――。

試合の最中に日高(草刈民代)から電話を受けた千鶴(黒木華)。

彼女に会いに行くと、最高裁事務総長の香田健一郎(石丸謙二郎)を紹介され、彼から、第三支部の問題児、入間みちお(竹野内豊)の問題行動を監視・改善するように念押しされます。

取り扱い要注意案件

後日、入間に対して問題行動改善案を律儀に紙面にして突きつける千鶴ですが、野球の試合の話題に変えられて上手く逃げられてしまいます。

【入間の問題行動】
・気分でひげを生やす。
・法服で外出。・法壇を勝手に降りる。
・気になるたびに職権発動、捜査を行い、支部の赤字を増大させる。

そんな折、部長の駒沢(小日向文世)から合議制で扱いたい差し戻し案件があると話を持ちかけられます。

駒沢の話した案件の概要は次のようなものです。

【案件概要】
被告人:料理研究家 深瀬瑤子

 

2年前、当時1歳半だった我が子を虐待させたとして有罪判決。
子どもに後遺症はなく、回復して現在は3歳。

 

送検時に笑っていたことから、『鬼女の微笑み』という異名を付けられ、そのことが原因でSNSで誹謗中傷の的になる。

 

被告人は虐待を否認し、控訴。しかし差し戻しを受けてしまう。

高裁が自ら判決を下さずに、第三支部に差し戻した理由は、第一審での裁判長の存在が大きいと考えられる。なぜならその裁判長(香田隆久)は、事務総長(香田健一郎)の息子だったから。

 

裁判官にとって判決をひっくり返されることは由々しきこと。今回の案件はとてもナイーブで、取り扱い要注意とみるべき。

■気になる用語『差し戻し』


訴訟において、上級審が判決を破棄する場合にとられる処置のことで、事件は第一審に戻してもう一度審理することになる。

▶▶事務総長の息子が下した判決を再審議することに恐れを感じた上級裁が、第三支部に審議の場を差し戻すという構図。危険なもの、腫れ物には触れないようにしようとするその私利的な行動に、法曹界の根強い闇を見たような気がしました。

案件を聞いた千鶴は、合議制ではなく、単独制での裁判にするように駒沢に申し出ます。

どうやら、彼女は身の危険を感じ保身に走ったみたいで、その内情を彼女は隠すことなく堂々と明言します。

「人事のトップを的に回すのは、百害あって一利なし。100%保身ですが何か?」

しかし、そんな千鶴の言い分は却下され、駒沢の一声で合議制での審議の方向に話は進みます。

もちろん、裁判長を務めるのは案の定、入間みちお。彼女は、「また、何かやらかすのでは・・」と一抹の不安を覚えます。




第一回差し戻し公判

被告人の深瀬瑤子(前田敦子)が入廷し、傍聴席には香田隆久裁判官(馬場徹)が着席。

公判を聴きにやって来た香田の登場で、法廷はどこかピリピリとしたムードに包まれます。

▶▶よく見ると傍聴席にミルクボーイの姿が・・。前回はチョコレートプラネットの2人がみちおの熱狂的ファンとして来ていましたが、どうやら今回は彼らみたいです。事件の被告人の深瀬瑤子役を前田敦子さんが演じていたりと、さすが月9の枠だけあって役者が豪華です。

開廷――。

被告人の陳述が始まります。

「私はやっていません。我が子の虐待などやっていません。」

この被告人の無罪の主張を聞いた入間は、にやりと喜びの表情。

その後、検察から事件の背景の説明があります。

【事件背景】
平成30年11月9日

 

当時育児ノイローゼで軽いうつ状態だった被告人は詩織ちゃんと密室で一緒に過ごす。

 

その後、彼女が仕事に出かけ、夫の啓介さんが託児所に詩織ちゃんを預けようとしたところ、彼女の手が動かないことに気付き、病院に緊急搬送することに。

 

――もし、あなたがやっていないのならば、なぜSBSの兆候が現れたのですか?

そんな検察の主張を聞いて入間は、次のような疑問を投げかけます。

「SBSが子育てのなかで、不可抗力で起こることはないのですか?」

対して検察は「1秒間に2、3往復以上を5~10秒続けるなんてことが、不可抗力で起こることはない」と反論。

そのイメージがなかなか湧かない入間は、実験をしたいと申し出ます。

結局、千鶴が入間に揺さぶりを実演する流れになり、その揺さぶりの激しさを体感した入間は「これは虐待だ」と納得することになります。

続いてSBSを診断した専門医による証人尋問。

証人は、小児科医の足達克巳(金井勇太)です。

まず、弁護人(西尾まり)が証人に質問を投げかけます。

「未診断の疾病で、SBSの症状が起こる可能性があると聞きましたが・・」

▶小児科医足達の回答:「しおりちゃんのケースにはそれはあてはまりません。」

さらに、弁護人。

「落下による頭部外傷でも同様の症状が起こりうるそうですが・・」

▶検察の回答:「事件当日にそれが起きたという事実はありません。」

続いて、裁判所側からの質問。

「他の医師の見解はどうなんですか?」

▶小児科医足達の回答:「10人聞けば、10人とも私の意見に賛同するでしょう。」

この答えを聞いた入間は、「じゃ、本当かどうか確かめるために、10人の専門医を実際に呼びましょう」と大胆な発言をします。

裁判官がしてはいけないこと

第一回差し戻し公判が閉廷し、その休憩時間――。

香田裁判官が入間たちに近づき、圧力をかけてきます。

「裁判官が一番やってはいけないことは何だと思いますか?

・・答えは『間違える』ことです。

人が人を裁く上で、決して間違ってはいけない。」

▶▶判決がくつがえることは絶対にあってはいけないという、ものすごいプレッシャーを感じる言葉。ただ、個人的にこの言い分には賛同できませんでした。人である以上、間違いはあるものですし、裁判官としての威信を守るために、前言を撤回しないというスタンスには疑念を感じます。

 

実際、入間も同じ考えだったのか、物語の後半にこの言葉が再度持ち出されることになります。




第二回差し戻し公判

医師10人の証人尋問がはじまり、医師の見解が述べられます。

「レアケースですが、外傷を負ってから症状が出るまでの間に3日程度の幅があったと考えられます。」

これを受けて、詩織ちゃんが事件日の11月9日より前3日間に外傷を負った可能性があるとふんだ入間は、例のごとく職権を発動。

裁判所主動で事件日から3日間さかのぼって再捜査する運びになります。

保育士の小野田祥子

再捜査の流れを受けて、被告人の夫の深瀬啓介(渋谷謙人)に会いに出向いた入間と千鶴。

彼から、事件日3日前の出来事について詳しく話を聞きます。

「妻が育児に悩んでいてうつ状態だったので、私は娘を託児所に預けることにしました。それが11月6日です。

その時の保育士が小野田祥子という女性で、実は彼女は私が今の妻と出会う前に交際をしていた人なんです。

あと、彼女とは別れるときにひどくもめてしまった記憶があります。」

この話を聞き、入間は法廷に小野田祥子を呼ぶことを決めます。

神の手ゴール

千鶴と入間のマンション――。

入間の部屋のドアの前で何やら落ち込む千鶴。

千鶴は自分がしょげている理由を語ります。

「祖父母が悲しむ顔がどうしても浮かんでしまって・・。

私の母は物心つく前に亡くなってしまって、母の愛情というものは分かりません。父も仕事で忙しく、妹と一緒に祖父母に育てられました。

祖父母は私が裁判官になったことをとても喜んでくれて、そんな祖父母の期待に応えるために、私はキャリアアップにいそしみました。でも、このまま事務総長を敵に回してしまったら自分の地位が危うくなる。

もしかしたら、左遷されて、心が折れて、裁判官をやめて、地元の漁師と結婚して、価値観の違いで離婚。自暴自棄になって失踪して、最後には日本海に・・」

左遷される・・というところまでは分かりますが、後半のくだりは彼女の過剰な妄想でしょうか・・。日本海に身を投げるところまで話を膨らませる、その想像力の豊かさに逆に感心してしまいます。

するとここで、前回の乙姫裁判のように、入間のたとえ話がはじまります。

今回の話は『元アルゼンチン代表のマラドーナ』。

彼は千鶴に『問い』をかけます。

「1986年 FIFAワールドカップメキシコ大会準々決勝イングランド戦で決めた『神の手ゴール』、君はどう思う?」

■気になる用語『神の手ゴール』


ゴール前に上がったボールをマラドーナは手を使ってヘディングのように見せてシュートを決めた。主審はこの件に関して、後にこう言い訳をする。「副審がゴールを指していて、自分にはハンドが見えなかった。会場の8万人の観客も気づいていない。間違っていたのは自分だけじゃけなく、会場全体だ。」

「これを裁判に置き換えると、マラドーナ自身は真実を知っており、そんな彼に裁判所は判決を言い渡さないといけない。

僕たちは被告人を裁いているように見えて、実は僕たちが裁かれている。

こんな裁判所の仕事、面白いと思わない?」

▶▶真実を明らかにする立場の裁判官が、逆に真実を知った人間によって、その真実がねじまげられないか試され、見極められている。裁く者・裁かれる者の逆転ともとれるこの説話はとても意味深く思えました。




裁判官の面白さ

東京地裁第三支部第一刑事部――。

駒沢部長が千鶴に対して、被告人が無罪を主張したときに入間がどうして笑みを浮かべたか、その理由について語ります。

「被告人が無罪を主張すれば、より注意を払い、冤罪を防ぐことができる。

法廷では、様々な正義が飛び交います。

今回のケース、たしかに虐待は許されない。でも、それと同時に冤罪も許されるべきことではない。

私たちはその中で最善の答えを導き出さなければならないんです。

これほど面白い仕事は他にありますか?」

▶▶入間に続けて、駒沢までもが発言する「裁判官の仕事は面白い」という言葉。検察・弁護士・裁判官とそれぞれの正義がぶつかりあう法廷で、本当の意味での真実を導き出すこと。そのことに誇りと生きがいを感じている駒沢・入間の熱い思いを、言葉のうちに感じました。

あめふりを口ずさんで

被告人(深瀬瑤子)が書いた被疑者ノートに目を通す千鶴。

そこにはこんな内容が書かれていました。

「送検時に私が笑ったのは、そのときに娘の好きな携帯の着信音(あめふり)が鳴ったから。娘はその歌が大好きで、歌ってあげると泣きやんで笑う。そのことを思うと思わず笑みがこぼれた・・。」

▶▶童謡「あめふり」を口ずさむ被告人(深瀬瑤子)の語りとともに描かれた、彼女の母としての愛情を感じるひとコマ。娘を想う母親の気持ち、ノートの最後に書かれた「詩織のためにも諦めない」という言葉。前田敦子さんの熱演もあってか、非常に感動的なシーンになっていました。

▼童謡「あめふり」はこんな曲です(木管アレンジしました)▼

第三回差し戻し公判

小野田祥子の証人尋問。

まず、弁護人が小野田に「結婚を約束した被告人の夫の子どもが憎いと思ったのではないですか?」と尋ねます。

それに対し検察は「憶測で証人を不当に中傷している」と異議を提唱。

しかし、異議は裁判長によって却下され、弁護人は「SNSで誹謗中傷の書き込みを何度もしていたのはあなたで、あおり記事やまとめ記事もあなたが書いていたのではないですか」と続けて言います。

あまりの言葉に、「私はやってない」と取り乱す証人(小野田祥子)。

そこへ「深呼吸して落ち着いて」と優しく入間は声をかけ、こう告げます。

「やっていないことをやったと言われる・・。被告人の主張が正しければ、今あなたが味わった苦しみを被告人はずっと抱えてきたことになる。

11月6日のことで、些細なことでもいいから、何か気づいたことがあったら言ってください。」

証人は冷静さを取り戻し、思い出すようにして答えます。

「詩織ちゃんが微熱だったので、私はかかりつけの病院に彼女を連れていきました。

そこで、仕事の電話があったので診察室をいったん離れて・・、戻ってきてもまだ診察は続いていて、少し長いなと感じました。普通なら10分くらいなんですが、その時は30分かかりました。

その病院の医師の名前は・・、『足達克己先生』です。」

SBSを診断した小児科医の名前が突然あがったことで騒然とする法廷。

入間は、足達医師を法廷に証人としてもう一度呼ぶように提案します。

足達医師と香田裁判官

後日、足達医師に証人尋問を要請しますが拒否され、所在尋問も、日程が合わないという理由で断られます。

仕方なく、病院に直接押しかける入間。

そこで、看護師から足達医師が夜中に誰かともめていたという情報を耳にします。

それを聞いた入間は、その相手は香田裁判官ではないかと予測。

その理由は、足達医師が法廷で証言していたときに、傍聴席で香田裁判官が彼の言動を細かくチェックしていたからでした。

さらに、高校・大学で2人が剣道部の先輩・後輩の関係だったという接点を見つけ出し、足達は香田に対して逆らえない状況だったと類推します。




走れイチケイ

唐突に、裁判官の国際交流の日本代表に選ばれた入間。

どうやら入間を海外に行かせて、裁判長の座を降ろそうとする上層部の作戦だったみたいで、千鶴は「これには裏があるから拒否してください」と入間に忠告します。

触れてはいけない司法の闇に触れてしまったことをあらためて実感するイチケイの一同。すると、おもむろに入間が「香田裁判官を尋問しよう」と言い出します。

結果、香田裁判官の尋問の前準備として、足達医師の証言を再度とることになった入間たち。しかし、彼がベルリンに発つという情報を聞いてあたふたしてしまいます。

急遽、法的に強制して彼を引致するための『勾引状(こういんじょう)』を発行。空港に向けて出発します。

しかし、道路は渋滞しており、やむなく走って向かうことに・・。

バトンをつなぎながら走るイチケイのメンバーですが、基礎体力がないせいか、次々とダウン。最後にバトンを受け取ったのは、なんと、「検察だから協力する理由がない」と渋っていた井出(山崎育三郎)でした。

ペースランニング記録保持者の彼の走りは軽やかで、途中のハードルの障害物を見事に避けながら空港へとたどり着きます。そして・・。

■気になる用語『勾引状(こういんじょう)』


被告人、証人などを裁判所や指定された場所へ強制的に引致するために、裁判所が発行する礼状のこと。

▶▶井手を演じる山崎育三郎の見事なまでの全力疾走に、思わず声援を送ってしまいました。検事として入間たちに協力することを渋っていた彼ですが、実際にバトンを手渡されて、ランニングの成果が発揮できて、まんざらでもない様子だったみたいです。ちなみに、途中のハードルの障害物はあえて通る必要はあったのでしょうか・・?ここはツッコミどころだと思われます。

第四回差し戻し公判

香田裁判官の証人尋問。

以下、入間と香田の問答です。

「足達克己が証人尋問をした夜、あなたは病院で彼と言い争いをしていましたね?」

「学生からの付き合いなので、たまにケンカすることはもちろんあります。裁判長、私にいったい何を聞きたいのですか?」

「では、お聞きします。裁判官として一番やってはいけないことは何ですか?」

「それは、以前にも言ったように、間違えることです。人が人が裁く、だから決して間違えてはいけない。」

「・・私はそうは思いません。裁判官だって間違えることはあります。

それ以上に大きな罪は、間違いを認めないということではないでしょうか?

誰しもが様々な荷物を抱えて生きていて、間違いを認めることはとても勇気がいります。

しかし、我々は裁判官です。裁判によって人の人生を左右することもある。だからこそ、間違えたときに、我々がどう行動すべきなのか、それが大事だと私は考えます。

香田裁判長、第一審でのあなたの判決は間違っていませんか?」

「間違っていません。」

入間の熱弁を聞いても、断固として主張を変えない香田。

そんな中、新たな証人として足達医師が入廷し、11月6日に起きた真実を証言します。

「詩織ちゃんを診察していた時のことです。急患が入ったという電話があり、私はカルテを確認するためにパソコンに向かいました。

すると、目を離したすきに、詩織ちゃんが寝返りをうって、診察台から落下してしまいました。

もちろん、慌てて詩織ちゃんの身体を調べましたが、その時は問題はありませんでした。

その3日後、救命から呼び出されて救急病院に駆けつけると、詩織ちゃんは急性硬膜下血腫で危険な状態になっていました。

私は、彼女の母親がうつ病で虐待の可能性があるという話を聞いて、思わず原因はSBSにあると診断しました。でも、その自分の診断に対して、母親の被告人が無罪を主張し続けたことから、しだいに疑念を抱きはじめました。

それで、私は香田裁判官に「もしかしたら誤診をしてしまったかもしれない」と相談しました。しかし、彼は今さら判決を変えられないと言って、真実を述べないようにと口止めしてきたんです」

それを聞き、入間は言葉をはさみます。

「この裁判は被告人が母としての誇りを取り戻し、母としての人生もかかった大切なものです。真実を話してください。」

足達医師は続けます。

「私がベルリンに行ってすぐに戻ってきたのは、向こうにSBSの第一人者である恩師がいたからです

詩織ちゃんが落下した診察台の高さと、救命に運ばれた時のCT画像を見てもらい、世界中の症例と照らし合わせて診断をしてもらいました。

恩師の診断結果は、『3日前の外傷が原因。SBSではない』でした。

これが真実です。」

▶▶ベルリンにわざわざ足を運んで、自身の過ちの整合性をとろうとした足達医師の行動に、彼の医師としての信念のようなものを感じました。人の生命を守ることを職務とする医師にとって、真実をねじまげることや不本意な診断は絶対に許されないことなんだと思います。

すべての話を聞き、即日での判決を希望する入間。

そして、被告人に判決を言い渡します。

「主文。被告人は無罪。

――詩織ちゃんの身体を揺すぶって傷害を負わせた事実について、様々な角度から検証した結果、詩織ちゃんの傷害の原因はあなたにないと判断したので、無罪とすると決めました。」




娘との再会

裁判後、詩織と再会する深瀬瑤子。

「母親のことは忘れてしまっているだろうな」と考えていた彼女ですが、それとは裏腹に娘の詩織は「ママ!」と言って、瑤子に抱きつきます。

そして、2人は幸せそうに「あめふり」の歌を一緒に歌います。

▶▶世間から幼児虐待の鬼女として強いバッシングを受けて苦しんだ彼女も、娘のこの一言に心から救われたみたいです。母親が愛情を注いでいるかいないかを一番理解しているのは、やはり当事者の子ども自身なんでしょうね。まさに、「純なる子どもの心に敵う法なし」といったところでしょうか。

事務総長の謝罪

地方裁判所第三支部第一刑事部――。

事務総長の香田健一郎が突然来訪し、「処分されるのではないか・・」とおびえるイチケイのメンバー。

しかし、意外にも彼は次のように謝罪してきます。

「香田隆久裁判官を懲戒処分した。今回の事件の責任は取る、申し訳ない。」

予想外の言葉に驚く一同。

その後、駒沢から、「入間が司法記者クラブに答えた言葉が新聞記事に載っていて、それが大きく影響したのでは?」と説明がなされます。

ちなみに、記事には次のようなことが書かれていました。

今回の事件で、審理に携わった裁判官が飛ばされるというのは都市伝説です。裁判所は真実に公平な場所ですから。

▶▶世間の声を味方につけることで、上層部の動きを封じるというなんとも入間らしい作戦です。政治において世論に勝るものがないように、大衆・群衆の力というのは、強力な武器となりうるみたいですね。

私は間違えていない

日高と食事をする千鶴。

千鶴はおもむろに「日高さんが入間にこだわる理由はこれが原因ですか?」と言って、過去の公判記録を持ち出します。

その記録に書かれていた内容は、

裁判長は日高、右陪席に駒沢、弁護士は入間。判決は有罪となり、被告人は刑務所で無実を主張し、自殺をはかる。
その後、入間は弁護士を辞めて裁判官に。

というものでした。

そして、千鶴が「判決は正しかったのですか?」と日高に確認すると、彼女は自信を持ってこう答えます。

「私は間違えていない。」

▶▶今回の香田裁判官と同様に、まるで間違えないことこそが正しさだと言わんばかりの日高の発言。その言葉の裏に、威信のために否を認めまいとする司法の問題点が隠されているように感じました。





 お疲れ様でした。

 ドラマ第2話は

 ここまでです。

幼児虐待事件を主題として扱った今回の物語で印象的だったのは、やはり被告人の母親役をつとめた前田敦子さんの迫真の演技だったと思います。特に、彼女が表現した母親の涙には心伝うものがありました。

また、事件を受けて、法曹界上層部と敵対関係をよりいっそう強めることになった第三支部のメンバー。

司法の闇を果敢に切り開こうとする彼らは、今後どういった事件に立ち向かうことになるのでしょうか。闘いはまだまだ始まったばかりのようです。

 

 




ドラマ情報

「イチケイのカラス」

――フジテレビ系 毎週月曜日  夜9:00~

公式サイト
https://www.fujitv.co.jp/ichikei/
原作:浅見理都

「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC刊)

脚本:浜田秀哉(『絶対零度』シリーズ、『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』他)
音楽:服部隆之
プロデュース:後藤博幸(『SUITS/スーツ』シリーズ、『ほんとにあった怖い話』シリーズ他)、有賀 聡(ケイファクトリー)(『カンナさーん!』、『初めて恋をした日に読む話』他)、橋爪駿輝(『嫌われる勇気』、『ペンション・恋は桃色』他)
編成企画:高田雄貴(『刑事ゆがみ』、『黄昏流星群』他)
演出:田中 亮(『コンフィデンスマンJP』、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』他)、星野和成(『チーム・バチスタ』、『SUITS/スーツ2』他)、森脇智延(『SUITS/スーツ』シリーズ、『ほんとにあった怖い話』シリーズ他)、並木道子(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』、『モトカレマニア』他)
制作協力:ケイファクトリー
制作・著作:フジテレビ第一制作室

▼出演者▼


○入間 みちお  ・・ 竹野内 豊
○坂間 千鶴   ・・ 黒木 華
○石倉 文太   ・・ 新田 真剣佑
○井出 伊織   ・・ 山崎 育三郎
○浜谷 澪    ・・ 桜井 ユキ
○一ノ瀬 糸子  ・・ 水谷 果穂
○川添 博司   ・・ 中村 梅雀
○城島 怜治   ・・ 升 毅
○日高 亜紀   ・・ 草刈 民代
○駒沢 義男   ・・ 小日向 文世

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